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簿記を学ぶメリット3選【公認会計士が考える】

「最近よく簿記は勉強した方がいいって聞くけど、本当?」と疑問を感じている方はいらっしゃいませんか?

資格をとるかどうかを決めるには、勉強するメリットを学んでから始めた方が良いと思います。

そこで本記事では、公認会計士である私が考える、簿記を勉強することのメリットを紹介していきます。

簿記を学ぶメリット3選

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メリット①就職・転職に有利になる

簿記を学ぶことは、就職・転職に有利になります。

簿記は社会人としての共通言語であり、全てのビジネスに必要な知識といっても過言ではありません。

ですので、そのような知識を持っている候補者が、就職・転職に有利にならないはずがありません。

仕事をしていると、日々の会話が簿記の知識があることを前提にされていることがわかります。

例えば「この商品の売上はXXX円で原価がXXX円だから、利益はXXX円です」「この施策で原価をXXX下げれば利益がXXX円になります」などです。

会話の最中に、(売上って・・・?)と考えていたら、仕事の進みが遅くなってしまいます(もちろん売上くらいであれば既にご存知の方もいるかもしれませんが)。

そのような前提知識を事前に持っていれば、就職・転職に有利になります。

また、実際に簿記3級を新入社員の全員に取得させたり、昇格の条件にしている企業も多いです。

このようなことからも、社員が簿記を学ぶことを重要視している企業が多い事がわかります。

ですので、簿記を学んでいる人が就職・転職に有利にならないはずがありません。

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メリット②副業・フリーランスの人にも役立つ

副業・フリーランスにも、簿記の知識は必要になります。

理由は2つあって、①自分のビジネスを数値で理解できるため、②確定申告に役立つためです。

①自分のビジネスを数値で理解できる
自分のビジネスを数値で理解できるとは、どういうことでしょうか。

例えば、モノを仕入れて売る「せどり」を副業で行っている場合。

Amazonで8千円でモノを買ってきて、メルカリで1万円で売れた。差額の2千円で利益が出た。

仕入の8千円はAmazonで支払い済。売上の1万円はまだお客さんからの入金を待っている状態。

上記はごく簡単な事例ですが、全て仕訳で表すことができ、会計ソフトなどを使えばリアルタイムで自分の経営状態と成績を見ることができます。

そうして自分の状況を見ることで、改善点が見つかったり、破産を防げたりもするのです。

世の中の殆ど全ての取引は、仕訳で表すことができると言っても過言ではありません。

簿記3級さえ学んでしまえば、エッセンシャルな部分は理解できるようになります。

②確定申告が自分でできるようになる
確定申告に役立つとは、どういうことでしょうか。

確定申告には厳密には税務の知識が必要となりますので、簿記だけではいけません。

しかし、税務は簿記で作成した数値が出発点になるため、前提知識として持っておく必要があります。

最近では税務申告機能を持つ会計ソフトも進化しているため、税務の知識がなくても、簿記の知識さえあれば入力は簡単かもしれません。

また、何より「青色申告」という申告を行えば、税金を少なくすることができます。

その際に必要になるのが、簿記を使って作成した財務諸表になります。

税理士等に頼んで財務諸表の作成、申告業務を行っても良いと思いますが、その場合は高い費用が発生します。

大きい会社を経営している人ならまだしも、個人でやっている副業・フリーランスの人はそこまで作業量が多くなく、難易度も高くないはずです。

にも関わらず税理士に頼んでしまうのは、少しもったいないと感じます。

まずは自分自身で確定申告ができるように、簿記を学ぶことをおすすめします。

(分からないことがあれば税務署や税理士にピンポイントで聞くこともできる)

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メリット③お金の使い方が変わり、生活が豊かになる

簿記を学ぶと、生活が豊かになります。

いきなり話が大きくなってしまいましたが、要するに自分自身の家計が意識できるようになり、無駄遣いが減り、お金の使い方が変わります。

例えば、何かにお金を支払ったとき、簿記の考え方ではまずその支払が費用になるのか、資産になるのかを考えます。

資産に払えば、将来の長期にわたってメリットを生み出してくれるものとなります。

もしマッサージ等に行ってお金を払った場合は、基本的にはマッサージでリフレッシュする1時間のためにお金を払うため、費用と考えます。

一方で、車を買ったりすれば、それは何年にも使うものであり、使い終わった後にまだ価値があれば売却できるため、資産と考えます。

お金を支払うときに、これは資産になるものかな~とか、どれだけ使えるかな~とか考えるようになり、お金の使い方が変わります。

費用対効果とか、投資効率も簿記的な考え方だと思います。

もう1つ事例をあげます。

例えば、35年の住宅ローンを組んで、3,000万円のマイホームを購入した場合。

夢のマイホームだ!3,000万円の資産が増えた!という風に考える人は、実は少し間違っています。

簿記の考え方ができる人であれば、負債が3,000万円、資産が3,000万円増えており、ネットの純資産(この場合、自分の持っている資産価値)は増えていないことがわかります。

この負債と資産は、基本的には徐々に減っていくものですが、減るスピードは両者同じではありません。

また最悪のケースですが、地震や家事で家がなくなった場合、資産がなくなり、負債だけが残ります。

簿記の知識を使えば、以上のようなリスクをしっかり考慮した上で、後悔の少ない意思決定ができるようになります。

このように簿記の考え方を日々の生活に取り入れることにより、お金の使い方が変わり、生活が豊かになります。

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