見出し画像

関節リウマチ

こんにちは

本日は関節リウマチについて解説していきたいと思います。


概論


 何らかの自己免疫機序によって起こる、慢性、持続性、多発性、骨破壊性の関節炎を特徴とする原因不明の全身性疾患である。
関節の滑膜における炎症から、病変がはじまり滑膜の炎症が持続することで関節の破壊をきたす。また、関節外の全身の結合組織にも病変をきたしうる、全身性自己免疫疾患の一つである。
 30-50代に多く、女性罹患率は男性の約4-5倍と言われている。

原因
 

原因不明とされているが、遺伝的要因も示唆される。また遺伝的要因と環境的要因が加わり発症すると考えられている。

症状


関節症状、関節外症状、全身症状
に分けられる。

その前に重要な関節についてさらっと

関節の種類
 ●線維性関節
 ●軟骨性関節
 ●滑膜関節
  → ほとんどの関節炎は滑膜関節で起きる。


自覚症状
 腫脹 圧痛 熱感
 運動時のぎこちなさ、
 朝のこわばり感  → 動かしていくと徐々に動く

関節症状
 手関節、膝関節、手足の関節に多い
 左右対称に起こることが多い
 進行すると肩、肘、股関節などにも発生する
 

代表的な変形
 尺側偏位
 スワンネック変形 
 ボタンホール変形
 オペラグラス手


関節外症状
 眼 胸膜炎、乾燥性角結膜炎
 皮膚 皮下結節(リウマトイド結節) 壊疽性膿皮症
 呼吸器 間質性肺炎 胸膜炎 肺線維症
 心臓 心筋炎
 手根管症候群 多発性単神経炎

全身症状
 微熱 全身倦怠感 易疲労性 筋力低下 
 貧血(小球性低色素性貧血) 食欲不振 
 骨粗鬆症 
  → 加齢、閉経、運動量の低下、副腎皮質ステロイドの服用などにより、全身の骨粗鬆症の進行や、脆弱性骨折の可能性がある。

────────────────────────

まとめると
 滑膜の異常増殖とそれに伴う骨、軟骨組織の破壊を特徴とする。
関節破壊は発症6ヶ月以内に出現し。最初の1-2年で最も進行が早くなる。
炎症の主は滑膜ですが、滑膜の炎症が進行することで軟骨や骨の破壊が起こり、最終的に関節の破壊が起きる。

こちらも紹介程度に
 越智分類
 ●少関節破壊型 65-70% 
  罹患から5年ぐらいまでは徐々に破壊関節数が増加するが、10年以降は不変、手足の末梢の関節破壊が中心 日常生活の制限は少ない
 ●多関節破壊型 30%
  抹消関節に加え、股関節などの大関節も関節破壊が進行していく。
 ●ムチランス型 5%
  罹患早期から急速な関節破壊が進行していく。心筋壊疽などの全身症状も合併する。車椅子や寝たきりとなることが多い。


初期から関節破壊に至るまでの流れがこちらです。

スクリーンショット 2021-01-01 15.25.35

※パンヌスとは 
 炎症により関節の滑膜が増殖し形成された肉芽組織のことをいう。

診断 

2010年に新たな分類基準が米国リウマチ学会、欧州リウマチ学会(ACR  EULAR) から発表されている。

少なくとも1つ以上の関節で腫れがあり、その原因として関節リウマチ以外の疾病が低い場合に

1) 症状がある関節数
2) リウマトイド因子または抗CCP抗体が陽性かどうか
3) 炎症反応(CRP または赤沈)
4) 症状の持続期間

これらの4項目をそれぞれ点数化し、合計が6点以上ならリウマチと診断している。

それが こちら ←病気が見える より 


単純X線検査
 軟部組織の腫脹、関節周囲の骨萎縮、関節周辺のびらん、関節裂隙狭小化、関節面の破壊、関節亜脱臼、脱臼など

血液検査
 赤沈 CRP値、リウマトイド因子、抗CCP抗体など

スクリーンショット 2021-01-02 1.17.26

しかし、リウマトイド因子、抗CCP抗体の検査での感度は高くなく、これだけで診断することはない。
身体所見や、症状などから総合的に判断していく。

治療

治療目標
   臨床症状の改善のみならず,関節破壊の抑制を介して長期予後の改善,特に身体機能障害の防止と生命予後の改善を目指す。
治療方針
◎関節炎をできるだけ速やかに鎮静化させて寛解に導入し,寛解を長期間維持する。
◎合併病態の適切な管理と薬剤の適正使用によって有害事象の発現を予防あるいは低減し,もしも生じた場合には適切に対応する。
◎関節破壊に起因する機能障害を生じた場合には,適切な外科的処置を検討する。
◎最新の医療情報の習得に努め,日常診療に最大限適用する。
◎治療法の選択には患者と情報を共有し,協働的意思決定(shared decision making)を行う。

上記 関節リウマチ診療ガイドライン2014より抜粋


治療について

 基本療法、薬物療法、手術、リハビリ、などとなります。


基本療法
 安静、患者教育、運動、睡眠、

薬物療法
 DMARDs : 関節の炎症を早期から抑える
 NSAIDs : 炎症と痛みを抑える。
 ステロイド : 炎症と痛みを強力に抑えるが副作用が問題視される。

手術
 疼痛緩和や、関節可動域の改善などQOLを高めるために行う。
 滑膜切除術、人工関節置換術、関節固定術等がある。

リハビリ
 少しでも高いQOLの獲得のために運動療法や理学療法を用いる。


画像3

では鍼灸治療は何が出来るのか?


鍼灸治療
まず注意として、リウマチの活動性が高い場合は鍼灸は控えたほうがいいです。そして、リウマチの鍼灸治療の論文などはあまり多くありません。
今回調べた中では、薬物療法との併用で一定の効果が見られたというものでした。

優位に改善を示した点は
 日常生活動作、痛み、緊張 など

鍼灸治療では、
関節症状に対し、疼痛の緩和や、変形や拘縮の予防 
      →これらに関してはまだわかっていない。
 周囲の筋緊張の緩和循環改善を目的に鍼灸治療を行う。

関節以外に関しては
 QOLを維持するために、身体機能の低下の予防、精神安定を図る。


以上のように、鍼灸治療では関節の炎症や破壊を止めることはできないが、それ以外の症状などを緩和させることなどにより、QOLの維持、改善を図っていく。


ごめんなさい
東洋医学的な見方はわかりません。
なんので東洋を得意とする先生いましたら、教えていただきたいです。


では、本日はこれにて以上にさせていただきます。

ここが分かりづらいなどありましたら、コメントまでお持ちしております。

いいと思ったら、いいね拡散よろしくお願いいたします。

勉強の励みになります!どしどしお待ちしております!