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能力開発

 クライエント企業の方と人材育成戦略についてお話する中で、「リスキリング」と「リカレント教育」の違いについてご質問いただくことがあります。似たようなネーミングや、カタカナだと、なんだかよく解らないですよね。そこで今回は「リスキリング」と「リカレント教育」について記載します。  人生100年時代の到来や労働市場の不確実性が高まり、労働者を取り巻く環境は大きく変化しています。労働者に求められる知識やスキルは、学生時代の基礎をベースに、企業内業務をとおしてのみで知識やスキルを積み

    • キャリアコンサルティング技能検定

       2023年度キャリアコンサルティング技能検定まで1か月近くとなりました。過去問や練習会なども追い込みに入ってきているのではないでしょうか。今回は、技能検定の受験を検討されている方、申込をされている方に向けて記載します。 (以下、キャリアコンサルティング協議会HPの内容を一部引用して記載します。) キャリアコンサルティング技能検定とは  キャリアコンサルティング技能検定は、技能検定職種のひとつとして2008年に追加された試験で、キャリアコンサルティングの知識と技能を図る国家

      • 組織内キャリアの描き方(後編)

         前回は、組織内キャリア開発について個人の視点から「キャリアアンカー」について掲載しました。今回は後編として「組織の視点」から記載します。  組織内でのキャリアは、自分を見つめ理解して自己実現を目指していくばかりでは、実現が叶いません。自分と組織のニーズがどこかでマッチして行かなければならないからです。  単に自分のニーズばかりを満たそうとすると、組織からの評価は得られずに、自己実現する機会を失っていきかねません。また、組織のニーズに合わせてばかりだと、自分は何処をめざして

        • 組織内キャリアの描き方

           仕事上の悩みとして、「希望する部署に配属されない」「給料や福利厚生などは恵まれているものの、仕事内容が想像していたものと違う」など、ご自身の期待と現状のギャップを感じ悩んだことはありませんか?  新卒採用にて希望通りの就職が叶ったとしても、必ずしも期待通りの仕事に就くとが出来るとは限りません。これは現在の日本企業の多くが、入社してから職種や配属先を決めることが影響しています。労働者側から見ると就職というよりも就社とった方がしっくりくるのではないでしょうか。  また、組織内で

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          転機の心理的プロセス

           「これまでの人生で転機はいくつありましたか?」と問われると、大きな転機だけでも幾つもあったことが思い出されますね。良いものでも悪いものでも転機は避けることが難しく、これからの私達の人生でも何度も訪れます。そうであれば、単に転機を恐れ、必要以上に嘆き悲しんで終わるのではなく、これまでの自分を見つめ直し、次なる新しい自分へ向けて再出発するための成長過程として捉えていきたいですね。そのためにも転機を迎えると次なる出発までに、どんな心理的プロセスを辿っていくのかを知っておくと、建設

          転機の心理的プロセス

          意思決定の8つのスタイル

           皆さんは自分のキャリアに関することなどの大きな決断をするとき、「情報収集をしっかりと行い計画的に進める。」や「直観で決める。」など、どのように意思決定しますか?  日常のちょっとした意思決定は「なんとなく」で決めても後悔することは少なく済みます。しかし就職先を決断するなどの大きな決断の場合には、たとえ希望通りの結果にならずとも、後悔ない決断をしたいものです。   実はこの意思決定のプロセスには、人によりスタイルがあると言われています。今回は、アメリカの心理学者であるディンク

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          スピルオーバー

           「仕事とプライベートを切り離して・・・。」なんて言葉は至る所で溢れていますが、職業人も家庭人としても同じ人物が担う以上、なかなか切り離すは容易ではありませんよね。  現在は、ITの普及や在宅勤務が増加したことからも、いつでもどこでも仕事をすることが出来るようになりました。このことは便利になった一方で仕事とプライベートとの境界線を引きづらくなったとも言えます。私たちは日々様々な役割を担っており、この役割が多彩であり、深みがあると人生を豊かにしますが反対に負担となることもあるで

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          原因帰属

           何か成功や失敗経験をした時、その原因を皆さんは何が原因だと考えますか?    試験に落ちた時に「才能ないのだな」と思い悲観した気持ちを引きずったり、「今回の試験はたまたま難しすぎた」とあまり気に留めなかったりと人によって違いがありますね。実はこの「原因帰属」と呼ばれる受け止め方の違いにより、その後の気分や行動に大きな違いがあると言われています。今日はこの原因帰属について記載します。 原因の分類  「原因帰属」とは原因帰属理論としてワイナー氏(Weiner)が提唱したもの

          原因帰属

          定年後のキャリア

          定年後のキャリア  かつては新卒で入社した企業に定年退職まで勤め上げて、その後は年金で余生を楽しむといったキャリア形成がスタンダードと言われた時代がありました。現在は、一つの企業で定年まで勤め続けるといったケースは減少しているものの、60歳以降のキャリアについては誰もが考える節目となっています。多くの方が定年退職後のキャリアをおまけのように捉え、定年退職前の3年~5年前からなんとなく考え始めているようですが、実際はなんとなく考えて過ごすにはもったいないステージでもあるのです。

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          曖昧さへの耐性力

           皆さんは物事がハッキリしないと気分がイライラすることや、正解が解るまでなかなか次に進めないなんてことはありませんか? キャリアコンサルタントなどの対人援助職に求められる能力の1つに「曖昧さへの耐性力」が必要と言われています。この力は職業を問わず、変化が激しく複雑なこれからの時代に誰もが必要とされうるものだと個人的には感じております。今日はこの「曖昧さへの耐性力」について記載しますね。 曖昧さへの耐性力  この曖昧さというのは白黒ハッキリしないグレーなことや正解のない答えな

          曖昧さへの耐性力

          キャリコン試験勉強

           今月は国家資格キャリアコンサルタント試験の開催月でした。受講された方は結果が気になるものの緊張から解放されたのではないでしょうか。 キャリアコンサルタント国家資格も現在は7万人程度となり増加しており、仲間が増えていくのが楽しみです。  現在、私はキャリアコンサルタント養成機関にて講師の仕事をしているからか、試験対策としてどんなことを中心に学習したらいいかの質問を頂くことが多々あります。  今日は指向を変えて、試験前に目を通しておくと良い資料やサイトについて学科を中心にご紹

          キャリコン試験勉強

          自己効力感

          上手くいくと思うかどうか   今日は連休最終日。いよいよ明日からまたお仕事をスタートする方も多いのではないでしょうか。   さて、皆さんは何か新しいことや困難な課題に取り組もうとするとき、「上手くいく」と思うことが多いですか?それとも「私には無理だ」と思うことのどちらが多いですか?  実はこの自分に対する評価の答えを自己効力感と言います。これはバンデューラー氏が社会的学習理論で提唱している認知的要素のことで、私たちの行動に大きな影響を与えていると言われています。  この自己

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          考え方のクセ

           最近気分が落ち込むようことはありましたか?と聞かれると小さなことであれば毎日だと答える人も少なくないのではないでしょうか。変化の激しい現在は刺激的でもあり、ストレスフルでもあると言えるのかもしれません。      嫌な出来事があるから気分が落ち込むのであり私たちを落ち込ませたのは「この出来事」が問題だと多くの人は理解しています。 しかし、同じ出来事でも毎日を楽しく過ごしている人とそうでない人は何が違うのでしょうか。実は、出来事をどのように認識するかという「認知」の違いが私た

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          中年の危機

           「誰かに何かを言われた訳でもなく、大きな出来事があった訳でもないが、何となくこのところ自分の現在や将来について漠然とした不安や焦りを感じる。」「一生懸命仕事をしてきたが、その反面友人との交流はほとんどしてこなかった。これでいいのか。」なんてことはありませんか?  こういった悩みは、実はごく一般的であり誰もが辿る心理的プロセスでもあります。発達理論などでは、多様な視点から発達課題を提唱されていますが、今日は、40歳~45歳前後の方にフォーカスし、レヴィンソン氏の「中年の危機」

          中年の危機

          VUCA時代のキャリア理論

           前回はVUCAの時代について記載しました。今回は、このVUCAの時代を生き抜く個人のキャリアという視点で考え方のヒントとなるキャリア理論をご紹介しますね。 まずは、前回の文章を改めて・・・。 VUCAの時代  現在の私たちを取り巻く環境を表現する言葉として近年よく使われるのが「VUCA(ブーカ)の時代」と呼ばれるもので、既に聞いたことがあるという方もいらっしゃるかと思います。 VUCAとは「Volatility:変動性」「Uncertainty:不確実性」「Compl

          VUCA時代のキャリア理論

          VUCAの時代

          VUCAの時代  現在の私たちを取り巻く環境を表現する言葉として近年よく使われるのがVUCA(ブーカ)の時代と呼ばれるもので、既に聞いたことがあるという方もいらっしゃるかと思います。  VUCAとは「Volatility:変動性」「Uncertainty:不確実性」「Complexity:複雑性」「Ambiguity:曖昧性」のそれぞれの頭文字をとった言葉です。 もとは1990年代後半に軍事用語として発生していた言葉ですが、2010年代に入ると急激な環境の変化に伴い日本のビジ

          VUCAの時代