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理想のキッチン探し58豪徳寺

 昨日はめちゃくちゃ濃い日でした。まず、以前タッチの差で持っていかれた喜多見の使える間取りのマンションが、まだ居住中だけど申し込みができます、と金曜日に不動産屋から夫へ電話があった。情報公開前で、今なら取れる。でも、先行契約をすすめられた。ちょっとそのやり取りを聞いていてイヤな不動産屋だなあとは思ったけど、どうもその部屋は線路に近いらしい。そこでまず、土曜日に内見予定の部屋が豪徳寺なので、同じ小田急沿線なので周辺だけ確認に行こう、と朝一で喜多見へ。
 空く予定の部屋は、なんと線路のすぐ横の3階の部屋。小田急線は中央線ほどうるさくないけど、これはダメです。断念しました。

 それから豪徳寺へ。各停しか使えないので結構ギリギリ。何とマンションは、割合線路に近いものの、手前には別のマンションがあるし、並木に囲まれためちゃ美しい空間なんです。しかも、2階のその部屋は、リノベ済で各部屋から木立が見える。隣のマンションも割と近いけど、間に木があるおかげか、建物が見えているのすらいい感じ。隣の家がおしゃれだからかもしれません。

 間取りは3LDKで80平方メートル、築年月は1986年と古めだけど、新耐震基準はクリアしています。鉄骨なので鉄筋コンクリートよりは弱いけど。エントランスのみ廊下で、LDKが中心で他の部屋につながる私の好きなタイプ。角部屋なので、ベランダは回り込む形で奥の2部屋から入れます。奥行きは浅いけどけっこう広いベランダです。収納はリノベで部屋についたのは全部クローゼット用のパイプが渡っているので、収納力もばっちり。
 ただ、実はこの物件、キッチンが相当狭いのです。幅は2100ミリで、私が雪谷以前に使ってきた1800ミリよりは広く調理台は755ミリもあるけど、シンクがひどく小さい。幅525ミリで深さが150ミリしかない。今のシンクは幅700で深さが170ミリです。野菜を洗うと相当水撥ねすると思います。そしてシンクの右側はほぼスペースがないので、水切りかごは調理台に置くしかありません。今より調理台は少し広いけど、実際には半減する。とはいえ、まな板1枚プラスちょっとした野菜置き場、ボウル置場ぐらいはできる。
 後ろは奥行きが1210ミリしかない。うちの冷蔵庫の奥行きが660ミリなので、冷蔵庫を置いたら調理台まで600ミリほどしかない。特にコンロ前にそれだけしか奥行きがないのはダメです。確か業界でもそんなに狭いのはダメとしていたはず。コンセントは壁にあるので、ここに冷蔵庫を置かせるつもりかもしれませんが、火傷する恐れがとても大きいです。
 ここに置けるのは、ルミナスで作った鍋御器用の棚ぐらい。790ミリなので納まって、横にゴミ箱の一つぐらいは置ける。その棚は炊飯器を上に置いてあとは一時置き場にしているので、ここをフル活用すれば前と後ろで作業はできるかもしれません。


 ダイニング側に滲出させるしかありませんが、出窓までの壁を使えば、冷蔵庫、電子レンジ置台やゴミ箱置き場が入った棚はおけます。一つだけ今使っている棚を入れられなくなります。サイドボードは窓の下へ。パントリーに入れているものが入りきらないので、別の収納を使うとか考えないといけません。LDとしているけど、実はダイニングサイズしかないので、ここにテーブルを置いたら、テーブルも作業台として使えます。
 お客さんが来たときに、ゴミ箱をはじめ生活感が丸出しになってしまうのですが、唯一キッチンに通じない6畳の部屋に、ソファを置くなどすれば応接室に使えるかもしれません。
 いろいろ問題はあるけれど、環境はいいしステキな部屋で大いに迷います。理想のキッチンというには、シンクが小さすぎるけど、工夫したくなる部屋です。隣のマンションの奥に小田急線の高架は見えますが、音は窓を閉めたらそれほど気になりません。鳥たちが鳴きかわしていてにぎやかだからでしょうか。部屋がステキでそれに惑わされているのでしょうか。でも、少なくとも中央線より静かなことは確かです。
 この部屋の場合、せっかく一番手だったのに、いくつか申し込みを受け付けて競合させるようなんですね。こんな魅力的な立地の部屋、おそらくたくさんの申し込みがあるでしょう。そして私たちは会社員でなく不利なのです。一応申し込みました。
 部屋を出て、豪徳寺を歩きます。豪徳寺と言えば、写真家の島尾伸三・潮田登久子さんご夫妻が住んで『まほちゃん』を撮った「水色の家」がある町です。その家を、漫画家の山下和美さんが保存しようと運動した由緒ある古い洋館です。その後に別のへやを見に行く予定があるので、水色の家探しは断念しましたが、商店街をチェック。一番使えそうなスーパーは、安さ推しのようでリーズナブルではありますが、品物はそれほどでもなさそうです。ただ自転車で松原まで行けば、オオゼキがあります。ソーセージ屋さんがあって、飲食店はちょこちょこあります。やちむんなどの食器を扱った店の前で、ネット古書店の人が出店していました。食エッセイが並んでいたので、数日後に新刊が出ることを伝えて営業していたら「作家さんですかーすごいなあ。僕はふだんライターをやっていて、本当はリアル書店を開きたいんですが、なかなか」と言いながら楽しくしゃべりました。
 お昼はその店の人が紹介してくれた、パスタの店で食べました。古民家を改造したっぽい店で、おいしかったです。

 古書店もいくつかあるようです。二カ所入ってみましたが、どちらもいいセレクトです。ただ、私の欲しいジャンルはない。路線が違う。豪徳寺は私みたいなのはあんまり好んでくれない町でしょうか?
 パン屋をチェックし損ねましたが、豪徳寺は世田谷線の山下駅もすぐそばにあって、世田谷線沿線でもあります。世田谷線沿線と言えば、おいしいパン屋の宝庫。検索すると得点が高い店がたくさん出てきたので、今回は行かなくても大丈夫でしょう。周りは世田谷区特有のうねうねした小道と、庭のある一戸建てがたくさん。豪徳寺は私を好まないかもしれないけど、私は豪徳寺、好きです。
 素敵な町で、素敵な部屋ですが、果たして……。

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