見出し画像

あっという間に時は過ぎて

当院の玄関には、絵が飾られている。

「かさ地蔵」をモチーフにした水彩画だ。

実はこれ、娘が小学生の時、2、3年生の頃に学校の授業で描いたもの。
小学生は毎年、年度末にたくさんの制作物を持って帰ってくるのですが、
すげぇなと思う出来栄えのものも多く、この絵はその内のひとつ。
開院するときに額装して、玄関に飾ったのでした。

持ち帰ってきた制作物には、ダンボールで作られた虹色の魚とか、スタンプ乱打の絵とか、アート作品がたくさん。
それらは家のクローゼットに眠っております。


娘が小学生当時の私はシングルマザーで、
まだ鍼灸師にもなっていなくて、パートの掛け持ちをしていた。
そして正直、あまり子育てに時間も気持ちも使えていなかったなと思う。

毎日の生活に必死だったと言い訳はできるけど、
今になって思うのは、
「もったいないことしたなぁ」
なのです。
あの超おもろくて超かわいい時期を、なんでしっかり楽しめなかったんやという、後悔。

私が少し余裕を持てるようになった頃には、
もう共にべったり過ごせる時間は終わっていた。

子供が独立するのは成人後しばらくしてからだけれども、
高校生になるあたりから、徐々に生活時間がずれてきて、
一緒にごはんを食べたり、休日に出かけたりする機会がぐんと減る。
本当に十数年しか、しっかり一緒に過ごせる時間ってないんだよねぇ。

私自身も、思春期以降は(まだ全然自立してもいないのに)親や家よりも、外の世界ばかりに気持ちがいってたもの。
実質的な親の役割はあれども、中学・高校あたりでもう子供は子供でなくなってしまう。


たまにこの絵を見て、
あー、もったいないことしたな。
あー、時が経つのってあっという間だな。
と実感するのでした。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?