思ったより世の中の人はまともだ

職に就いてから一年が経とうとしている。

何ができる様になったかというと、研修ばかりで何もできる様になっていない。

残業こそ10時間程度で済んでいるものの、慌ただしく時間は過ぎていき、
平日は会議に報告書に手順書の作成や電話対応をして、
土日には久しぶりの高校や大学の同期、研究室の同期と集まって飯を喰らい、仕事の同期とキャンプやスキーに行き、趣味の吹奏楽やアイロン掛け、それに家事掃除……

と過ごしていると勉強する間も無く時は過ぎる。

情報系の技術職という形で入ったはいいが、同分野の上司は誰一人居なくなってしまい、ずっと一人でやっている。

多少名の知れた大企業に入ったはいいが、部署は少し離れており、多くの同期とは隔離されてる。

地元は本社に近かった事もあり社員寮にも入れず、公開できないことの多い部署ゆえに、馴染み切れない中同期にすら口に重しをつけられる。

同期を見ていると、論理的な考えをしており、自分の言葉でものを語り、分からないことはすぐ疑問に思い人に躊躇わず聞く。そして技術は言わずもがな培ってきた能力を存分にふるっている。

まともだ。

皆個性は持ったまま、マトモな人間として振る舞っている。

同期に限った話ではない、展示会に行けばどこの会社の人も同じ様に振る舞っている。時に交渉をしてビジネスを全うしている。

世の中はこんなまともな人で溢れ返っているのかとショックを受ける。

26歳になった自分は、まともな要素がない。皆みたいに振る舞う時を見極めてまともに振る舞えていない。

オドオドしていて自信がなく、能力なんて大したものがなく、何が出来るかも迷っていて、大人の余裕なんて出せていない。

こんな自分が何故職にありつけたのか疑問である。

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