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理想のキッチン探し70 3度目の祖師ヶ谷大蔵

あきらめた千歳烏山


 先日行った千歳烏山のUR賃貸住宅は、家に帰ってレイアウトを組んでみたら、個室が狭過ぎるために、家じゅうがくつろげない空間になってしまう危険が高いことが判明しました。一応、家具はほとんど納まるのですが、二つだけ迷子になる家具がある。それより困るのは、私が16年間、家の中が「
仕事」空間になり過ぎてくつろげずにいた、ダイニングから仕事場が見える問題が再び浮上することでした。4畳の個室は本棚置き場にする他ないし、5・1畳の部屋は1人分しか仕事用にできない。私がリビングを仕事場にできますが、ダイニングからパソコン机が見える。寝室にする和室とも続いているので、気を使い合う。お客さんが来ても、何となく落ち着かないかもしれない。友人ならともかく仕事の人は呼べない……。
 近辺に街灯が少ないことや、そばの高校の生徒たちがやんちゃらしいこと、駅から遠いことなどもあり、結局止めました。もしかすると、ギリギリまで何とか住もうとがんばり過ぎてしまった豪徳寺の後悔が、私たちを慎重にさせていたかもしれません。
 その後、夏に入って物件の動きがほとんどなくなり、あえて観に行きたい物件がない時期が続きました。その間、私たちは何度も話し合い、家賃水準が上がっていることもあって、年収の3分の1という一般基準に届くギリギリの範囲まで払う、つまり今までより1人あたり2,3万円よぶんに払う覚悟をするべきではないか、という話になりました。その町のその部屋に住むことで毎日が楽しくなり、仕事がしやすく家事がしやすく、友達や仕事の人をお呼びしやすくなる、ユーチューブの発信などもしやすくなる。住まい兼職場兼アトリエとしての機能を持たせられるなら、事務所費用でもあるのだから、割高家賃を許容し、仕事を頑張って収入を増やす努力にまい進する。オーバーする予算分のお金を取り置いておく。

祖師ヶ谷大蔵で広い部屋を発見

 すると、まさに予算マックスの物件が、祖師ヶ谷大蔵に登場しました。祖師ヶ谷大蔵は以前、ほとんど行くつもりだったのに競合に敗れた部屋を見つけた町です。個人商店が多い商店街があり、駅の両側にオオゼキがあり、今愛好している地産マルシェもある。カフェもあり、小さいけれど個性的な個人書店もある。友人宅にも自転車で行け、近辺に住んでいる友人・知人が多い小田急沿線にある。夫も気に入っていました。だから気合が入ります。
 その部屋は、1996年に建った二世帯住宅の1階で以前は大家さんのご両親が住んでいたそうです。大家さんの情報はありませんでしたが、2階に住んでいるそうです。いわゆるオーナー物件ですが、この部屋の持ち主はあまり癖が強くなさそうで、あらかじめついているカーテンや照明もシックです。収納は多く中に棚がついていたりしますが、邪魔になるほどではない。昭和っぽいセンスではありますが、私の好みとかけ離れてはいない。
 部屋は2LDKで87平方メートル。一つ一つの部屋が大きい。すべての部屋が面した窓は掃き出し窓で広いウッドデッキに出られます。軒が深く洗濯物が雨に濡れる心配はまずありません。来客があれば、ウッドデッキから直接部屋にも入れるし、そこでパーティでもできそうです。デッキの先には趣味のいい木々が植えられ、その管理は大家さんがするそうです。塀の向こうはしかし住宅が建っているし、あまり大騒ぎはしないほうがよさそうですが。
 旗竿地の住宅なので、再建築が不可で木造ですがおそらく頑丈に作っていると思われます。屋根つきの自転車置き場もあります。そこに2台置けるかどうかは確認してもらわないとわかりませんが。
 キッチンは2600ミリ幅で、今より若干広い。シンクがやけに大きくて950ミリもありますが、水切りかごを置けば済むし、まな板を渡しても大丈夫です。コンロはごとくが渡ったタイプの三口で、木製の扉はおしゃれですが、残念ながらコンロの両脇は引き出しにはなっていませんでした。後ろは食器棚で900ミリの家電置き場があります。電子レンジだけとかトースターとミキサーぐらいは置けます。炊飯器は上に棚があるのでNG.その意味で上に蒸気が噴き出す炊飯器置き場は悩ましいところです。図面はこんな感じ。


写真はこんな感じです。

 食洗機が使いづらい45センチ幅のモノが入っていますが、奥の食器棚にもモノが入るので、何とかなるかも。キッチンの背面は一番広くて104センチなので、シンク横の冷蔵庫置き場の向かいに、鍋置き場のルミナス棚を置くぐらいかな。それが置ければ炊飯器は一応置けます。
 勝手口の外は通路なので、生ごみ置き場をここにしてもいいかも。そこから室外機の林を抜ければ玄関の横にも出ます。多分、出かけるときは玄関を使うと思うけど。一応ツーウェイ動線。
 家に帰って家具の配置を考えました。今回もまた、一部測り漏れがあったので正確とは言えませんが、リビングの周りに本棚を置き、ソファなども置けます。隣が引き戸でつながる洋室ですが、引き戸の一部を殺せば納まる。8・5畳あるので、2人で仕事部屋にしても使えるが、その部屋に本棚はほとんど置けません。廊下が広いので、廊下に3本置けることが判明しました。ここ、トイレも広いし手すりも多いので、おそらくご両親のどちらかが車いすなど歩くのが大変だったと推察します。
 隣の洋室8畳は寝室にできます。幅は100ミリ程度でギリギリ布団が入るサイズですが、季節布団を収納してベッドを入れることも可能。布団を敷く生活もありです。一応入るし、そこまで趣味が合わないわけじゃないし、キッチンはそこそこ使いやすそうです。
 ただ、ひさしが長いのと、少し離れているとはいえ南側に家があるので、南向きだけど日当たりはいまいちです。真夏の14時台でそこそこ暗いので、前の雪谷の部屋ほどではないですが、暗めではある。リビングは西側に窓があるのである程度光は入りますが、仕事部屋はリビングに通じるドアを半分でも開けておかないとけっこう暗いかも。日当たりが悪い部屋で不眠症が治らなかった私には、ちょっと厳しいのかもしれません。日当たりが悪いと、何かをちょこっと撮影するときも不便です。雪谷のときに明るい場所がないから、とベランダにテーブルかけを持ち出して床に広げ、書籍に使うために食パンを置いて撮ったことを思い出します……。今度はデッキの先のほうに置けば使えるかも……。
 あと、天井の高さがギリギリ2400ミリで、本棚の上置きを置けるか置けないかが微妙な点が気になります。組んでみたレイアウトは、上置きは本棚の上にある前提です。置けないとなると、一部は収納の中へ入りそうですが、あふれるものが出てくる可能性はあります。その場合は、何かを捨てることになります。もちろん、引っ越しする以上、家具のどれかを捨てる、買い替える必要は考えなければならないのですが。
 駅からは徒歩約10分で許容範囲です。
 行けると言えば行ける。好きな町です。大家さんはもしかすると、今回初めて賃貸に出すのかもしれず、家賃の値引き交渉は可能とおっしゃっています。しかも更新料が半額。どこまでそれが可能か。あと、私たちの予算のマックスで今まで審査まで行って合格した物件より高いで、審査に通るかどうかがちょっとわからないです。
 夫は、何かあったときのリスクが心配だと言います。私がこれまで、「もうちょっと頑張って払う!」と言いながら、この家賃のレベルまで自分の負担を増やせると言い切れなかったぼんやりとした勘の中身を、見事に言語化してくれました。もし、どちらかが病気になったり事故にあう、仕事が激減するなどして家賃が払えなくなったらどうするのか。再び引っ越して仕切り直すにしても、最近の苦労を考えればすぐに見つかるとは限りません。
 私の仕事は伸びしろがある、と二人で意見は一致していますし、夫も学校の仕事はあと十年ぐらいはあるそうです。がんばれば払える、でも。
 あと、余力がなくなる可能性が高いので、私の仕事や精神衛生上必要な会食の機会を減らす、あるいは予算低めで設定してもらう、あるいは旅行をあきらめる、あるいはリーズナブルに済ませられる地域のみにする、本を買うのをときどきあきらめる必要があるかもしれません。いえ、本はある程度、図書館を利用する必要もあるでしょう。今も、書画カメラがスタンバイしていますが、紙資料は今後、デジタル化する予定です…いつやるんだ。
 やはり、もう少し狭い部屋で安めに借り、あふれたモノを倉庫に預けるのがいいのかもしれません。
 この部屋は、今までの中で最も条件が良く、かつ好きな町にある。もしかすると部屋の条件としてのネックは日当たりだけと考えることもできます。迷うところです。そして、そろそろ新しい物件がふえ始める季節です。
 仕事は、ときどき思い切った投資をしなければ、伸びて行かない可能性があります。無難に暮らすことによって、伸びなくなる可能性もあります。一方で、無理をして投資し過ぎると、破綻してしまうことがあります。私はこれまで、何度もダメになった食品会社についてなぜダメになったのか書く機会がありました。だいたいが投資のし過ぎが原因です。この部屋は、伸びしろがある部屋なのか、破滅につながる部屋なのか。よく考えます。
 
 
 

 

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