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47都道府県の県章をモチーフに仮面ライダーを描いた話 ①北海道・東北・関東編


日本を構成する行政区画、都道府県。
各県は、その一つ一つが自身を表すシンボルマーク「県章」を持っている。

かたや日本を代表するヒーロー、仮面ライダー。
彼らは、その一人一人が自身を表すシンボルマーク「ライダーズクレスト」を持っている。

2021年夏、岡山出身の知人と話す中で岡山県章を見た私は、ふと「これ、ライダーズクレストっぽいな」と思った。
この些細なきっかけから、私は「県章をライダーズクレストに見立て、そこから逆算してライダーをデザインするとどうなるか」という好奇心のもと、47人の仮面ライダーをデザインすることを決めた。

完成した47人を同年冬に公開したところ多大なる反響をいただき、各種ニュースサイトでも取り上げていただいた(ありがとうございます!)👇

【ねとらぼ 様】

【ライブドアニュース 様】

そこでこの記事では、47人のライダー全員を1人ずつ紹介していく。ツイッターにもPixivにも載せていないことを中心に、製作中に考えていたことを残す備忘録兼メイキングのつもりで書いていく。

【注意】
・前述の通り、これらは私が個人的興味から描いたものであり、特定の県や企業の政治・事業・宗教・その他思想活動とは一切関係ない非公式二次創作である。よって無断転載・営利目的での利用は厳禁である。
・また、県章は本来使用する際に県の許可が必要であり、ここでは「引用」の体を取る事で無許可ながらなんとか形だけでも著作権法にひっかからないよう最大限尽くした形での公開となっている。そのため、「県章ライダーのイラストをSNSのアイコン等にしてもいいか」というような要望に対して私から許可することは不可能である。なぜなら、アイコンという画像サイズ・解像度が非常に限られた媒体の中で、この「引用」を成立させるための五要件〈引用部分の区別・引用元と作品との主従性・引用の必然性・出所明記・引用元の無改変〉を満たすというのは非常に困難だと考えるからだ。
・この記事自体も、県などからの差し止め要請があれば削除する可能性がある。
・以下の詳説には「(特定の版権キャラ名)をモチーフにしました/参考にしました」という記述が登場するが、これらはあくまで版権キャラが有するデザインの外見的特徴を参考にしたまでであり、元となった版権キャラの作中における描写・特徴・性格(性質)といったイメージを県のイメージに当てはめるものではない。

まずは47人の仮面ライダーを概観。

47人の仮面ライダー

配色は主に県の公式サイトに掲載された県章・県旗・シンボルマークに拠っている(例外アリ)。
「県章をライダーズクレストに見立て、そこから逆算してライダーをデザインするとどうなるか」という好奇心が全ての始まりであるため、「ライダー側がこのデザインならクレスト(元の県章)は必然的にこの形になるだろうな」という納得感を重視してデザインした。

それではいよいよ1人ずつ紹介!!それぞれ画像右下で元となった県章を引用している。

北海道地方:1人

仮面ライダー北海道

制作No.27/47

雪の結晶や天気予報で出てくる「冬将軍」の兜・髭の感じをイメージして作成。
「ユニオンジャックっぽい」という声があった。
総務省が割り当てている都道府県番号上では最初の県ながら、元の県章が全く顔っぽくないので及び腰になり、結果的に着手したのは制作も中盤に差し掛かったころであった。

東北地方:6人

仮面ライダー青森

制作No.21/47

額にリンゴ型のディテールがあるのがポイント。
県章が県土の形まんまなので、ナイトローグ(『仮面ライダービルド』の敵幹部)を参考に幅広のバイザー型複眼として構成。
また県章の重心が下にあるため、その重量感を活かして威厳漂うデザインにすることを志向した。具体的には「スチームパンク×将軍」のイメージで、ガスマスク風の口元や金の差し色などで威厳を出している。
頭部は県章の形を活かし、海賊帽をイメージしてまとめた。

仮面ライダー岩手

制作No.7/47

県章が既に顔っぽいので非常にアレンジしやすかった一体。
仮面ライダーゾルダや仮面ライダーサソード マスクドフォームのような「横線の積層で構成される複眼」を持つライダーを参考にまとめた。「キン肉マンのネプチューンマンに見える」という声も。
顎の輪郭は県章の菱形に沿うようにし、どことなく昆虫の大顎にも見えるようにしている。
個人的には県旗の色合いが好き。

仮面ライダー宮城

制作No.24/47

宮城は仮面ライダーの原作者である石ノ森章太郎先生の出生地なので、仮面ライダー1号がモチーフ。特定のライダーを参考にするのみならず意図的に寄せたのは宮城のみなので、特別感がある。

仮面ライダー秋田

制作No.6/47

ツノをなまはげの包丁風にし、口にはなまはげの牙を配した。
全体的にエッジの効いた造形なので、ダークライダー感があってなかなかに好きな一体。
「左右非対称の県章をどのようにライダーの顔に当てはめるか」という命題に対して、「県章の一部分を左右反転させて複製し、形状としては左右対称ながら色分けによって左右非対称の県章を再現する」というアプローチを取った。

仮面ライダー山形

制作No.10/47

初期に製作したのもあり、「県章の元の形をどこまで崩すか」というバランスの基準点となった一体。仮面ライダーNEW電王を参考にまとめた。
またマスク全体に造形上の統一感を持たせるため、県章の「山」型と同じ三角形を各部に配している。

仮面ライダー福島

制作No.3/47

めちゃくちゃすぐ思いついた一体。
複眼部分のシルエットが福島名産の桃になっているほか、「桃の葉」にあたるチークガードは仮面ライダー電王 ソードフォームに寄せている。
ちょうど制作当時に放送していた『仮面ライダーセイバー』に登場する仮面ライダーエスパーダが円環状の複眼を持っていたため、大いに参考にした。円環状の県章は基本的にこのアプローチが主流となっていく。

関東地方:7人

仮面ライダー茨城

制作No.4/47

県章の渦巻がかなり特徴的なので、そこを際立たせるためアレンジは最小限に留めた。
口元のディテールは県章の丸みに沿った同心円状にデザイン。

仮面ライダー栃木

制作No.39/47

超超超難しかった一体。何個ものアイデアが浮かんでは消えていった。
まず元の県章がかなり独特で、要素の配置に全く対称性がない。直線もあれば曲線もあり、真四角もあれば正円もあるなど非常に多くの要素が入った県章のため、顔にするのが極めて難しかった。
最終的には県章全体の四角い輪郭を生かす方向で、ディスプレイ状の顔を持つガンバライダーや仮面ライダージオウ ディケイドアーマー、さらには実写版アイアンマンのヘルメット内部に浮かぶホログラム表示などを参考にまとめた。
よく見ると、ホログラムの奥にライダーとしての黄緑色の目がある。

仮面ライダー群馬

制作No.5/47

県章中心の文字部分ではなく、その両脇にある三角形を両目としてアレンジ。全体的に、県章の鋭さを活かす方向でまとめた。
頂点部分の三角形は、仮面ライダーエグゼイドを参考にして髪の毛風にアレンジ。
トゲトゲしたシルエットに県旗の紫色が相まって醸し出されるダークライダー感がお気に入り。

仮面ライダー埼玉

制作No.37/47

アイデアがまとまるまで非常に時間がかかった一体。元の県章が全く顔の形をしていない上に、円環状なので下手に歪めることもできず苦戦。
最終的には16個の勾玉を2個ずつまとめて8個の丸の集合とし、そこに含まれる3つの丸のうち2つを両目に、それらに挟まれた1つをOシグナルにそれぞれアレンジすることで、ライダーとしてのデザインに収斂させた。
「太陽」を表した県章とのことで、ファイアパターンを入れたのも特徴。
左右非対称で丸鋸状の口元がお気に入り。参考にしたライダーがいないという珍しい一体でもある。

仮面ライダー千葉

制作No.2/47

とてもヒロイックな県章を持つ千葉。
仮面ライダー迅を参考に、スピーディかつスポーティなイメージでまとめた。
制作初期なのもあり、かなりやりやすかった一体。その分パースがめちゃくちゃなのだが……。

仮面ライダー東京

制作No.47/47

首都としての威厳や存在感を強調するため、圧倒的な強キャラとして設定。そのため最初から「全ライダーが揃ってから最後に製作する」という方針だった。
仮面ライダーエボル ブラックホールフォームを参考に、強さを裏付けるようなデザインを意識した。
都が定めるT字型シンボルマークも顔の前面に金色のラインとして忍ばせている。

仮面ライダー神奈川

制作No.1/47

最初に製作したライダーと最後に製作したライダーが隣県というのも奇縁である。
2つの円が左右に並ぶ独特の県章はいかにもライダーの複眼っぽいと思い、真っ先に製作。仮面ライダーギャレンを参考にまとめた。
「ゼロワンのフォームっぽくてカッコいい」という声と「垂れ目がダサい」という声とが同時に得られるという賛否両論が興味深かった。

以上で14/47が終了。
続いては中部・関西編!!
https://note.com/actct_zagi/n/n3edf978e5e56

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