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どこまで当事者意識を持てるか

 あなたは家事の中で何が好きで、何が嫌いですか? あるいは何が得意で何が苦手ですか? もしかすると、この好き嫌い、得意不得意が、家事をやるやらない、あるいはやった家事のレベルに影響しているかもしれません。そこで今回は、この問題を考えてみたいと思います。

料理は好きだが掃除は嫌い。

 苦痛な時期もありましたが、私はもともと料理が好きです。手を動かして何かをつくることが好きで、食べることが好きなので、料理が好きになるのは当然だったと言えます。

 だけど、掃除は嫌いです。嫌い、とまで言うと言葉が強すぎるかもしれません。めんどくさいのです。だから、料理はするくせに、シンクをあまりきれいにしなくても平気だったりします。アトピーがあって手荒れしやすいので、と言いつつ、洗い物をサボりたくなるときもあります。でも、それは洗い物をしたくないからなんです、本当は。なぜなら、野菜などの食材を洗う手間がかかる場合も、食べたいものはつくっていたのですから。

 そのめんどくさいからやりたくない、掃除について考えてみます。掃除機をかけることは、今はそれほど面倒ではありません。本がふえすぎて広いところに引っ越さざるを得なくなり、今は空間が広くなった分だけ、床に積み上げてあるものが少なく、掃除機をかけやすいからです。

 また、会社勤めをしていたときに、掃除機の販促ツールでお掃除ハンドブックをつくったときに、ふきんなどをあちこちに置いておいて、気が付いたときにさっと拭けば、まとめて掃除する手間が省けることは知っていました。だから、スポンジやぞうきんをあちこちに置いてはいるんです。でも、そういえば、水回りをスポンジでマメに拭いたりしていませんでした。

洗濯も下手かもしれない。

 洗濯も、シャツの襟にせっけんをつけておく、ぐらいのことはしますが、それ以外の下洗いはしません。そういうずぼらさと知識のなさがたたって、夫の外出着のフリースを、ホコリでいっぱいにしてしまいました。裏返して洗わないといけなかったのに、うっかり忘れていたのです。

 こういった、手抜きというか、私が掃除・洗濯を苦手としているのは、もしかすると当事者意識が薄いことに原因があるかもしれません。

 料理は食材を買ってきてつくっているので、自分の仕事だという意識があるのでしょう。ひと手間はかけない場合もありますが、食材を洗って切らなければ、炒めるとか煮るという作業に入れません。

 一方、掃除や洗濯は家電が主な作業をやってくれます。私が抜けている作業というのは、家電がやってくれない部分です。それから、掃除に関しては、台所・浴室・トイレの掃除機掛けが夫の担当なので、その場所自体に対する責任感が私に欠如しているかもしれません。やりたくない気持ちを持ちつつ、「やってくれるもの」と思っているので、やる気がないのです。

当事者意識がないとやらない。

 世の中で、家族の家事に不満を持つ主婦(主夫)はたくさんいます。その人たちはきっと、「何できちんと最後までやり遂げてくれないのか」「なぜそこに気がついてくれないのか」と思っているでしょう。その不満をなくすには、家族に当事者意識を持ってもらう必要があります。

 「気がついてくれない」は解消するのが難しいかもしれません。家事は誰かが責任を持っていたら、ほかの人はお手伝い気分になりやすいからです。最後までやり遂げることに関しては、何が必要でどこまでやるべきなのか、わかってもらう必要があります。

 私は、水回りの大切さをいまいちわかっていませんでした。シンクも、後から使う人が汚れていると気分が悪いことまで、思いが至っていませんでした。早くその場を離れたい、あるいは、手を洗う、顔を洗うなどの作業で手いっぱいで、その空間のことまで考えていなかったかもしれません。

 日々が忙しいので、「そんなことにまで構ってられないよ」と思っていたかもしれません。実は「家事より大切なことがある」という気持ちも、家事のレベルを下げる大きな要因だと思います。

 そう考えてみると、共働きの人より、主婦(主夫)のほうが、家族に家事をしてもらうことが難しいのがわかります。家事は主婦の仕事、と家族は思っているかもしれないからです。

 作業が必要なところ全部に対して全員が責任を持つ、というのは理想ですがあまり現実的ではありません。やっぱり、得意な人が苦手な人に伝わるように説明し、かつ苦手な人は苦手だと自覚したうえで、やるべき作業をやっていくしかないのでしょう。

 私は、台所の水回りに気を使い始めて、ちょっときれいになってきたので、全体を拭くのが楽しくなってきました。わずかですが進歩しました。成果が見えることが、もしかすると大事なのかもしれません。その気にならない家族は、少しでもできたら、そのときほめてあげるのがいいのかもしれないと思います。

 

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