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【デンマーク留学Vol.0】オーフスについて

これまでデンマークに留学していたといっていたけれど、デンマークのどこ
にいたのか、その場所を記していなかった。

今回は、私が2022年2月から6月まで滞在した街、Aarhus(オーフス)について書いていきたい。

wikipediaより

まず、地理的位置について。
デンマークは400以上の島々から構成されているが、なかでもドイツと国境を接するユトランド半島はとても大きい面積を有している。オーフスはユトランド半島最大の都市であり、首都コペンハーゲンに次ぐデンマーク第二の都市でもある。ちなみにオーフスからコペンハーゲンへは、アンデルセンの故郷オーデンセがあるフュン島(真ん中の島)を経由して高速バスで5時間半くらい。

国の2番目に大きい都市だから、現地に行くまでは、いわゆる日本でいう大阪や名古屋くらいの規模感なのかなと想像していた。

実際に住んでみると、バスは路線や本数もかなりあるし(私が主に使っていたバスは10分に1本のペースで走っていた)カフェや飲食店も探すのに困らない。市街地に行けばショッピングストリートがあり、服や本、ドラッグストアや雑貨屋もある。若者がたくさん住んでいることもあり、美術館や博物館も複数あったし、市の図書館も近代的だ。なんでも揃うし、スーパーだけでなくアジアンショップもいくつかあって、日本食が恋しいときはよくお世話になっていた。

たしかに栄えている。


けれど、都会の忙しさや喧噪さはあまり感じなかった。第二の都市という都会のはずなのに、あの都会独特の殺伐さや混沌さをほとんど感じなかった。(最も私は大阪や名古屋には旅行で数回行っただけで、普段は地方に住んでいるため、都会の忙しさがよくわかっていないのだけれど)

なぜ感じなかったのか。デンマークと日本どちらがより発展してるのか、そんなレベルの話ではないと思う。北欧の家族や自分を大切にする働き方とかほかにも理由はあるのだけれど、私が感じたなかで大きかったのは、自然の存在だ。街のいたるところに自然公園があって、散歩をしたり日光浴をしている人をたくさん見た。バスで20分くらいの郊外に行くと森林があって、ハイキングをしたりマウンテンバイクを楽しんでいる人いた。自然の中で過ごすことは、人間のメンタルヘルスにおいてとても重大な効果を発揮する。自然の中で過ごすことで生まれた心の余裕が、都会の忙しさや喧噪さを覆いかぶさってしまうくらい街に溶け込んでいたのではないだろうか。

大都市でありながら、街と人、自然との距離が近い。たくさんの人がそれぞれの形で自然と触れ合う時間を大切にしていて、それが日常の一部と化している。私は、オーフスのそういった部分がとても好きだったし、今思い返してみてもすごく素敵な環境だなと思う。

留学する前も自然が好きだと思っていた。けれどそれは空を眺めたり風に吹かれたり波の音に耳を傾けたりと、自然のごく一部に過ぎなかった。
ハイキングをするなかで体感した自然の悠然とそこに存在している頼もしさ、深呼吸をすれば本当に体の隅々まで空気が溶け込んだような感覚、日光浴の後のジーンとした疲れの心地よさ。オーフスは、私にとって自然の魅力を再発見できた、とても大切な場所だ。


ここからは、私がオーフスで特に好きだった場所を写真とともに振り返っていきたい。いろいろあるけれど、ひとまず3つだけ。

Aros Aarhus Art Museum(アロス)

18世紀から現代までのデンマーク国内外の作品を貯蔵する北欧最大規模の現代アートの美術館。館内は5つのフロアに分かれていて、それぞれのテーマに沿った作品を鑑賞できる。屋上には虹色のリングがあって、実際に歩くことができ、オーフスの街並みを360度見ることができる。街並みが虹色で区切られていてちょっと不思議な空間だった。
作品の写真や動画を撮影できるのだが、日本だと撮影禁止の美術館がほとんどだったから驚いた。

作品の無断転載や拡散の問題もあると思うけれど、日本でも撮影可能な美術館が増えるといいな。

Moesgaard (モスガード)
ハイキングの授業で訪れた森林。それ以来、たまに一人できてハイキングをしていた。初めて訪れたのが2月だったので、寒々と閑散とした雰囲気だったけれど、5,6月くらいには緑が青々としていて、木漏れ日がとても気持ちよかった。川に沿って下っていけば海にもつながる絶好のロケーション。浜辺に落ちていた石がとてもきれいだった。

2月
5月
浜辺で見かけた石たち。

Brabrand (ブラブランド)
半年間住んでいた集合住宅があったところ。ほかにも団地がたくさんあった。寮からすぐのところに散歩道があって、そこを2キロくらい行くと小高い丘があり、そこから街を眺める時間が好きだった。また、自転車で10分くらいのところに湖があって、そこで友人と日向ぼっこをしながら哲学対話をしたのはいい思い出。(確か何で効率を求められるのかみたいなことについて話したはず。)

丘の中腹で
湖のちかくにて

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