『屍人荘の殺人』

今村昌弘さんの作品。

神紅大学ミステリ愛好会の葉村と明智は、映画研究会の夏合宿に参加した。

その頃、近くのフェス会場ではバイオテロによって、人々が次々とゾンビ化していった。

やがて被害者が出てきてしまう。


比留子が途中で登場人物の確認を行ってくれたのが、とてもありがたかった。

ゾンビという外部要因によってクローズドサークルを作る、という設定が面白いと感じた。

明智が主人公かと思ったら、あっさりといなくなってしまって驚いた。

「二度殺す」おいしい作戦がとても印象に残っている。


印象に残っている文

百戦近い勝負を繰り返してわかってきたことは、下手な推理を組み立てるよりも学食スタッフのおすすめメニューか日替わり定食を推しておけばそこそこの確率で当たる、という悲しい現実だ。

「パニックホラーって、ゾンビとかジェイソンとか、そういうのですか」「そうそう。ああいう舞台ってたいてい夏じゃないですか。そして羽目を外しているメンバーが真っ先に餌食になる」

シミュラクラ現象とは、点や線が逆三角形に配置されているものを見ると、脳がそれを人の顔と認識してしまう現象で、心霊写真や体験の最も大きな原因といわれている。

真の完全犯罪は警察をギブアップさせることじゃない。犯罪として露見すらしないものだよ。人知れず殺し、人知れず死体を始末し、人知れず日常に溶け込むことだ。

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