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仮面ライダーの強化フォーム登場時期を表にしたらめちゃくちゃ面白かった

最近の仮面ライダー、強化フォーム多くね?

……この漠然とした印象を可視化するために、平成〜令和ライダー23年分の強化フォーム登場時期をエクセルでまとめてみた。

これが23年分の芳醇な歴史だ!
凡例はこちら。分類はあくまで私見。
中間フォームだけ4色必要なのが肝だ。

ビッグすぎるデータなので、平成一期・平成二期・令和の3つに分けて見ていこう。

平成一期……無秩序な試行錯誤

平成一期:クウガ〜ディケイド

最強フォームも中間フォームも登場時期がバラバラすぎる……!!想像を超えた無秩序っぷりに瞬瞬必生を感じる。データのばらつき度を示す数値である標準偏差を見ても、一期は二期の倍のばらつき具合だ(下記参照)。

一期と二期でばらつき度(白字)が倍違う。
※ディケイド(全31話)の21話に登場するコンプリートフォームについて。まずディケイドを除くクウガ〜セイバーの21作品の平均話数を49話と算出し、これをディケイドに当てはめると 21/31 ≒ 33/49 となった。よって「コンプリは33話登場」という相対値を導いた。上の表もこの値を採用して算出している。
中間フォーム(緑)の登場時期も、一期の方がばらついている。
※例外的にクウガはライマイを、ビルドはラビラビを選出
※中間(緑)を持たない龍騎、カブト、ディケイドは除外

・登場が最速だった最強フォームはキバ エンペラーフォーム(24話)。
平成一期における中間フォーム(緑)登場までの平均話数が25.9話なので、エンペラーは最強フォームながら中間フォームのタイミングで登場したことになる。ただし、キバ飛翔態は35話登場と、こちらは最強フォーム登場の平均35.8話に近い。
ドガバキも一期の中間フォームで最速の18話登場なので、キバは軒並み強化が早いといえる。

・28話で登場したカブト ハイパーも最強フォームとしては早い。電王の中間フォーム クライマックスと同話だったのは結構びっくり……ハイパーはもう少し遅いかと思ってた。

・クウガとアギトは、中間フォームと最強フォームの登場時期がめちゃくちゃ近い。
具体的にはアメマイ〜アルティメット間の1話分、バーニングとシャイニング間の2話分。アメマイ登場にまつわる製作陣のゴタゴタも加味すると、平成初期ゆえにまだ販促形態が未確立だったのだろうか?

・逆に555では、アクセルとブラスターの間が18話分も空いている。
これはゼロワンにおけるメタクラ〜ゼロツー間(17話分)とほぼ同じ。

・「1話は弱体化形態or前哨戦、2話から基本フォーム登場」というパターンが3回あるが、カブトを最後に現在まで登場していない。
これ結構好きなのでまたやってほしいが、2話から既に新ライダーor新フォームを出さなきゃいけない(と思われる)現在の販促ノルマを考えるときついのだろうか……?

平成二期……中間の増加と最強の遅延

平成二期:W〜ジオウ

・一期に比べると中間も強化も登場タイミングがパターン化し始めた……と思ったらそれがどんどん後半にずれ込み、空いた第1・第2クールに複数の中間フォームがぶち込まれるようになる。中間フォームが複数化して強化イベントの数が激増、それに伴って最強フォームの登場が遅れていくのが二期の特徴だと言える。
きっかけはウィザードの〈フレイムドラゴン→オールドラゴン〉か。そして翌年の鎧武の〈ジンバー→カチドキ〉あたりから、本格的に中間フォームが複数化し始める。

・鎧武〜ジオウまでは二作品ごとにほぼ同じ販促ペースになっている。

〈鎧武&ドライブ〉:第1クール終了直後に中間フォーム(青:ジンバー、デッドヒート)が登場。ただし中間(緑:カチドキ、フォーミュラ)と最強のタイミングはウィザード以前と変わらず。

〈ゴースト&エグゼイド〉:中間フォーム(青:闘魂、ダブルアクション)の登場が前倒しになり、第1クール内で済むように。中間(緑:グレイトフル、マキシマム)のタイミングは以前と変わらないが、エグゼイド ムテキの登場が若干遅れる。

〈ビルド&ジオウ〉:中間フォームが1段階増える(薄紫:スパークリング、ディケイドアーマー)。これにより、全てのスケジュールが丸ごと後ろにずれ込む。それまでの中間(緑:マキシマムなど)の時期には中間(青:ハザード、ジオウⅡ)が配され、大幅に遅延した最強フォームまでの間に中間(緑:ラビラビ、トリニティ)が挟まれる。
これは私見だが、最強フォームの登場が遅れたことで、「最強」ながら登場後すぐ終盤のボス戦を迎えてしまうため苦戦描写が多くなる……というジレンマが発生したのもこの2年の特徴だと思う。

令和……インフレする強化フォーム数

令和:ゼロワン〜リバイス(記事執筆時点)

・完結済みのサンプルが2作品しかないので長期的な傾向は未だ不明だが、中間フォームの増加は留まるところを知らない。

・リバイスでは、中間(青:ジャック)の位置を変えずに中間(薄紫:ボルケーノ)を1ヶ月ほど遅延させ、空いた枠にバリッドを入れることで、ついに4段階強化を実現した。これはTV本編において歴代最多の強化フォーム数である(※エグゼイドのハンターアクションやセイバーのクリムゾンドラゴン・エモーショナルドラゴンを強化フォームと捉えない場合)。

・前述の通り、ゼロワンのメタクラ〜ゼロツー間は555のアクセル〜ブラスター間とほぼ同じ長さ。すなわちゼロワンでは、メタクラの登場時期をエグゼイド以前の中間フォーム(緑)のタイミングに戻していたとわかる。

・ゼロワンとセイバーでは、鎧武 スイカアームズの系譜と思われる「巨大枠」が最初の強化の数話前に登場している(ブレイキングマンモスとキングオブアーサー)。

・最終回限定フォームがビルドからセイバーまで4年連続で続いている。これも新たな商法なのだろうか。

まとめ

ここまでの分析結果をまとめる。

中間フォームの増加

ここでの「中間フォーム」とは、「基本フォームから最強フォームまでの間に登場する強化フォーム」を指す。

とりわけウィザードからは顕著な増加傾向。30話以前に描くべき強化イベントの回数がW〜リバイスまでで4倍になっている(1回→4回)のは特筆に値するだろう。

最強フォームの遅延

一期では何度かのイレギュラーを挟みつつ、二期前半で32話あたりに安定。そして、ゴースト以降に大幅な遅延化が進行。

30話以前に出さなければいけないフォームが増えたことで、最強フォームの登場も必然的に遅れていると思われる。
特にゼロワンではコロナの影響による放送枠減少も相まって、最強フォームが最終回の5話前に登場という異例の遅さとなった(最終回の1話前に登場したクウガ アルティメットはまた事情が異なるので一旦不問)。

中間フォームと最強フォームの相関関係(二期以降)

平成二期以降(W〜リバイス)における、最強フォームの登場回と中間フォームの個数の相関を調べたのが上の散布図である。相関係数は0.82であり、強い相関が認められる。
つまり、「中間フォームが増えるほどに最強フォームの登場が遅れる」という相関関係が指摘できる。ただし、これはあくまで相関関係であり、因果関係を確約するわけではないので注意。


……最近の仮面ライダーは、本当に強化フォームが多くなっていた。この結果を吉と見るか凶と見るかは、個々人の判断に委ねられる。

以上で仮面ライダーの強化フォーム登場時期についての考察を終える。今後は、「サブライダーの登場タイミング」や「発売されたベルトの個数」などについても調査したいと思う。

ここまで見ていただきありがとうございました。細かい数値や定義のミスなどあればすみません。元ツイは以下に↓


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