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ティーローズ 2月15日~365日の香水

ティーローズがやってきた
ティーローズの原種は中国産というから、これもジョゼフィーヌ皇后が蟄居したマルメゾンの庭園に存在していたかもしれない。
バラの園芸品種は3万~4万、品種改良は常に行われてきた。

ティーローズは中国の庚申薔薇がルーツのようで、温暖な地域では年間を通し花を楽しむこともできるそうだ。
庚申薔薇など中国から四季咲の品種が19世紀以降、マルメゾンなどヨーロッパの宮殿の庭園や王立の植物園にもたらされ、交配をしながら二期咲の現代バラになっていった。
現在も新品種が生まれ続けている園芸バラの世界。

ティーローズがライジングした
一方の香料用はブルガリアンローズに代表されるダマスクローズとグラースの五月のバラとして名高いローズセントフォリアの二品種。
サウジアラビアのタイーフで盛んに採油されているタイーフローズもダマスクローズに属する。
園芸品種だけれど、ティーローズのお茶のような香気を含んだ香りはヨーロッパにもたらされるやいなや、多くの人の心をつかんだようだ。
大人気になったという。
香り、そして開花期が複数にわたって訪れるということ。
ボタニカルアートで確認すると私が見つけたものは意外なことに黄色い花だった。
生命力をその黄色の中にしっかり閉じ込め、人々に活力を与えるために、微笑みながら咲くような花。

tea rose/perfumerer's workshop/1977
この香水の歴史は意外にも古いもので、もう半世紀近い。
まさに18世紀に中国からヨーロッパにもたらされた花がもてはやされたように、アメリカのメーカーからリリース後ほどなく香りも全世界で人気を博していく。たくさんの支持を得て今日に至っている。
明確なTEA ROSEの再現というよりも、ローズ系のそして80年代を予兆するような匂い立ちの香りで、YSLのPARISなどに通じるローズだ。
だけれど、全体にグリーン感があり清々しく繊細。

ティーローズを味方に
5月を待たず、秋の昼下がりでもなく、少し心が立ち止まりたくなったこの時期に使ってみたい。
2月の異名は如月、雪消月、着てさらに着るほど寒い(如月)時でありつつ、雪解けが始まる春への期待を孕む(雪消)時でもある。
先駆けて、気持ちを明るい日差しに向け、さりげなくローズの香りを纏い、
好きなように過ごす一日。

バラの力はやっぱり私たちの味方。
香り、思い、呼吸。

2月15日がお誕生日の方、記念日の方おめでとうございます。

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