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『5分でわかる』『1日でかわる』そんな話。

Twitterを眺めていたらnobiさんがこんなツイートされていて、それにインスパイアされてサボっていたnoteを久しぶりに更新しようと駄文を綴っている。

「5分でわかる『なんで皆、5分でわかろうとするのか?本当にそれでいいのか?』」という記事があったら読みたい。
https://twitter.com/nobi/status/1240502906710683649

たしかにな。僕もそう思う。
そんな考察や記事があったら読んでみたい。
調べればそんなものは吐いて捨てるほどあるんだろうけど、自分なりの言葉と経験則からこのツイートに答えを出したい。

結論からいうと
僕らはあるはずないけど求めちゃう生き物なんだと思う。

僕が小さい頃に読んでいた『ジャンプ』にもこんな謳い文句の広告があった。

・これを買ったらお金持ちになれた
・飲むだけで痩せる
・これを身につけたらモテモテに

子どもながらにこんなのあるわけないと思っていた。
こんな都合がいいものが存在すらなら人に教えたくなるわけない。100歩譲って『誰かに教えてあげたい!』って動機なら広告費を払って宣伝までする必要ないじゃん、口コミで確実に拡散するだろうと思ってた。

時がたち高校生にもなると受験というやつで、勉強しないとどうやら『いい大学』とやらには入れないし『いい会社』にも就職できないらしいと現実を知り始めた。
高校3年生の秋まで部活動で現役をしていてそれまで学校の勉強以外したことがない僕の偏差値は35。この学力で進学できる大学なんてほとんどなかった。

何からどうやって勉強したらいいかわからない僕は参考書を買うことにした。本屋さんにはたくさん参考書が並んでいて様々なPOPが貼ってあった。

・絶対に出る英単語
・これさえ抑えておけば間違いない世界史
・これ一冊でバッチリ!数学IA

久々にジャンプの広告を思い出した。あぁ、あれだと。
それなら全員東大に合格できるし、そんなノウハウがたった千円で買えるはずがない。でも、売ってる。そして、なんの手がかりもない僕は買うしかないよね。だってなんのヒントも持ち合わせていないんだから。

本題に戻ると、なぜ人は『5分でわかる』はずもないものを、5分でわかろうとするのか?それでいいと思うのか?について考えた。

上の僕の経験から、人は前提になる知識や経験が不足している場合『思考が停止する』もしくは『短絡的な行動をとる』のだと思う。面接試験で自己紹介をする場面でたった1分で自分の生きてきた人生を語るのは難しい。何を話せばいいかわからず、名前と年齢、出身、学校名、志望理由をいうので精一杯のはず。

僕らは知っている。5分じゃわからないことも、買うだけで幸せになれないことも、飲むだけで痩せられないことも。でも、すがってしまう。それは無知だからなのか?いや、どうもそれだけじゃないらしい。

朝8時30分までに学校の教室に座ってないと廊下に立たされるとしよう。
家から学校まで30分、下駄箱から教室まで5分かかるとしたら何時に起きて何時に家を出ますか?

きっと、初登校の日は7時には起きて朝ごはんを食べて余裕を持って7時30分過ぎには家を出ると回答する人が多い。2ヶ月、3ヶ月して、『もっと遅くていい。もっと家でゆっくりでも、走れば間に合う』と気付くはずなんです。ズルする事を少しづつ覚えていく。ズルは悪い事じゃなくて、前の日に教科書や着る服を準備する事だってそう。

でもね、ズルを覚えると、どんどん簡単にならないかと考え始める。

・前の日に準備すればゆっくり眠られる
・歩くよりバスに乗った方が楽だな
・実際に見るより誰かがまとめてくれたのを読む方が楽だな
・読むより誰かが読んでくれたのを聞いた方が楽だな

思考は楽する事を選ぶので、どんどんと考えなくなってゆく。
そうなってくると、

・履くだけで痩せたい
・飲むだけで美肌になりたい
・5分で知りたい
・身に付けるだけでお金持ちになりたい

って思考にハマるんじゃないのかな?と思う。

何度も言うが僕らは知ってる。5分じゃわからないことも、買うだけで幸せになれないことも、飲むだけで痩せられないことも。でも、すがってしまう。

それは僕らが認知的倹約家で、脳が高機能になりすぎた結果なのかも知れない。

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