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note blog #9 脈々と受け継がれてきた技能と思想

TSUJKIMORI Salonのつきもりです。
暦の上では冬になった今日。寒さも一段と増し自然の木々も冬に備えていっているのを感じます。

実をつけた後に葉っぱを落とし、落ち葉は土に栄養を含ませるために虫たちがそこで生活をはじめます。葉っぱはその虫たちの糞で栄養をさらに根から吸収。木は外への陽気を極力減らすために葉をすべてなくし、冬の時期を乗り越えるためにじっと春を待つ姿。自然の流れを感じます。

脈々と

さて、先日診療中に感じた一コマ。

患者さんに私の鍼灸についてお話していたときに、この方法(経絡治療)は私が恩師に教わり、その恩師はそのまた師匠に教わり、そのまた師匠はそのまたまた師匠に教わってきたんです。

それを思うととても感慨深く、こうして働けるのも先人たちの努力のお蔭であると感謝の気持ちがあふれ出ます。日本に鍼灸が伝搬してきたのも、奈良飛鳥時代の1300年前のこと。

昭和の時代から「古典に還れ」と中国古典から日本鍼灸のスタイルを築きあげてきた先人達。昭和初期から数えても約80年の歴史と伝統がそこにあります。私もこの伝統を少しでも関わる鍼灸師の皆様にお伝えしていくお役目があるのだと再確認できました。

何かを残す、これは誰しもが持っている人間の宿命だろうと大人になってから考える今日。

受け継がれる技能と思想

受け継がれていくもの。
それは技能と思想だと考えています。
経絡治療と聞くと、どんな治療法なんだろう?どんな方法で鍼灸刺激をしているのか?と「やり方」を求めていく方も多いのではないしょうか。

実際はやり方も一つですが、同じ方法で同じ経穴に同じ深度で鍼を打ったとしても、全く違った結果が出るのがこの技能と思想の違いなのです。

技術と技能との違い

技術とは、一言で言うと、伝達。(方法・手段)(客観的・記述可能)
技能とは、一言で言うと、伝承。(行為・能力)(個別的・主体的)

技術は、論文やメモ、資料、機会などによって多くの人々に伝達できる内容であり、方法や手段を指す。または客観的に物事の解説や記述が可能な部分。

技能は、人が経験的に得た能力であり目で見て伝達できないこと。人を介在させて伝えていくことを指す。

鍼灸業界でも多くの技術と技能とで成り立っていますよね。
ここで大事になってくるのが、技能。人から人へ伝えられていくもの、まさに伝承という言葉が当てはまります。鍼灸を行うにあたり、手から手へ。心から心へ。人の想いや思想やぬくもりまでも伝承されていきます。

そう、人となり。鍼灸師としての、または人としての「あり方」の部分に技能は含まれています。

どういう鍼灸師でいるのか。どういう鍼灸を提供していくのか。患者さんのどういう未来を見据えているのか。そのような視点でのあり方が大事になっていきます。

師匠と弟子との関係性もその一つ。
弟子は師匠の「みている世界」に共感し、その方向性に進んでいくことで弟子として「みる世界」を形成していくものだと。

その思想(思い・想い)すら技能の中に含んで考えていくと、脈々と受け継がれてきた技能は、時代にマッチしながら研磨され、さらにより良い形で患者さんや社会に貢献し、役に立つように伝承されていくものだと強く感じた次第です。

なので、私たちの世代、今の世で鍼灸ができるのは、その先人達の功績でありとても恵まれた環境でお仕事をさせて頂いていると感じています。

脈々と受け継がれてきた技能と思想を、私たちも次なる世代に残していきましょう。

お知らせ

今、オンラインで交流し学び続けられる場所を製作しています。もう少しで発表ができると思いますが、名付けて【TSUKIMORI塾】です。そう、塾です。

ここでは、技術的なところと、思想や私が経験し得たリアルな技能をオンラインを通して可能な限りお伝えできる場として活用していきたいと思っています。

東洋医学を続けるこつは、環境があるかないかだと思っています。その環境をオンラインで作れないか、オンラインコミュニティとして作れないか。もう少しで公開できそうです。なのでそのお知らせがいくのに登録してもらえると嬉しく思います。「東洋医学をはじめる第一歩」PDF資料をゲットしてお待ちください!


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