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一旦置いておく

昼食を食べてひと息ついていたら、年金の収納業務委託会社からガチャ切りがあった。知らない番号から電話がかかってきたので出てみたら、その瞬間に切られたのだ。まったく失礼だなと思って電話番号を検索してみると、年金の収納業務委託会社だった。

会社員からフリーランスに戻って数カ月、退職とほぼ同時に役所へ行き、健康保険や年金の切り替え手続きを済ませていた。その時点であまりにも達成感があった。事務手続きが本当に苦手な私にとっては快挙であり、それで満足していたのかもしれない。

先日、書類の山から国民健康保険料の納付書を見つけて、慌てて支払った。その月以降の支払いは口座振替に切り替えていた形跡を見つけたので、年金に関しても口座振替にしたのだろうと思っていた。

ここ一年ほど、忙しさにかまけて、部屋の掃除や片付けをあまりしていなかった。デスクに設置したワイドモニターが一部見えなくなるほど書類が積み上がっている。これはいけないと思って片付けたところ、書類の山から年金の納付書の封筒を見つけた。そのときに確信した。年金、たぶんちょっと納付できていない。

納付書の期限は切れていなかったので、慌ててそちらも支払う。次の納付書が来たら、ちゃんと口座振替にしなくてはいけない。しかしながら、どこかで聞いたような「想像を絶するルーズさ」である。言い訳のしようもない。ちなみに確定申告に関してはずっと税理士の方にお願いしているので、申告漏れなどはまったくない。国保や年金の納付履歴を見ても該当期間はすべて支払い済みになっているし、何かの督促状が送られてきたこともない。

とはいえ、そういったことが起こる部屋の散らかり方には問題がある。本棚に収まり切らない本がいくつかの紙袋に詰めて置きっぱなしになっているし、なんだかよくわからない整理されていない書類も紙袋に詰めて置いてある。それらの中身を細かく確認して、要るもの、要らないものを仕分けないと、付け焼き刃的な片付けではまた同じことを繰り返すだろうと思った。

まずは、本棚の前に置かれた袋を開けてみる。どうやらすべて、2023年に二度開催された「文学フリマ東京」で購入した本だった。読んだものも含まれていたので、過去の私は「どうせひとまとめになっているから」と袋に戻したのだろう。ひとつ袋を開けて確認し、もうひとつの袋も開けて確認した。すると、同じ本が二冊入っていた。どうやら5月と11月に、買ったことを忘れて同じ本を買っていたようだ。これも「想像を絶するルーズさ」によって起きた問題。悲しい。面白い本だし、誰かにあげようかな。

そもそも本来、掃除や片付けは苦手なほうではないし、昔の勤め先のデスクは常に片付いていたし、会社員をしているときに「事務手続きなどが苦手で」と話したら先輩から「見ている限りそんなことはないですよ」と言われたし、実際のところそこまでまずい状態ではないのかもしれない。ただ、現状の部屋の整理や手続き周りの状況が杜撰なのは否めない。

「一旦置いておく」をしすぎたなと思う。何かを買ってきたとき、書類が増えたとき、忙しさにかまけて、つい空いているスペースに「一旦置いておく」ことをしてしまうことが多かった。そして置いておいたこと自体を忘れ、散らかってしまう。もしかすると、考えるべきいろんなことも「一旦置いておく」をしてしまっているかもな。今年はもう2カ月過ぎ去ってしまったけど、「一旦置いておく」をやめたいなと思う。

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