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姉が結婚をした

なんか姉が結婚をしたから、それについて書こうと思ってごちゃごちゃ書いていたのだけれど、あんまり上手く書けそうになかったから、弟という立場で率直な思いを綴ることにした。

姉の口から結婚すると聞いたのはちょうど1年前のことだった。まぁ、高校生の頃から付き合っていて7年目?くらい経った頃だったから、特段驚きもせずに単純に祝福の気持ちが強かった気がする。一方で両親はいかんせん納得のいっていない様子だったのだけれど。というのも、姉の交際していた相手が8つも上の人で、しかもその人は姉が高校で所属していたバドミントン部の外部コーチだったからだ。まぁあれだ、禁断の恋とか言われてる、それだ。社会人と高校生の恋愛だったから、交際が発覚した当初から両親はさぞかし不服だったことだろう。何もそこまで反対しなくても良いだろうと当時中学生だった僕は思っていたのだけれど、22歳になった今、両親の気持ちも良く分かるようになった。せめて、卒業するまで待てば良かったものを。恋は盲目というか、恋は人を馬鹿にするんだなとしみじみ思う。そうは言っても、やはり僕は弟として姉が自身で選んだ幸せなら応援したい。

僕から見ると、姉はかなり芯の強い人間だ。自分の好きなものがハッキリしていて、加えてそれをきちんと言える人だ。まぁでも、頭は良くなくて、それなりに上手くやれよと思うこともあるのだけれど、姉の性格上無理なことだろう。僕はそんな姉のことを家族として好きだ。なんだかんだでお姉ちゃんをしてくれるし、仲もとても良い。年頃の喧嘩とかもしたことがないし、互いに上手く付き合ってきた。両親とはあんまり考え方が合わないことが多かったから子供同士で結託していたこともよくあったな。自分で言うのもなんだけど、まぁとにかく仲がいいんだよ。

それでも、やっぱり鬱陶しく感じる時もあってさ。姉って必要以上に僕に絡んでくるんだよ。休日、家にいて暇があれば、映画を一緒に見ようだの、話し相手になってくれだの、コンビニにうまいスイーツを買いに行こうだの、なにかと誘ってくるのだ。その度に僕は眠いから、めんどいから、甘いものよりラーメンが食べたいだの断っていた。でもさ、姉が実家を出て同棲を始めてからさ、その鬱陶しさが無くなったのは良いんだけど、やっぱりなんか寂しい。姉がいると、なんだかんだ賑やかだし、何かをするのに付き合わされていたから、引きこもり気質の僕には合っていたのかもしれない。まぁ、1ヶ月も経てばそんな寂しさも無くなったのだけれど、慣れってすごい怖い。

まぁ、その後もちょくちょく実家に帰ってくることもあって、その時は良い感じに姉に付き合えてたな。そのくらいのペースが心地ええな、なんて思ったりもした。

いつの日か、久々に実家に帰ってきたなと思った時、3月9日に結婚式するから、と告げられた。おぉ〜ええやんと思った。それは、夕食時のことで、皆お酒を飲んでいた。酔って口が軽くなったのか、姉が「弟しかおめでとうって言ってくれない」ってボソって呟いたのをやけに鮮明に覚えている。振り返れば、姉の交際が発覚した時、両親はブチギレて姉と大喧嘩をしていたし、籍を入れた時も、式を挙げると言った時も両親はなんとも言えない顔をしていたな。そりゃ、辛いよな。高校も大学も色恋沙汰せずに、結婚までするくらいには好きな相手なのに、両親からはずっとよく思われてないんだもんな。

ごちゃごちゃ両親が何かと文句を言っていたけれど、時の流れは意外にも早く、すぐに式当日となった。式は順調に進んだ。順調じゃなかったことと言えば、チャペルの時に父親と僕が号泣してしまったことくらいだ。後から、姉と母親に男供が泣くから涙引っ込んだわと聞かされた。まぁ、確かになんかすげー泣いちゃったな。しかも、式の最後の姉からの手紙の時も号泣したのだけれど。

姉にサプライズということで、新郎さんに手紙を頼まれていて、それを司会の人に読んでもらった。最後の最後に姉が号泣してるのを見れて良かったぜ。普段、あんまり言えなかったことを伝えられて良かったな。苗字が変わったことに気づいた時、姉の靴まみれだった玄関がスカスカになったこと、姉のヘアオイルを無断で使っていたのに自腹を切らなくてはいけなくなったこと。割と日常の中に寂しさを感じる瞬間があったのだけれど、式で幸せそうな顔をずっと浮かべてる姉を見たら全部どうでも良くなった。良かったね姉。どうかお幸せに。

色々思い返すともっと書けるのだけれど、長くなってしまうからこのくらいにしておこうと思う。

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