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キャリアアップ × 「競争回避の戦略」

① 競争回避の戦略とは
前回お話しした5フォースモデルの1つに「新規参入企業の脅威」があります。
その脅威を回避するためにはどのような戦略が必要なのか。
これが「競争回避の戦略」です。

具体的な戦略の1つに、「参入障壁を築く」という手段があります。
まずは、「参入障壁」とは何かをご説明します。


② 参入障壁とは
「参入障壁」とは、ある業界に新規参入しようとする企業にとって、
その参入を妨げる障害のことです。
参入障壁が高いと、新規企業は業界に入りにくいし、
参入障壁が低いと、新規企業は業界に入りやすいことになります。

参入障壁の主な要因として以下のものがあります。
1.業界内で扱われている製品(サービス)が差別化されていること
2.新規参入企業にとって、巨額の投資が必要であること
3.政府の許認可が必要であること

皆さんがキャリアアップによって参入しようとしている業界の参入障壁はどうでしょうか。
参入障壁が高ければ、参入するためのコストがかかり、参入しにくいと言えます。
参入障壁が低ければ、参入するためのコストがあまりかからず、参入しやすいと言えます。
皆さんに対する個別のコーチングによって、参入しようとしている業界の参入障壁を一緒に分析できればと思います。

参入障壁を築くための戦略として、「規模の経済性」と「経験曲線効果」があります。
次に、「規模の経済性」についてお話します。


③ 規模の経済性とは
規模の経済性とは、企業の規模や生産性が増大するに従い、製品(サービス)1個あたりの生産コストが逓減していく現象のことです。

ここでいう生産コストとは、施設やシステムなどにかかる固定費ではなく、人件費や材料費などの変動費を主に指しています。つまり、サービスの拡大縮小に変動して費用が増減するものです。

この生産コストが、企業規模や生産性の拡大により逓減することを「規模の経済性」といいます。
規模の経済性が働いている業界は、既存業者がすでにコスト逓減を実現していることから、新規参入企業にとって初めからコスト削減が求められ、参入しにくい業界となります。つまり、すでにある程度大きな規模の企業が存在している業界は、参入障壁が高いといえるでしょう。


④ 経験曲線効果とは
経験曲線効果とは、製品(サービス)の累積生産量が増加するに従い、製品(サービス)1個あたりの生産コストが一定の割合で減少するという経験則です。

この経験曲線効果の構築にはある程度の時間が必要となりますが、積み重ねた経験はその自体が新規参入を妨げる要因となります。つまり、長期間その業界で経験を積み重ねてきた企業には、経験曲線効果がみられるということです。

この点も、キャリアアップによって新規参入しようとする際、経験曲線効果を構築している企業が存在している業界は参入障壁が高いと言えるでしょう。


⑤ 競争回避の戦略と競争優位の戦略について
今回お話した「競争回避の戦略」は、新規参入企業の脅威に対抗するための回避戦略です。つまり、どちらかといえば、既存業者が行う防御戦略です。

キャリアアップによって新たな事業を展開し、新規参入を考えている皆さんにとって、参入しようとしている業界の分析は必須となります。個々のコーチングによって、業界分析を一緒にさせていただければうれしいです。

次回お話するのは、「競争優位の戦略」です。こちらはどちらかと言えば新展開を考える際に必要な戦略となります。キャリアアップによって新規参入を考えている皆さんにとっては考えやすいお話かと思います。次回もぜひ読んでください。


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『協育の伴奏者』代表 角 幸範

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