『片思いレシピ』

樋口有介さんの作品。樋口さんの作品は初めて読む。

槇塾のアルバイト講師である松永が、何者かに殺されてしまう。槇塾に通う加奈子と柚子は事件を解決しようと試みる。


小学生にしては達観している加奈子の心理描写が、とても面白かった。

柚子ちゃんはとても自由奔放で、面白いと感じた。クスクスのサラダやモロッコ春巻きなどを作っていて、すごいと思った。

加奈子は翔児くんと上手くいってほしいと感じた。



印象に残っている文

「つまりはなあ、加奈子くん、人間が病気になるのは医者を儲けさせるため。罪を犯すのは警官や弁護士を儲けさせるため。戦争をするのは軍人や兵器産業を儲けさせるため。しかしだ、もう頭に髪の毛のなくなった私は、床屋さえ儲けさせてやれない、無用の長物ということだなあ」

でもね、まさか翔児くんも、わたしを映画なんかには、誘ってくれないよね。「カナちゃん、事件のことはまたあとで考えるとして、今日は映画を見にいかないか」

うーむ、しかしだ、中学生のくせにママの大ファンだなんて、そういう子はどうせ、性格が悪い。

ほっとしたような、気が抜けてしまったような、虚しいような充実しているような、なんだかよく分からない気分ではあるけれど、でも退屈でも単調でも、人生っていうのは、平和が一番なんだろうね。


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