『女子的生活』

坂木司さんの作品。体が男性、心が女性のトランスジェンダーとして生きるみきの物語。


東京に住んでそれなりにきちんと生活できている人は成功者という考えには、とても共感した。

カオリちゃんのプロファイリングが的確すぎて、面白かった。ぜひ身近な人をプロファイリングしてほしいと感じた。

合コンでの女子同士の駆け引きが描かれていて、とても勉強になった。

後藤くんとみきは良いペアだなと読んでいて感じた。


印象に残っている文

疑問、否定。再び疑問、そして再びの否定。困惑。逡巡。後藤の表情は、面白いように変わる。

昼休みはね、働く女子にとってすごく大切な時間。それは食事っていうことだけじゃなく、心のリラックスも兼ねた、リセットの場。ご飯を食べて、お茶を飲んで、一息。一人ならゆっくり休めるし、複数なら情報交換って意味合いもある。

気が利く上司は、個人主義の快楽主義。ブラック企業で生き残っている人間には、そこそこ多いタイプだ。

自分が落ち込んでるからって、相手に刃を向けて。でもそれでも受け止めてもらおうなんて、甘い。それにそもそも、受け止めてもらえると思ってる感覚が、甘すぎて気持ち悪い。

だって絶対、女の方が面白いもん。ゲームで言うなら、女子の人生はイベントが多くて敵も多くて、でも味方も多い。選択肢も多くて(服だってスカートとパンツと両方選べるしね)、道もたっくさん枝分かれしてて、なんか色々多彩。

それに対して、男子の人生はイベント少なめ。敵と味方の多さは同じかもしれないけど、選択肢が多そうで案外少ない。道は単純で歩きやすいけど、それってゲーム的にはどうなの?っていう状態。

セレクトショップは、その店のセンスを売っているようなものだ。違うブランドの品を、より似合うように組み合わせて提案している。お客はその付加価値にお金を払うわけなんだけど、それが理解できない人も中にはいる。


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