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助産師経験談 vol.12

今日は一つは
ものすごいリスキーだった
そんなお話。

緊急に帝王切開となる場合は
促進剤を使っていると
予断を許さない事も
回避できない事が多々ありました。

夜中でも促進剤の余韻で
陣痛が過度に生じたり

やはりお薬なので
どう効いて
どう反応するかは
本当に個人差がありました。

ある日勤、微量だったにもかかわらず
陣痛が過度に生じ

過強といい
最悪は子宮破裂です。

赤ちゃんが急にしんどくなって
慌てまくっての帝王切開。

赤ちゃんはしんどいだけではなく
お母さんももちろん気が狂うほどだし
もう気が狂うを通り越し
気絶混じりなこともありました。

赤ちゃんは無事に産まれた後
お母さんの子宮からの出血がなかなか
止まりません。
陣痛が過度に生じると子宮筋も
疲弊します。
自然に戻るはずがなかなか戻れません。

子宮復古と言いますが
正常に子宮復古していかない。

ようやく減ってきて
病室に戻った後、しばらくして
また出血し始めて

輸血しないと危ないほどまでの
出血になり、点滴の針のあたりが
もう内出血気味...
この状態は
出血性ショックを起こしかねないので
またすぐオペ室管理にし
血管確保をどこからでもいから
しなければなりませんでした。

そんな状態なのに
ドクター達は搬送先ではなく
輸血だけを手配し
一応搬送もあるかという
のんびりしてた、

裏話というか...

こんな状態にしてから
搬送するのも恥っちゃ恥ですし
このままここで医療を続け
利益になるなら
という思惑もあった(怒)

私たちは血管確保
酸素吸入
書類作成

わたしは血管確保が比較的
上手い方だったので、
探してましたが
新米ドクターが下手なのに
そんなリスキーな患者さんの
血管を潰しまくってる、

邪魔!なレベルよ〜

で、腕を探してたドクターを尻目に
わたしは足背から血管確保し
もう1本は上腕から。
そしてその上腕の血管を
輸血用にし
ドクターからの指示で
ポンピングしろ!!!
と言われて
輸血をポタポタ点滴している場合では
なかったという事態。

患者さんは意識はありました。

ので、もう叫びました。

つべこべ言うな
モタモタすんな
今送らないと
お母さんになれない!!!

そして
主治医がわたしに
偉そうなことを言うなと
怒りましたが
院長が、そうですね
送りましょう、
命をすくいましょう

当たり前すぎて
顎外れるわっ

とサクサクと搬送になりまして
搬送先でより高度な医療を受け
無事だった、

という事もありました。

お産は究極の外科と言われたりもするぅ(冷汗)

新人の頃最後の砦だった大学病院で
瀕死のお母さんを受けて来たので

その時のことも踏まえ
この状況でモタモタっぷりに

人の命を
なんだと思っとんじゃボケー(激怒)

が爆発しました。
髪の毛逆立ってたろうなぁ(苦笑)

また別の話。

ある夜勤中
日勤で促進が有効ではなかったけど
余韻が残っていて、ずっと痛がって
でも黙って寡黙に耐えてたお母さんの
痛がり方が
なんとなーく気になって
様子を見守りつつも
なーんか気になって。
進んでなさそうだけど
一度診せてもらうねって
指1本の内診をしました。

3cm弱(指2本分開いてないくらい)
なんだけど、あれれ?
これ、頭じゃない!?
ボコボコしてる...指一本だから
自信ないけどでも
頭じゃぁぁぁぁぁ
なーーーーい!!!(心の中大慌て)

赤ちゃんの指。
頭の上に置いちゃった??
頭掻いてた??

破水してないから
進んできたら戻してくれるかもしれない、
けど、そのまま破水したら
もう手からは出てこられないから

...おぅ...(冷汗)

当直医に報告するのも
3cmだしまだ加速してはないし
陣痛治るかもしれないし...

そもそももう今戻ってるかもしれないし...

でも報告はしないといけない事態。
当直医もそんな経験僕はないし
そうはなかなかないから
あり得ないと思うけど
お前が言うんだから
超音波診てみるかって
診てくれて


はい、
左手頭に乗っけてて
しかも赤ちゃんの向きが逆向いて
さらにはどうやら臍の緒も
首に巻いてるし
手が戻る事の方が厳しいだろう

って事で
夜中に帝王切開となりました。
無事だったので何より。

翌日別のドクターに
器械でちょっと刺激してあげたら
びっくりして戻ったんじゃないの?
って嫌味も言われたんですが

いや、それ引っ込めないで
逆に出てきちゃったら
それこそ赤ちゃんにリスクですよ!!
って言い返したの、引かないわたし(苦笑)

その後日その嫌味を言ったドクターが
わたしのお休みの日
お産の診察で似たような
シチュエーションになって
わたしに言ったように
刺激したら
「出てきちゃった、もう慌てたよ」
すぐカイザー(帝王切開)したよ、
あはははは

と、苦笑いしながら
話してくれました。

あはははは、じゃねーぞ(怒)
オイオイ...でしょ。

今日はこの辺で。

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