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1日20分の免疫学(1)免疫とは①

本「2021年11月に出版されて積読されてた医系免疫学改定16版です」
大林「お待たせしましたぁッ!今日からよろしく」

本「免疫学の教科書はもう何冊か読んだね?」
大林「うぃ、なので復習が必要と思った事と新規情報に絞って熟読するつもりです。次の本がもう来そうなのでややペース上げていきます」

1.免疫とは━免疫結合概説

1免疫系の役割

本「免疫現象は、微生物の感染防御・異物の無害化と除去他の個体の細胞の拒絶・変異細胞老廃組織の除去などに関わっている。組織修復もする」
大林「人体保つために色々してくれてるなぁ」
本「これらのために、排除すべき相手(非自己not self)保全すべき自分自身の組織(自己self)正確に区別するという過程(免疫応答の求心経路)と、区別した相手を処理するという過程(免疫応答の遠心経路)とが必要」
大林「おぉ、知らない言葉がしょっぱなから出てきたぞ、免疫応答の求心経路と遠心経路…」

求心:中心に近づこうとすること。対義語は遠心。
遠心:中心から遠ざかろうとすること。

本「自己と非自己を区別するには 目印が必要である」
大林「そうなりますよね!MHCの話かな?」
本「獲得免疫系にとってその目印になる物質を抗原antigenという」
大林「あ、そういう説明が来るのか。排除の対象か否かとなると確かに抗原=非自己だ」
本「抗原排除の中心となっている細胞がリンパ球」
大林「T細胞とB細胞ですね!」
本「リンパ球の細胞表面には非自己の抗原とぴったり合う抗原レセプターがある。しかし非自己は、他人の細胞や細菌、ウイルスなど無数に近い種類がある」
大林「へぇ、そういう順番で説明するのか」
本「1個のリンパ球は1種類のレセプターしか持っておらず、その特定の非自己しか相手にしない」
大林「だから無数に近いバリエーションのリンパ球を用意する必要がある」
本「そう。その無数の中には自己に反応してしまうレセプターをもつリンパ球も現れる」
大林「それは危険だから排除する」
本「もしくは働かないようにする。特定の抗原に対する反応性が失われる現象を免疫トレランスという」
大林「免疫寛容だね」

本「なぜ自己の抗原に対応するものだけが消去されると思う?」
大林「ん?そりゃ危険だから……」
本「自己抗原は、非自己抗原と比べて常に周辺に大量に存在する。リンパ球成熟する前に自己抗原に出会って不活化されるという考えがある」
大林「おおお……そういう説明の仕方、初めてだ。なるほど、未熟T細胞は未熟な状態で胸腺細胞に自己抗原を提示されて、強い反応を示すと不活化される……成熟する前に出会うのがミソってことかな」

本「特定の非自己が侵入すると、無数に近い種類のリンパ球から対応するクローンの細胞のみが急速に細胞分裂して強く反応できるようになる」
大林「推しの増殖ゥ!」
本「そのような細胞はしばらく体内に残り、質も変わり、次回の侵入にはより速く強い反応を起こせる。これを免疫学的記憶immnological memoryと呼ぶ」

本「処理する相手が細胞なら、その表面の抗原に対するレセプターをもち、反応したリンパ球がその細胞を破壊する」
大林「対応するレセプターを持つ(条件1)リンパ球が反応する(条件2)ことが必要ってことだよね」

本「細胞以外(細菌や異物)は、食細胞が貪食して処理する。食細胞の表面には微生物に普遍的な物質などのレセプターがある。このレセプターは抗原レセプターほど厳密に自己非自己を区別できない」
大林「TLRですね」
本「本来、非自己に対応する抗原レセプターをもつリンパ球しか存在しないので、抗体も非自己に対するものしかつくられず、つまり、抗体が結合したものは非自己ということになる。食細胞には抗体に共通の部分(Fc部)に対するレセプターがある」
大林「あぁ〜そういう説明初めて聞いた!なるほどなぁ」
本「食細胞は処理する対象に抗体が結合することで、それが非自己だと知ることができる。一度、リンパ球が非自己抗原と反応すると、対応する抗体を大量につくって体内にばらまき、次にきたとき直ちに結合して毒性を失わせ、貪食される」
大林「すごい……エッセンシャル免疫学とJaneway’s免疫生物学とは説明の角度がちがう。別の角度が加わるから、理解が三次元になる感じ」

本「体液には補体と呼ばれる蛋白質があり、細菌や細胞の膜に穴を開けて破壊する作用をもつ」
大林「水中機雷みたいなもんだよね」
本「補体は通常休眠状態で、非自己に結合した抗体結合することで活性化する」
大林「補体も抗体で敵襲を知るわけだ」

短いけど今回はここまで!
サイトでは細胞の世界を4コマやファンタジー漫画で描いています↓
現在、サイト改装用の画像作成等、いろいろがんばってます。

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