自分を殺さずに生きる

まぁたいていの人間は何か食べないと生命を維持できないかと思うんですが、
日々、集中して食事をしている時間は1日の合計で15分くらい。
私にもみんなと同じ24時間が与えられているんですが、
なぜか10月に平日フルタイムの仕事を始めてから、配分がそんな風になってしまっています。
(でも考えたら、ワンオペで育児やってる人は集中して食事できる時間はゼロに近いよね)

そんなことを最初に書いたのは、そのくらい、やりたいことが何もできない状況だ、
ということをわかりやすく説明したかったから。

で、そんな日々を送っていると、
あと数時間で、人生が終わってしまうとしたら、
今これやっておかなかったらすごく悔やむよな、
と思うことを、ちゃんとやるようにするということを心がけています。

そんななか、ちょっとしたバイトをしたら2000円の図書カードが手に入り、
売り切れる前に買っておかないと一生悔やむわ!
と思ってた本を2日前にやっと買いました。
『脚本家 坂元裕二』

私は大人になってからは、本には線を引いたりするのを好まず、
自分のルールに則った色分けした透明ベースの付箋を貼りながら読んでいるのですが、
この本は付箋だらけになってしまって、
おそらく人生で初めて、もう一冊買っておきたいわ、と思いました。

2014年の秋、私には突然「秋元きつねロス」が襲ってきました。
結構孤独な日々のなかで、CG屋である秋元きつね氏が twitter とかで呟く短い言葉の中に
生きる指針みたいなものを受け取っていたんですが、氏が急病であっけなく他界。
大好きな人と、異性問題も諍いもないのに自分から提案してミーティングを重ねて協議離婚したときにも匹敵するくらいの喪失感に打ちのめされました。

坂元裕二が脚本を書いた『anone』というドラマの中のセリフに
「生きなくたっていいじゃない、暮らせば」
というのがあります。
ドラマの中の一節なので、まぁ、こうやって切り取ると、
流れの中で持っている意味とは切り離されてしまうんですが、
” 生きる " と言うと、そこに何か主体的な意味づけとかを求めがちになってしまって
時により難しくなってしまうんですが、
" 暮らす " というのが十分な営みなんだな、とも解釈できるフレーズです。

まぁ、" 暮らす " ということには、やっぱり何か食べることがほぼ必須になっていて、
食べるためには、現状の私はお金を稼ぐ必要がある環境にあり、
そのために仕事に行っています。

仕事で触れたキーワードで、内閣府が掲げている Society 5.0 という概念があるんですが、
もうこれこそ、Power Point で作成されたと思しき資料を見て愚の骨頂と深く落胆しました。
サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させた社会、とか言ってキラキラした空論を列挙。
これについては、機会あればまたの時に。
ちなみにこの提言によれば、ヒトの営みの社会の区分を
 Society 1.0 : 狩猟
 Society 2.0 : 農耕
 Society 3.0 : 工業
 Society 4.0 : 情報
としています。

まぁつまりこれに即して言えば今の私は、狩猟や農耕ができる環境にないんで、
オフィスで働くことで、
食べたり、銭湯に行ったり、スタジオでピアノ弾いて歌ったりする資金を調達するという日々。
今の仕事は、これまで経験した三十余の仕事の中でも群を抜くストレスの少なさで、
ホント感謝しかないんですが、田舎に住んでいるせいで通勤等を含めると拘束時間が長いということが難点。
しかし今日も、時給のオフィスワークって、狩猟や農耕みたいに天候や自然環境に左右されないから
ホントに第一次産業の人から見たら楽だなぁ、と思うことしきり。

特段の表現活動をやっていない時はまさに " 暮らしている " 感覚なんですが、
安心してリラックスして雑談できる時空を持っていないと、
精神的に崩壊の危機を感じます。

思うところあって、著作権の勉強会なるものにも出向いているんですが、
当たり前といえば当たり前なんですが、
音楽をマネタイズする、というところが基点となっているんですよね。
あ〜 私に決定的に欠落している発想だな、と。
好きなことは仕事にするべきか、仕事にしない方が幸せか?
みたいなテーマは永遠のテーマみたいにしてしばしばいろんなところで語られていますが、
もう30年位前には考えたかもしれないけど、放っぽり出してしまってるな〜と。
もうそれより、生きている間に、どれだけの時間を好きなことをする時間としてアサインできるか?
という視点にとっくにスイッチしてしまっているんですよね。

ま、めちゃくちゃレベルの高い音楽を発信できていたなら、
本人が考える間もなく、マネタイズする方向に行っていたんだとは思いますけどネ。

で、本を買ったところにやっと話が戻るんですが、
本はあと少しで読み終えるんですが、ここまで読んで強く思ったことは

自分を殺さずに生きなくちゃダメだな、ということ。

オフィスで仕事する時の私の いの一番 の課題は
いかに自分を出さずにやるか。
そうしないと円滑に歯車のひとつとしてやっていけないような世界だ
と私が解釈しているからなのですが。

私は35年位前の振り出しに戻った気がしています。
表現しないと壊れるから、出す。
話ができる人(理解しあえる人というのと同意ではないです)
に見つけてもらうために表現する。

   *   *   *

と、ここまで書いて中断して、3日位経過して
日々周辺の状況も刻々と変わっているけど、
どうあれ、ひたすら自分を殺すことから自分を解放して
眉間のシワが一層深くならないような心持ちで
残りの時間を刻みたいな、と。

ピアノ弾いて 歌いたいな〜 ♪

ではみなさま、今日もつつながい一日を。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?