見出し画像

Oasis Managementから株主提案を受けたフジテック株式会社の2023年2月の臨時株主総会について②

皆様。
前回は第1弾となる、Oasis Management(以降オアシス表記)から株主提案を受けたフジテック株式会社(以降フジテック表記)の2023年2月の臨時株主総会について①を投稿させていただきました。
御覧になっていない方おりましたら、以下よりご覧いただけますと幸いです。

それではどうぞ。


■臨時株主総会までの動き(前回の続き〜2023年2月24日)

④2023年2月6日:オアシスが「フジテックの主張に対するオアシスの反論」を公表

オアシスは、フジテックの取締役会意見を受けて、反論を表明するホワイトペーパーを公表しました。
以下に要点をまとめております。
さらに詳しい情報が知りたい方は以下の関連資料をご覧ください。

(ア)フジテックの事業戦略について
フジテックは過去の中期経営計画を未達し、現在の計画も保守的であり、業績予想を下方修正しています。そのため、「Vision 2024」の達成は非現実的です。
(イ)フジテックのガバナンス体制について
フジテックの社外取締役は、経営陣の悪質な行為を見逃し、株主や利害関係者の利益保護の責務を果たせず、自身も株主の議決権や取締役の責任を妨げる行動をしました。また、根本的な問題に向き合わず、株主の注意を逸らし、株主提案の社外取締役候補者に対して個人攻撃に終始しました。
(ウ)フジテックの競合企業対比リターンについて
フジテックは財務指標の成長率を強調し、競合他社と比較して株主を誤誘導しています。しかし、営業利益率や純利益率の推移など重要な指標からは改善の兆しが見られず、マージンも最低水準が続いています。また、ROEやROICも過去5年間で業界最低水準です。
社外取締役候補者の変更について
フジテックの取締役とアドバイザーは、オアシスが推薦した候補者に対して不誠実で解決を招く攻撃を行いました。候補者は警察に告訴状を提出し、捜査を求めています。

オアシスの反論よりまとめ

【関連資料】
フジテックの主張に対するオアシスの反論(プレゼンテーション資料)

⑤2023年2月10日:フジテックが「臨時株主総会に係る当社見解に関する追加説明資料」を公表

フジテックは、オアシスの反論に対して、「当社がお伝えしたいこと」として、オアシスに対する見解について、内山会長の会長就任について、会社提案の社外取締役の独立性について、当事者関連取引についてなどを述べています。

特にオアシスに対する見解として、「オアシスの真の狙いは経営支配権の取得であり、ガバナンス向上が真の目的ではないと考えられます。」としています。

その他詳細については、以下の関連資料をご覧ください。

【関連資料】
臨時株主総会に係る当社見解に関する追加説明資料(プレゼンテーション資料)

⑥2023年2月10日:フジテックが議決権行使助言会社であるISSの賛否推奨に対する見解を公表

 ISSは、フジテックの会社提案に対して全て反対推奨オアシスの株主提案に対して全て賛成推奨との意見を表明しました。
ISSはレポートの中で、元社長による経営体制で企業価値は低迷したが、現取締役は元社長の影響力を払拭できていないとし、取締役会の刷新を要請するオアシス側の主張について「利点があるとみられる」と指摘しました。
 それに対してフジテックは、「ISS 社は当社との対話における説明内容や当社取締役会の意見を一切考慮せずに、断片的な情報に基づきISS レポートを発行しており大変遺憾である。」とし、ISSの推奨通りの決議結果となり、フジテックの社外取締役の総入れ替えが実現した場合には経営権が実質的に奪われることとなり、取引会社間の信頼関係が大切である建設業界において、事業の継続に大きな影響が出る、としています。

以下は、ISSのレポートの内容をまとめたものです。

【関連資料】
当社臨時株主総会の付議議案に関する議決権行使助言会社Institutional Shareholder Services Inc. の賛否推奨に対する当社の見解

⑦2023年2月14日:オアシスが「フジテックの追加説明資料に対するオアシスの反論」を公表

 オアシスは、⑤のフジテックが公表した資料に対して、「フジテックは再びオアシスが提起した問題や疑問には一切触れることはなくすべて誤解を招くような、あるいは実質的ではない回答ばかりを羅列しています。」として、ひとつずつ反論しています。

フジテックがオアシスの真の目的は経営権の支配であると述べたことに対しても、「オアシスの目的は、取締役がすべての株主を平等に扱うよう、フジテックのコーポレート・ガバナンスを改善することです。オアシス提案の社外取締役候補者はフジテックを内山家の支配から解放して企業価値を向上させ、全ての利害関係者に利益をもたらします。」としています。

その他詳細については、以下の関連資料をご覧ください。

【関連資料】
フジテックの追加説明資料に対するオアシスの反論(プレゼンテーション資料)

⑧2023年2月16日:フジテックが議決権行使助言会社であるグラスルイス(GL社)の賛否推奨に対する見解を公表

 GL社は、以下のように議案に対して賛否を表明しています。
主に社外取締役の選解任に関しては、フジテックの取締役会の継続性を保ちつつ、スキルセットと独立性の観点からバランスの良い取締役会とすることを目的に、現任社外取締役6名のうち3名を残し、本会社提案議案の候補者1名および本株主提案議案の候補者3名に賛成することを推奨しています。
 それに対してフジテックは、「GL社が個別に判断した各候補者の独立性やスキル等を含めた当社社外取締役としての適性について認識に誤りがあるものと考えております。」としています。

以下はGL社のレポート内容をまとめたものです。

【関連資料】
当社臨時株主総会の付議議案に関する議決権行使助言会社Glass Lewis の賛否推奨に対する当社の見解

⑨2023年2月21日:フジテックが当該会社の社外取締役である引頭麻実氏の辞任とそれに付随する議案の撤回を公表

 フジテックは、20日に引頭麻実本人から、一身上の都合で辞任したいとの申し出を受け、受理しました。
これにより、6人の社外取締役解任の議案から引頭氏が外れることとなりました。

【関連資料】
社外取締役辞任及び当社臨時株主総会付議議案の一部撤回に関するお知らせ

⑩2023年2月24日:臨時株主総会決議の結果等に関するお知らせを公表

 臨時株主総会の結果が公表されました。結果は以下の通りです。


 またフジテックは、20日に引頭麻実本人から、一身上の都合で辞任したいとの申し出を受理したそうですが、その実一身上の都合ではなくガバナンスに関する考え方が当社とは大きく異なるためと変更しております。

【関連資料】
臨時株主総会決議の結果等に関するお知らせ


今回は2023年2月~臨時株主総会終了までのオアシスとフジテックの動きをまとめました。次回は臨時株主総会以降のオアシスとフジテックの動きをまとめていきたいと思います。

楽しみにお待ちいただけたら幸いです。
それではまた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?