見出し画像

フリーゲーム制作からインディーゲーム開発に移って良かったこと・辛かったこと

少し前までは別世界だったフリーゲームとインディーが、もはや垣根を超えつつある今日のこの頃。
そんな折「今まで無料で公開してたけど、もしかしたら私も……ゲームで収益得られるかも!?」と思っている人も多いのではないでしょうか?


何を隠そう、わたしもIbに影響され探索アドベンチャーフリーゲーム制作からゲーム制作沼に入ったひとり。
なんだかんだで今はunityで、スマートフォン向けゲームをリリースした、インディーゲーム開発者となっています。
インディーゲーム開発者は数あれど、じぶんのように



フリゲ作者➡︎インディーゲーム開発者



という道を辿った人は寡聞にしてあんまり聞かない。無論、超人気フリゲがインディーとしてsteamやSwitchでリリース、はいっぱい聞くけれど、どれも企業がガッツリ噛んでて自力で行うインディーゲーム開発の参考にはならない。



ああ……企業に認めてもらえるような超人気作にならないと、収益を得るなんて無理なんだ……


悲嘆するなかれ!!



インディーとはインディペンデント(独立)の意味。
企業から独立し個人や小チームで企業と同じ市場に出せることこそインディーの花。
わたしも自力でアプリゲームを作り、じぶんでiOS AppStoreとGoogle pray Storeにリリースしました。





この作品は初月10000ダウンロードを超え……


日本ゲーム文化振興財団の令和3年度クリエイター助成制度に選ばれ、100万円の助成金を受けました。




その過程には楽しいこともあれば辛いこともあり、また、泥臭く面倒なことをやる必要がありました。
こういった経験を事前に共有したら、これからインディーに挑むフリゲ作者の役に立つのではないか?
出来ることなら同朋が苦しむ姿は見たくないもの……
今日はフリゲからインディーに移行したわたしの経験を記し、これからインディーを志すフリゲ作者の灯火になれればと思います!



プログラミング未経験者がツクールからunityに移行してゲームを制作する過程はこちらの記事で書きましたので、今日はそれ以外の話をします。





フリーゲームから移行した理由

2016年5月に処女作を公開し、そこから2018年1月までに合計4本のフリゲを出しました。


ふりーむで公開中なのでよろしくね!

また、ニコニコ動画の『ニコニコ自作ゲームフェス』で賞金がもらえる賞を得たのをきっかけに、アツマールの方でいくつか依頼を受けたりもしています。

精力的に活動していたのに何故、フリゲ作者からインディーゲーム開発者に移行したのか?というと以下の理由がありました。


①公開範囲の限界

フリーゲームを作成し、公開しようというときふりーむ!ノベコレなど素晴らしいサイトがたくさんあります。
個人が自由に作るゲームの尖った魅力に取り憑かれた愛好家たちが遊び、感想を送り合い、暖かな交流がそこにはあります。

けれど、誰もがアクセス出来るネット上で無料で公開されているにも関わらず、フリゲ作者や愛好家の外のユーザーにまで届く事は稀です。
もちろん、ゆめにっきやIb、青鬼など例外の作品もありますがそんな例外の作品になれることは滅多にありません。
わたしはゲームを作っていく中で、そのうち、もっとたくさんの人が日常的にアクセスする市場……App Storeやsteamなどにゲームを出してみたいと思うようになりました。

②企業や有名ゲーム実況者頼みのブレイクスルー

もしも、フリーゲームを作り続け例外の人気作を生み出せたその時でだって、メディアミックスされて漫画化だとか、steamで多言語版を配信、だとか夢のある話はいっぱいあります。

しかし、それには一意の企業の手を借りなくてはいけず、多様性に欠けているように思えました。もしもその企業との契約内容が合わなければ、全ては水泡に帰すのです。

また、わたしが活動していた当時のフリーゲームの環境は、有名実況者に取り上げてもらえることが人気作になることへの条件でした。
今は随分状況も変わって、上記のような状態とは違うかと思いますが、当時のわたしにはそんなふうに感じたのです。
プレイヤー以外の権威的な何かに認めてもらわないと次にいけない状態が窮屈に思えました。

というか、ゲームを公開し誰かに遊んでもらい温かな交流をする……それ以上のものを望んだ時点でフリーゲームの枠組みから外れているのですよね。
なのでどんな苦難があろうとも、インディーに行くよりないと思いました。

③グラフィック表現の限界

これはゲーム制作側の話ですが、ツクールでゲームを作っていた時から手書きマップなどで独自のグラフィック表現をしていたのですが、やがてそれ限界に感じました。
ツクールは使いやすくするためにグラフィックの規格がガチガチに決められており、それが逆に窮屈に感じたのです。

もっと自由な表現をし、そして広い場所で公開するためにはunityを覚える他ない、と判断し3年かけて勉強しながら開発しながら習得しました。


ところで、先日PRG maker Uniteが発表されましたね。
unityの上にツクールの一部をアセットとして載せる形なので、unityの基本は勉強する必要はあるでしょうがきっとイチからすべてやるより格段に敷居は下がるでしょう。
良い時代だ……


インディーに行く為にやったこと

さて、インディーに行くぞ!と決めた日から実際にリリースするまでに何をやったのかと言いますと、地道で涙ぐましいunity習得とゲーム制作はもちろん……それ以外にも色々と行いました。


①展示イベントに行く

そもそも、インディーに行きたい!と思ったのが東京ゲームショウでインディーブースを回ったのがきっかけでした。
それから、可能な限りイベントに足を運びました。

デジゲー博、ビットサミット、冬コミ……

そしてじぶんの作風と似た傾向のゲームをたくさんチェックします。実機を遊び、出来ることなら開発者とお話しをしてフライヤーをたくさん集めました。
彼らがどのような活動をし、どのようなマーケットで販売を目指しているのか確認します。どれぐらいの規模のものをどれぐらいの価格で売るのか。実際に遊んでどんな場所なのか体験するのです。
そうすることで、インディーの場で活動する自分自身の方針が徐々に定まってきました。

ゲームを有料で売るといっても様々な市場があります。最大手はsteamですが、steamで売るのが最善とはかぎらないのです。
ゲーム展示イベントの雰囲気はそのままゲーム市場の雰囲気を反映しています。


すごく大雑把に言えば

ビットサミットや東京ゲームショウはsteamやApp Store
コミケや同人イベントはDLsiteや同人市場


同じ個人制作のゲームを売る、といっても全く違います。できることならイベントに行って市場の違い、文化の違いを肌で感じて自身の感覚に合う適した場所を選ぶのが何より大切だな、と思いました。



②じぶんの作品・ユーザーと向き合う

インディー……ゲームを売る、と一括りにして考えていたものがよく見れば細分化できることに気がついた後は……じぶんの作品について考えます。

じぶんに適した場所を選ぶといっても、じぶんのことについて知ってないと選ぶことが出来ません。
自己分析なんて難しい……とお思いかもしれませんが、我々にはすでにフリーゲームで培った作品とプレイヤーとの交流がある!
初めてゲームを作ろうとする人よりも圧倒的なアドバンテージがあるのです!

そう、わたしの場合は……

・シナリオと特徴的なグラフィックが売り
・今まで公開したゲームのプレイヤー層は若年層の女性ライトゲーマー

ということが今まで作った作品を眺めればすぐにわかりました。
新しい場所でゲームを売るなら、これらを引き継ぎながらさらにクオリティアップを目指していくのが鉄板。売り物にするのだから、もっと万人受けするようなものを……など考える必要はありません。
きっと、フリゲを作る中で手応えがあったからこそ、収益を得るということを志そうとしているはずです。
どこがウケたのか、じぶんの強みは何か、そして弱くクオリティアップしていかないといけない部分はどこか、向き合う必要があります。

じぶんの場合、シナリオとグラフィックに強みがあるものの、プログラミング知識は皆無でプラグイン頼りのゲーム作りをしていました。
ゲームで収益を得ようというならこの弱点は克服せねばなりません。
かくして、年単位に及ぶ勉強が始まったのでした……

また、もっ〜と奥の、じぶんの創作思想についても考えました。この思想が一致する場所にいかなければ息苦しい思いをすると感じたからです。
わたしはパンク・ロックなどのカウンターカルチャーにときめきを感じる人間で、おなじものを東京ゲームショウで展示されていたインディーゲームに感じました。だから、じぶんも芸術肌で革新的な場所に身を置こうと思いました。
そうなると、市場は自ずとsteamやApp Storeになります。
さらに、職業柄スマートフォンに大きな思い入れがあったので、スマートフォンにゲームをリリースすることに大きなロマンを感じました。
無料公開の広告収益型でリリースすれば、フリーゲームからのプレイヤーもついてきやすいし、若年層の女性ライトゲーマーとも一致します。わたしのゲームを好んで遊ぶ人に届きやすいのは、この方法で公開することだと考えました。

そして!
スマートフォン 向けアプリゲームの開発がスタートしたのです!


③イベントにとにかく出まくる

2018年にゲームを作り始めてから、2019年には出ることができるあらゆるイベントに出展しました。
きっかけとなった東京ゲームショウはもちろん、夏コミ、ぜんため、デジゲー博、ビットサミット……
イベント出展はマジでおススメで、イベント出展しまくったおかげで様々なことが上手く行った感覚があります。


イベントについてはこちらの記事で熱弁してるので今回は手短に話すと……

まず、プレイヤーの反応を直接見ることが出来ます。口では「面白いですよ〜」と言ってても、操作や表情から隠せぬ本当の気持ちが読み取れるのです。目の前で遊んでもらえるからこそ得られる情報です。
時には苦痛な評価を下される時もあるでしょうが、リリース前に知ることが出来たのは僥倖以外の何者でもありません。生の評価に殴られながらゲームをクオリティアップしていきましょう!

また、イベントの手触りからじぶんに合った市場を知ることが出来ます。じぶんは、コミケと東京ゲームショウではTGSの方がしっくり来て、コミケは違和感がありましたが、逆だった〜という人も多くいます。本当に人によるし、出ないとわからないものです。


そして知り合いがたくさん出来ます。ゲーム開発者やメディア関係者……情報を得るという意味でも、制作を続ける心強い仲間としても、知り合いが多いに越した事はありません!

ゲーム展示イベントのほか、もくもく会やLT大会のようなゲーム開発者が集まるイベントには積極的に参加しました。



インディーに行ってよかったこと/辛かったこと


そして3年の開発期間を経てついにリリースまで行ったわけですが、良かったこともあれば辛いこともありました……
下げて上げろ!ってことでまずは辛い部分から!


・フリーゲームで培った実績が通用しない

移行し始めてすぐに感じたのがコレです。
フリゲはコンテストが盛んで、今は終了したもののふりーむ!ゲームコンテストをはじめ様々なコンテストがあります。
また、ニコニコ動画を通しての企業案件や有名実況者に取り上げられた、などなど、それらが実績となり自信となり、ゲームで収益を得ることを志ざしたわけですが……

いざインディーに行きゲームイベントに出ていろんな人と交流していくと、そういったフリゲでの実績はまったく意味をなさない、という現実を思い知りました。
評価の対象は今作っている作品ただひとつのみ。過去に積み上げたフリゲでの実績は一切関係ないのです。

実際、わたしはフリゲではロックを題材にしたゲームを多く作り、ロックの人というゴキゲンなイメージを得ておりましたが、インディーに来て触手を売るゲームを作って行くうちにすっかり触手の人として認識されました。
過去にロックのゲームをたくさん作っていたと知る人の方が、今や少ないでしょう。ましてや、コンテストの受賞歴やアツマールでの企業案件のことなど誰も知りません。



それでも一切、フリーゲームでの活動は無駄にはなりません!



インディーで活動する中、過去に得たフリゲでの活動が一切注目されず賞賛されなかろうと、作っている自分自身にはたしかに自信となって残っている。
それだけで充分なのです。

ひよっことして裸一貫で謙虚に勉強しながら、確かな自信に裏打ちされてゲームを作る。

これがこの、一番最初に襲い来る辛い現実を乗り越えるカギです!


・周りがみんなゲーム業界の人

何故フリゲでの実績が通用しないかとすればそれは、インディーには


元ゲーム業界の人とか……
現役デザイナーとか……
プログラマーとか……


ともかく、プロのクリエイターがごろっごろごろっごろしているからです。

イベントで出会い話すうちに、そういえばどこの会社にお勤めで?と、無論ゲーム業界の人ですよね?ムーブされることもしばしば。
その度に、若きころ挫折した人生の苦しみを思い出して悶えながら、地元で事務員してて……はは…………と答える始末。

当然、そんな人たちがごろっごろごろっごろしているのですから作品のレベルも高いです。

コンプレックスを滅多刺しにされじぶんの不甲斐なさを叩きつけられる毎日。


それを……もう…………目を逸らさずに…………至らぬ部分を努力して……努力して…………努力して…………努力して…………努力するしかなかった。

目を逸らし、どうせ個人が趣味で作っておるだけですわ、収益化もやってみているだけだしィ、と言い訳して努力をしなければ大火傷を負うだけです。
目を逸らさずに……頑張ってください!!!!!!


・企業と同じ土俵で戦う

ゲーム業界の人と同じ土俵で戦うなんて……
それを無理だと言うなれば、もっと無理な現実があります。
それは、steamもApp Storeもたくさんの企業がゲームをリリースしているという現実……企業と比べられるということです。

App Storeでゲームをダウンロードしようとしているユーザーは、ただアプリのゲームを落としたいなと思っているだけで、そこに個人も企業も関係ありません。App Storeで出すなら常に、FGOと可処分時間を奪い合うのです。

面白そうなゲームを遊びたい。ただそれだけの純粋なユーザーに応える必要があります。
App Storeでゲームをリリースしたとき「このソシャゲ面白いよ」と友人に勧めてくれるユーザーの姿を見ました。
ソシャゲはソーシャルゲームのことで、わたしのゲームはソーシャル要素などない放置育成アプリゲームです。
つまり、アプリゲーム=ソシャゲと認識しているような超ライトユーザーなわけなんですね。フリゲでは絶対に届かない層であり、そういった人にまで届いた嬉しさが大きくありましたが、同時に、フリゲは個人でゲームを作っているということをわかっている温かなユーザーに囲まれて、守られていたんだな、ということも考えました。
企業と同じ市場に出すと言う事は、そういった庇護を失うと言うことでもあるのでした。


たくさん辛いこともあったけれど、誠実に努力を続け、克服すれば嬉しい事はそれ以上にありました!

・憧れのメディア掲載

初めてイベントに出展した時から、いろいろなWebメディアに掲載されました。

プロのライターによってじぶんのゲームが説明されるというのはとても刺激的な経験ですね。もちろん、たくさんのユーザーにゲームを知ってもらえるきっかけになって嬉しい事づくめです!


ゲームリリース後も様々な媒体でレビューを書いてもらえました。こんなにたくさんのメディアに取り扱ってもらえたのは初めてのことで、インディーを志ざしたからこそ得られた結果でした。


・たくさんのユーザーが遊ぶ姿

App Storeでリリースしたからこそ、多くのユーザーにゲームを届けることが出来、たくさんの人に遊んでもらうことが出来ました。
スクリーンショットなどを添えて感想を呟いてもらえるのは、インディー・フリゲ問わずとても嬉しいことですね……


・ゲーム開発者との交流

イベントにたくさん出展し、精力的に活動しているうちにたくさんのゲーム開発者と知り合いになれました。
この途方もないサバイバルを共に駆け抜けるライバルであり仲間との交流は、刺激と感動を得ることが出来ます。
ゲームを作って市場にリリースしようという同志だからこそ分かち合える苦労や喜びが確かにあるのですね。


・金

そしてもう飾り気もなく言うので有れば、収益、コレです。
上記の3つはフリゲでも得る事はできます……レビューやメディア掲載、プレイヤーやフリゲ作者との交流、遜色なく素敵なことです。
でも、収益はインディーならでは。自身が時間を払い努力をして作り上げたものが、経済の流転の中対価となった……圧倒的な承認がそこにはあります。お金が増えた〜嬉しいな〜、以上の、報われた……という手応えがあるのです。





隠れがちな泥臭い部分

辛いことや嬉しいこと、それらはきっと想像に難くないことばかりだったと思います。
けれど、収益を得る形でゲームを公開するということは、華やかな部分とは比べ物にならない量で、泥臭く地道で面倒なことがたーーーーっくさんあるのです。
これらを誠実に行なって、越えていけるかどうかが大きなカギとなるでしょう。


・イベント出展の準備がめんどい

何度もオススメしてるイベント出展ですが、いざ出ようと思ったら割と面倒なもの。
申し込み手続き、お金の支払い、ブースの形成と準備、当日の接客、展示計画……一個一個が面倒な上にキチンとやらねば無駄になってしまいます。
人目を引くポスターやPVを作成し、記憶に残るフライヤーを作って配り、もちろん展示用のビルドも間に合わせなければいけません。
ゲーム開発の合間を縫ってやらねばならないのです。最初こそ楽しいものですが、何度も出ると億劫になってきます。
でも、それでも色々なイベントに出て様々な客層にアピールし精力的な活動を見てもらうのは、個人ができる精一杯の広報活動なのです!


・血反吐を吐く広告実装

フリゲから移動するんなら、最初は同じく無料のアプリゲームで広告収益から始めればいいじゃ〜ん

割とよく聞く言葉で、わたし自身もそう選択をしました。けれど、広告実装はね……マジでめんどい

めんどいというレベルじゃない。難しい、苦痛、未だにビルドがコケる原因の殆どが広告SDK。

例えば、広告を出すのであればiOSではトラッキングの許可を得る必要があります。アプリにトラッキングの許可/否認の仕様が実装されてなければ、App Storeに公開する事はできません(リジェクト)

広告の表示も様々な広告サービスがあるので適したものを探して、自身で実装する必要があるのです。

実装し終わった後、実際に表示させるのは大変です。テストには細やかなルールがあり、下手をすれば広告会社に不正を疑われて垢BANです。

テストでうまく行ってもリリース後にうまく表示できるかはその時にならないとわかりません。
広告会社の指示に従ってストア情報を登録せねば広告は出ないのです。

苦労してやり遂げても、ユーザーが不快にならない形で出さねばアンインストールされて終わりです。
かといって控えめでは、LTVが上がらずダウンロード数がいくら増えても収益は0に近いということもあり得ます。
LTV??そう、広告業界の用語を勉強して広告収益の仕組みを知る必要もあります。知らねば収益の分析もできません。
ユーザーにゲームを楽しみながら広告もいっぱい見てもらう必要がある……遊びの中に広告を見ると言う行為を自然に織り込まねば収益が上がらないのである!!!

大変!!


めんどい!!!!!!!

わたしはゲームを作ってるのか??広告再生機を作っているのか??


そんな葛藤に終盤は悩まされることになります。シンプルにゲームに値段をつけて売った方が楽だと何度思ったことでしょう……
でも、価格をつけて売るのももちろん簡単なことではありません。大変なことは絶対にやっていけなければならないのですね。



・ど緊張するプレスリリース送信

プレスリリースとは、メディアに対して行うリリースなどの通知で、行えば記事として取り上げてくれる可能性が上がります。

けれど、もちろん絶対ではありませんしプレスリリース文を書くのは本当に骨が折れます。スクリーンショットやPVも用意しなくてはいけません。
苦労して出来上がった頃には、本当にこんなものを送っていいのか……迷惑じゃないのか……と脳内でぐるぐるです。
でも送らなければ始まりません。最悪掲載されないだけで、悪い事は何も起きないのです。
個人がとれる広報活動は少ないです。出来る事はなるべくやっていくしかありません、心が折れそうでも。


わたしのゲームも、電ファミニコゲーマーで取り上げられたことがきっかけで多くの人に知ってもらうことが出来ました。


・意味がわからないリリース作業

インディーはゲームを公開するのも一苦労です。
App Storeの場合、まずは英語でクリエイター登録をして年1万円の会費を払い、アプリの登録をします。この時点で頭が痛くなってきます。あと海外にお金の決済したせいかクレジットカードにセキュリティロックかかって大変でした。

アプリの登録にはルールがいっぱいあって、違反すれば審査に落ちてゲームは公開出来ません(リジェクト)

スクリーンショットの大きさや内容、アプリのクオリティ、説明文に違反する文言はないか、プライバシー保護の設定、プライバシーポリシー、決済情報、表現と対象年齢のバランス……

最近ふりーむ!の審査が厳しくなったとききますがApp Storeは比ではない厳しさです。
しかも、App Storeの場合MacOSで使えるXCodeという開発環境がなければ申請することすら出来ません。急に求められるMac。買ったわ。
unityでいっぱいいっぱいなのにXCodeについて覚える必要もある。

Googleプレイストアでも公開しましたが面倒さは同じぐらいですし、未経験ですがsteamもとっても面倒だと聞きます。
このように、泥臭くて面倒で地道なことをやっていかねば公開すら出来ないのです。


対して、同人市場やDLsiteはまだ公開へのハードルは低めなようなので、煩雑なことに耐えられない人はそこから始めるのも手かもしれません。



目的に合った公開方法を選ぼう


インディーに移行するとなったら、面倒なことも辛いこともたくさんやる必要があって……乗り越えたからと言って報われるとは限りません。
インディーに行った今だからこそ、フリーゲームも悪くなかったなぁと思い返しております。

フリーゲームの比較的容易なゲーム制作環境や簡単なゲーム公開、守られたゲーム評価の環境は安心できるものです。

インディーはサバンナにも例えられる、サバイバルの世界です。華やかな話もたくさん聞きますが、苦労してリリースしたのに収益は年500円だった、ということもたくさん聞きます。
けれど、やりがいのあるゲーム開発、企業と同じ市場にリリース出来ること、それにより多くのユーザーを得る可能性は大変魅力的です。

この広大な世界を旅するのにあたり、先人たちがたくさんの知恵を残してくれています。



インディーで飯を食うということについて具体的な計算と体験をともなった、Room6まさしさんの記事や……



「くまのレストラン」で有名な、元ツクラーであったDaigoさんの記事


個人開発で生き抜いてきた一條さんが書いた書籍もあります。steamのノウハウがたくさんあってとても参考になりますよ!


今はたくさんの知恵をみんな公開してくれているので、たくさん探して生かしていきましょう!


ぼんやりとだったインディーについて、多少でも具体的に感じられたでしょうか?
あなたに合った最高の公開環境に出会えますように!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?