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理想のキッチン探し63学芸大学

 東急東横線の学芸大学駅から徒歩12分、目黒線の武蔵小山駅から10分、83㎡で3LDK、築34年のマンション1階の部屋が出ていました。リビングの隣がサンルーム的なブロック窓の部屋で、その前にあるベランダがかなり狭そうなのが気にはなったのですが、この地域は昔、自転車でさんざん通ったのでよく知っています。学芸大エリアもㇺサコエリアもよくよく知っている。東急沿線はもういいや、おしゃれな街も多いしトレンドは発見しやすいけど、生活は意外と不便なので、と思っていたのですが、あまりにいい部屋が見つからなさすぎるので、飽きたとか言っている場合じゃない、この利便性なら、人を呼んで家でパーティしたりイベントしたりすることもできます。親しい人はともかく、イベントをやるとなったら、その場所の利便性とブランド力は大事です。幸い、学芸大学はかなりブランド力が高い。そう、私たちはもともと、次の引っ越しは、家を拠点に何か発信できるようにしたい、という野望がありました。
 で、昨日行ったのですが。まず、武蔵小山駅に着いてグーグルマップで行き方を検索したら、徒歩16分、と出るではないですか! 最近は不動産屋が発信する徒歩〇分がかなり正確になっていたので、びっくりしました。仕方ないのでタクシーで行きつつ、念のために学芸大学からも検索してみたところ、やはり16分。全然違う。これって住むには微妙に駅から遠い……。一応目黒からバスは出ていて、バス停からは1,2分のようです。それから、他の街はともかくこの目黒本町あたりは、スーパーのダイエー、オオゼキが近い。そしてタクシーで現地に着くと、近所にカフェその他ちょこちょこ店はあった。そして清水池公園がすぐそば。ここで徒歩16分は許容はできます。土地勘があるってやっぱり大きい。
 目の前は学校で、道路は内見中もちょこちょこ車が通る、タクシーの運転手さんは「静かですよ」と言っていたけど、私的にはちょっと難しい。今回は、なぜか不動産屋が土日祝日が休みとのことで、鍵を開けてもらっておいてこちらで勝手に内見する形です。
 写真でも気になっていましたが、居室がカーペットです。ホコリが溜まりそうなのと夏がうっとおしいかも。LDKと他の場所に段差があり、うっかりこけそうになりました。キッチンは広いです。

 そして玄関から入ってすぐのドア(写真左手)とLDへの開口部とで2ウェイ動線です。やはり80年代の物件は生活感を大事にしているなと思いました。図面としてはこんな感じ。

 コンロとシンクの間はちょっと狭めの540ミリだけど、コンロの左側が300ミリで鍋が置ける。シンクの右側は235ミリで水切りかごを置ける。そして高さは珍しい870ミリで私の身長にぴったり。コンロはごとくで鍋をスライドできるタイプ。ただし、コンロ下もシンク下も配管がドーンと入っていて収納が置きづらいです。吊戸棚は若干高めで換気扇横は使いづらそうですが、シンク上は一応手が届く。シンク横の冷蔵庫置き場はわが家の3ドアタイプはピッタリ。ファミリー用の大きいのは置けないけど。背面にも棚が置けるので、だいたいのモノは納まります。
 しかし、懸念していた物干し問題は予想以上に悪かったです。生活を考えているという意見はここで撤回。なぜなら、ちょっとしかないベランダは、ど真ん中に室外機が置いてあって、まったくモノを干せる環境ではありません。室外機の前後に洗濯物なんて干せませんよー。汚れる―。そして、窓からもしかして布団を出して干せるのでは、という淡い期待も消えました。サンルーム的な部屋の窓はモノを出せる環境じゃないですし、その隣の10畳の洋室の窓も、真ん中部分がはめ殺しで、しかもそれらの窓は先ほどの交通量がそこそこある道路にモロに面している。そして、中庭的になっている部屋に面した6・2畳の個室の窓は柵があってモノを出せない。何しろ1階ですからね。セキュリティが優先されます。
 となると、ここは洗濯乾燥機と布団乾燥機を買わざるを得ない。サンルームに干す前提かもしれませんが、以前買った部屋干し洗剤、使っても部屋に干したらやっぱり洗濯物は臭います。
 しかも、この部屋、どのエアコンも古い。リビングは下置きのエアコン。もしかすると、建てられた当初から交換していないかもしれません。となると、電気代が高騰している今、下手をすると電気代が倍増する危険があります。家賃が割安なので見に行ったのですが、その割安感がなくなりそうです。それだったら、1万、2万余計に出して、もう少し住みやすい部屋を選んだ方がよいのでは?
 もう一つ気になったのは、居室の収納が押入れサイズで、上の棚にポールを渡してクローゼットにできるようになっていますが、真ん中に段があるので、ワンピースやコートを干せません。もちろん2つ折りにすれば干せますが、跡がついてしまいます。ただ、ここは廊下にある可動棚の収納の棚を取っ払って、ポールを買えばそこに丈が高い洋服を収納できるので、解決は可能です。
 やはり一番大きな問題は洗濯に困ること。見渡せば、この部屋以外は何とか干せる場所があるようで、だから安かったんだなーとわかりました。なしです、ここは。
 その後、すぐそばのベーカリーカフェでランチをし、グーグルマップに頼ることなく学芸大学駅前の商店街へ。2年ほどご無沙汰でしたが、以前より洋服屋、雑貨屋が増えています。ドーナツ、あんみつ、エッグタルトその他、確かにトレンドはむちゃわかる。そういえばカヌレやおしゃれおはぎの店もあったはず。トレンドむき出し。自由が丘化しつつあったけど、小さな商店が多く生活回りの八百屋その他もあります。おしゃれな洋食の惣菜店もある。いちいちおしゃれ。長年やっている古本屋のラインナップの好み。夫も昔から使ってきてここはいい、と言っています。2人本を買いました。

 その後自由が丘へ。ここもむちゃ久しぶり。すでに駅前再開発は始まっていました。この日はマルシェであちこちに屋台がありにぎわっています。街の雰囲気は変わらず、長年通って商店街の人たちと仕事までした町のたたずまいは懐かしさもありました。自由が丘はむしろインバウンド需要が増え始めた頃とあんまり変わらないなー、という印象です。それで紅茶のおいしい店で今度はケーキを食べてみました。最近はやりのピーカンナッツを使ったのがあったので。スイーツ食べ過ぎ。学芸大学では、何度か実は記事で書いたけど行っていなかったヒグマドーナツでドーナツも勝っていました。一度食べておかないと。


 新しいネタは拾えなかったけど、最近書いたジャンルのもの、気になっているジャンルのものがたくさんあります。韓国食材店、東南アジアの料理、イタリアン、和食、何でもあります。いちいちおいしそう。私が池上線や大井町線沿線に住んで、「東急線はなんもない」と言うと、学芸大あたりの友人たちに「そんなことない!」と反論されるのですが、ほんと、この町に住んでいて「なんもない」という人はいないと思います。
 でもね、2か所でスイーツを食べて思い出したんです。1店目のあんみつは白玉団子がめちゃ大きいのにスプーンしかない。スプーンで切りながら食べるのは難しく、かといって一口で食べきれる大きさでもない。ここはフォークか箸が欲しかった。でなければ1口サイズにして欲しかった。
 紅茶はポットサービスでしたが、最後の少しだけ残った紅茶が、葉が詰まっているのでどうしても入れきることができなかった。もう少し使いやすいポットがいくらでも売っているのに。
 東急線沿線ではこの手の出来事遭遇率がとても高い。私が最後のほうに住みづらさをとても感じたのは、荒物屋(東京では金物屋という)とスーパーの生活用品売り場がなくなってきて、台所など水回りで使うモノを買うのがとても不便になったこと。都内の田園都市線、東横線はそれでもおしゃれだから許せる人もいそうですが、それ以外の線はおしゃれさもあんまりない。つまり、非日常としてはいいんですが、日常とか暮らしとか庶民性みたいなところが、どうも抜ける。ファッション性がとても高いのは素敵なことだけど、なんかなー、使いにくいよなー、というストレスが、ひときわ高いエリアなんです。もちろんそれは、21世紀になってからどんどん映えな生活空間になっている傾向が日本全体であるように感じているので、その先端を東急沿線が体現している、というだけだと思いますけど。その意味ですら、東急沿線はトレンドが見えやすい。
 どうなのでしょうか? でも、だからといって学芸大学、自由が丘の店すべてが使い勝手が悪いわけでは当然ないし、いろいろなモノが揃っているのも確か。品質が高いものも多いでしょう。もし、もう少し使いやすくて手が届く家賃の物件がこのエリアに出てきたら、私は借りると思います。何といってもこのエリア、友人知人が多いのです。小田急線と同じぐらい。物件は残念でしたが、いいところと悪いところを分かったうえで、東急沿線を再発見する体験でした。



 

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