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<再掲>3つのB

世間で言われている”付き合ってはいけない3B”ではなく、トレーニングにおける3つの"B"の話をしたいと思う。
これは大学の先輩であり、現在は比叡山高校で指導をされている武田さんに教えてもらい心に留めていることである。


3つのB

3つのBとは<Base:基盤><Basic:基礎><Build:積み上げ>の頭文字をとったものである。トレーニングに当たって大事なポイントであると思う。小学生〜中学生をコーチングするに当たっては、寝て起きて元気に走り回っても記録が伸びる時代から徐々にトレーニングをして身体を鍛えていくフェーズかなと考えている。
その際に、なぜトレーニングをするのか?トレーニングはどのように考えるべきか?そんなことを話す機会が増えてきたので、改めてこの3つのBについて書いておきたい。

目的地は何処?

目標=目的地 とした時に、あなたはどのように目的地を目指すだろうか?
あてずっぽうに、気のむくまま、足の向くまま目的地を目指すだろうか?
それとも計画・準備を行なって目指すだろうか?

旅であれば前者でもいいかもしれない。しかし、アスリートはそういうわけにも行かない。競うべき舞台が用意され、その舞台=競技会に間に合わなければならない。気のむくままでは目的地には辿り着かないのである。目的地をたどり着くためには、

現在自分のいるところはどのあたりか?
目的地までの距離はどれくらいあるのか?
どのようなルートを通っていくのか?いつまでに到着したいのか?
そのために、どんな装備品が必要であるのか?
どんな協力者・支援者が必要と考えられるか?
時と場合によっては、留まり機を待つこともあるのではないか?

準備と計画が必須であり、トレーニングも同様である。そこで、3つのBがポイントになる。

<Base:基盤>

競技をする上で必要な土台となる部分。トレーニングを継続して行えるように生活を整えたり、トレーニングに耐えうる体を作ったり、より良トレーニングができるように練習環境を改善したり整えること。

文字にすれば簡単だが、実際に行動に移すことができるかがカギである。
学生であれば学校生活をきちんと送りテストや行事をこなし、友人関係など保護者から気持ちよく送り出してもらえる状態にあるか?
社会人であれば家族や職場環境、その他のストレス、社会的な立場を踏まえた上で競技生活を送ることが応援される環境にあるか?

トレーニングを頑張る前に、トレーニングが出来る環境基盤があることが大事である。この基盤がない状態でトレーニングを継続すると必ず何処かで歪みがくる。身体のコンディションが低下することはもちろん、勉強や仕事に追い込まれてしまいライフスタイルが乱れトレーニングどころではなくなってしまう。
とにもかくにもこの基盤作りがなければ話にならない。

<Basic:基礎>

スプリントドリルやハードルドリルなどのパフォーマンスの動きの基礎。生理学やバイオメカニクス、栄養学などの基礎知識。

基礎とはすべての土台となる部分。算数で言えば、四則演算が基礎にあたり、因数分解などは基礎の上に成り立つ応用となる。同じようにトレーニングにも基礎がある。フィジカル、栄養、スキル、ピリオダイゼーションなどこの基礎がなければ成立しない。方法論はいつの時代も流行り廃りがあるが、根本を支える原理原則はかわらない。走る速さは2足走行である限りはピッチ×ストライドで決定されるだろうし、股関節屈曲伸展筋群を鍛えるのにスクワットは有用であることに変わりないだろう。

競技の勝利条件は何か?そのトリガーになる原理原則は何か?これを抑えておけばあとは方法論の違いだけであり、トレーニングの意図も見えてくるだろう。

<Build:積み上げ>

Baseとなる土台を大きくし、Basicを積み重ね、応用していくこと。

競技スポーツは時間との戦いである。重要な試合までにどれだけの準備が整えることができるか?学生であれ卒業までの期間も考慮しなければならない。
限られた時間の中で、効果を最大化するために優先順位を考えねばならない。

トレーニングは継続することに最大の意味があると思う。合宿や強化練習などで短期的に負荷をかけること時には大事だが、その短期間で劇的に強化されるケースは少ないと思う。(きっかけ・メンタル的な意味は大いにあると思う)
日々の積み上げに勝るものはない。積み上げるために、適切な負荷、適切な休養が必要である。そして、ステレオタイプ化したトレーニングを打破するために劇薬的に強化練習や合宿などを使うことが多いだろう。

BaseやBasicの部分はコーチや専門家がサポートできる領域だが、このBuildだけは本人の意志によるところが大きい。どんな速度で目的地に辿りつきたいかは、このBuildにかかっているように思う。


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