『風は山から吹いている』


額賀澪さんの作品。
日本には自分が知らない山がたくさんあると感じた。
登山はただ歩いていれば頂上につくもんだと思っていた。しかし、想像よりもはるかにきつかった。
筑波山は過去に登ったことがあるので、もう一度自分が登っているような気分になった。
穂高のような面白い先輩がいると、学生生活がとても楽しくなると思う。
謙介さんが亡くなってしまった原因が、自殺ではなくて本当に良かった。
スポーツクライミングについての知識も学ぶことができたので、とても嬉しかった。

印象に残っている文

「タイムを競うスピード。課題をいくつクリアできたかを競うボルダリング。どれだけ高く登れたかを競うリード。」

穂高は表情を変えなかった。むしろ、満足そうに「そっかあ」なんてしみじみと頷いてくる。反発されるのも嫌だが、理解されるのも腹立たしい。

「言っただろ? 登山は順位やタイムを競うものじゃないって。険しい道を何時間もかけて登って、日常から離れることで自分にこびりついている余計なものを引き剥がしていくのが登山なんだと俺は思う。まあ、下山するときに引き剥がした余計なものを全部拾い集めて帰ることになるんだけどね」

音が聞こえてきそうな星空だった。


さあ、次は、どこの山に彼と登ろうか。


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