『the team ザ・チーム』

井上夢人さんの作品。
全盲の霊媒師である能城あや子。
ときには家に侵入して、依頼者の事前調査を行う草壁賢一。
卓越したITスキルで草壁をサポートする藍沢悠美。
マネジメント全般を担当する鳴滝昇治。

依頼者の過去や真実が次々と明らかになり、とても驚いた。
最後は事務所からいなくなってしまった4人。舞台から俳優たちが立ち去っていくときの寂しさと似たような思いを抱いた。
続編を見てみたい気持ちもある。

印象に残っている文

たとえそれがエンパイア・ステート・ビルみたいなとてつもない高さだったとしても、悪さをしようという人間にとってエレベーターを使うのは危険だった。誰かと乗り合わせてしまうという危険もそうだが、エレベーターというのは、そこから降りるとき、ドアの向こうに誰が立っているのか予測できないのだ。

テレビの仕事というのは、どこか生きたトカゲの皮を撫でるような感覚に似ていると、鳴滝は思った。恐怖心から最初は手を近づけるのも勇気がいるが、一度触れてみると、その冷たくて異様な感触に惹きつけられ、また撫でてみたくもなるのだ。

「みんなどこかに寄生してるんだよな」賢一が言った。「寄生木みたいにさ。靖浩君も、光枝さんも……まあ、たぶんオレたちもね」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?