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東京都心部の住宅流通の変化「買い手市場が到来!?」~土地&戸建て編~

早くも1月が終えた2023年。

先日の記事でもお伝えしたように、今年の東京都心部住宅流通市場のポイントは踊り場相場二極化の加速であると考えています。

さらに、ここ最近は新たな動きも加わりました。

その動きとは主に以下2つ。

  1. 既存在庫ディスカウント

  2. 割安な新規現場

2022年前半まではコロナの影響により予想外の住宅需要が拡大し、飛ぶように住宅が売れ、在庫不足となる中で発表と同時に即完売する現場が多くありました。

しかし、2022年の4月以降はその好調なムードも一服。
売れない在庫もチラホラと出始めました。

2022年10月頃からは約5割程度は定価で売れず、価格交渉の中でまとまるような市況モードとなり、売り手市場から買い手市場に変化していきました。

こうした状況であることから2023年1月以降、売主業者は今までの強気モードから一転し、弱気モードになっているのです。

このような背景の中で、既存在庫ディスカウント割安な新規現場というような動きが出てきています。

では、それぞれ詳しく解説していきましょう。

既存在庫物件のディスカウント合戦

なぜ現在、既存在庫物件のディスカウント合戦が起こっているのか?

それは、売主である多くの不動産会社の決算期末が3月末であることに関係します。

不動産会社の多くは決算期末直前の現在、売れ行きが良くない在庫をディスカウントしつつ一斉処分することで資金回収しようするのです。

契約から引き渡しまでに1か月程度かかるので、3月末までに資金回収しなければならないと考えると、2月中旬契約もしくは遅くても2月末契約でなければ間に合いません。

こうした事情から2月上旬は瞬間的な在庫物件の価格見直しが起こります。

売主の不動産会社の一番の目的は資金回収であり、利益度外視での価格改定を行うので「損益を出しても売買してくれる」というとてもラッキーな時期と言えますね。

実際に先週行った取引でも…

  • 大田区の土地:▲2000万円引き

  • 世田谷区土地:▲1000万円引き

  • 台東区新築戸建て:▲1500万円引き

など驚くような価格での契約でした。

プロである私から見ても現在は格安なディスカウント物件が多くなっています。
この動きは2月下旬まで続くのではないでしょうか。

通常、建売業者の戸建や土地分譲の利益率は10%目安ですが、ここ数ヶ月はその利益率を上回る値引き成約ができる市場となっています。

売主業者さんは大変な時期ですが、購入者にとってはこの売主弱気相場は絶好のチャンスです。

この時期はちょっと無理なお願いでも通せる可能性があるので、物怖じせず不動産仲介会社へオファーしてみても良いかもしれませんね。

ただし、このような大幅な値引きが成立するのはあくまでも数か月間売れ残っている物件についてのみになることを認識しておきましょう。

新規物件は割安

ここ最近、私のところに入ってくる新規の売り物件情報は、明らかに安い物件が多くなっています。

1年前は上がり相場の中で超強気な売主業者でしたが、昨年の秋頃から続く市況面の鈍化傾向を感じ、仕入れ企画も相当に慎重になっている模様です。

実際に最近の売却相談では、私が数字を提案すると

「本当にそれで売れるの!?」
「もっと下の目線で良いから!」

と言われるケースが多くなっています。

勿論、このように私が提案したようなケースの場合は新規現場を市場投下するとすぐに申し込みが入ります。
また、申し込みが重なり2番手3番手と続いていきます。

  • お客様が少なくなった

  • コロナ住宅バブルで先食いし過ぎた

などの声も多くありますが、適正価格になればまだまだ住宅需要は旺盛なのではないでしょうか。

なぜなら、最近の事案において、発表前である品川区の土地へ4番手までの申込があったり、港区や文京区の数億の土地も一般公開される前に別のデベロッパーが購入するなど水面下では活況だからです。

このように「売主目線は低い」という市場は消費者にとって喜ばしい流れですよね。

2023年住宅市場の傾向

現在の住宅市場を短期的目線で見ると、

  • 既存在庫を適正な価格以下で買うチャンス

  • 新規現場は適正価格が増えている

というトレンドになっています。

住宅購入において、こうしたトレンドの変化を読み取ることはとても大切です。

冒頭でも少し触れましたが、2023年はここ3年間で上げ過ぎた相場の調整局面(踊り場相場)になると個人的には考えています。

また、市場在庫は毎月増え続けています。
(以下市況データ参照)

ですので、今は焦って高掴みするのではなく、マイペースに住宅購入を検討しましょう。

REINS「市況データ月例速報 Mareket Watch サマリーレポート 2022年12月度」
REINS「市況データ月例速報 Mareket Watch サマリーレポート 2022年12月度」

さらに、今年は「買い手市場」の到来であり、多くの選択肢の中から買い手側の目線でじっくり住宅探しができる絶好のチャンスでもあります。

特に2月~5月までは、既存在庫のディスカウント割安な新規現場の物件が多くなると予測しています。

マイペースに住宅購入検討しつつもこのチャンスを無駄にしないようにしましょう。

ただし、市場在庫がある程度一掃された後は、相場が固まり新たな方向性が生まれます。

不動産相場は小さな相場サイクルの中で大きなトレンドが形成されていくので、一過性の流れだけでなく今後も市場在庫の増減などをしっかりと分析することが重要です。

2023年住宅市場で良い物件を手に入れるためには?

  • 「適正予算の合意」⇒ライフプラン作成による予算の適正合意

  • 「住宅ローンの事前審査」⇒予算の1割~2割程度アップしたフレームを確保

  • 「土地購入の場合には間取りと予算の合意」⇒工務店との事前打ち合わせ

この3点の事前準備を万全に行ってください。

この3点の準備ができていないと、自分にピッタリの物件が出たとしても「判断できない」もしくは「申込書を売主に提出しても資金内容で一番手取れず」などとなってしまいます。

何事も勝敗を決めるのは事前準備が8割です…!

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今回ご紹介した内容について、YouTubeでも詳しく解説しています。

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