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19世紀のバーベナ 2月1日〜365日の香水


19世紀のオーデコロン
データベースで検索して驚いた。この香水は1890年代にリリースされたものらしい。
シャレでもなんでもなく1980年代くらいに思っていたので驚愕だった。
調香師は二代目のエメ・ゲラン。「ジッキー」が彼の代表作。創業者のピエールフランソワパスカルゲランと近代調香の父と称えられた甥のジャック・ゲランの間の人。創業から20世紀のゲランメゾンを支えた四人の当主の一人だ。
四人目はジャンポールゲランで、シャンゼリゼの本店には歴代当主の肖像が訪れた人を出迎えてくれる。
ジッキー以外でエメによる作品がコレクションにあったとは驚き。

ゲランとシトラス、そしてバーベナ
ゲラン家のシトラスというとナポレオン3世まで遡ることができる。皇妃ユージェニーに献上されたもので、この時にナポレオン家の紋章である蜂をボトルに象ったことから、ゲランのビーボトル(蜂のボトル)は始まった。献上されたオーデコロンタイプの香りは現在「アンペリアル」または「オーデコロンインペリアル」の名で長きにわたる定番になっている。
公式サイトでは1853年、創業者のピエール・フランソワ・パスカル・ゲランによるとあるので、ここから2〜30年ののちに、今回扱うバーベナコロンが二代目のエメによって世に出たことになる。
ライムやベルガモットの王道からハーブのバーベナをその特徴に据えたところに二代目らしい意欲のあとも勝手に感じている。

eau de vervein gerlain
この中央がシャープな角度で膨らんだラインを見た時、1920年代のコカコーラのボトルを思い出した。腰のあたりが少し膨らんだ当時流行してたホッブルスカートというのがそのモチーフらしい。このゲランのバーベナもラインはシャープだけれど女性のドレスを思わせる。香りは、かなり時間が経ってアルコールの揮発もあるので、バーベナが全てに優っている。
冬と早春とが少しずつ距離を縮めていく頃にしとやかに使いたい香りだ。

香り、思い、呼吸

2月1日がお誕生日のかた、記念日の方おめでとうございます。

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