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hickey

当たり前に痣



いつからか性癖のひとつに噛むことがあった
噛まれるのも噛むのも堪らなく楽しい
噛まれたときに感じる痛いに段階があって
気持ちいい、痛い、更に気持ちいい って感じ
多分痛みには強い方なんで、まあまあ噛まれてもなんとかなる、ばちこい
ただなにせ私は皮膚が弱い
採血がし易さは負けない
すぐ赤くなるし、元から痣が出来やすい体質で、そこに噛まれようものならいとも簡単に痕がつく
噛まれ過ぎた痕は何もしなくても痛むなんて忘れていた
何気ない生活の中でじんわり痛む痕がなんて堪らなく私を嬉しくさせてくれるのだろう。
噛むのは楽しくてやめ時を見失ってしまう
暗がりで目が悪い私にはついたんだかついていないのかわからない痕が次から次へと浮かんでくる様が堪らなく楽しく堪らなく愛おしい
私が後日痛む様に相手もその痛みを感じるのだとしたら目に見える束縛や言葉を聞くより他ならぬ安心になる
GPSに頼るのも気は楽になるかもしれないけど、服一枚の下に自分がつけた痕が咲いてるかとわかるだけで私は息がしやすい。
痕は自傷行為のようだった
一回すれば何回も欲しくなるし痛みがあるだけ痕が見えるだけ自分が透けずにそこに在る実感がして、確かに私のポジションなことを再確認させてくれる
消えかかった黄色になるだけで、すぐに赫い真新しい痕が欲しくなる
常に痛みがないと安心しない、周りからしたら異常だと若さだと笑われるだろうか
そんななり振り構わず自分の気持ちを保つにはこんな手っ取り早さしかわからないのも悲しいことかもしれないけれど
私は多分人生で一番向き合っているし、ある意味幸せなときなのかもしれない
痕に絆されてなんて幸せなことだ
ほだされる、とは絆と書く
なんて意地悪な漢字を当てるのだろう
内出血で絆を感じるなんて阿呆らしいかもしれない
だけどしばらく私はそれで安心出来て生活している
夏場の薄着で正直苦労はあるが、見せびらかすようなもんでもない
ただ、多少いつもの夏よりは笑顔があるのかもしれない


1日お疲れ様でした

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