『ザ・ロイヤルファミリー』

早見和真さんの作品。

父を亡くしてなかなか立ち直れずにいた栄治は、友人の縁で馬主の山王耕造と出会う。耕造に気に入られた栄治は、耕造の秘書として働くとともに競馬にも関わっていく。


馬主になる条件を知らなかった。本当に金持ちの人でないとできないと感じた。

最後のロイヤルファミリーの成績のページがとても良かった。

自分の馬が大きなレースで優勝したら、とても嬉しいだろうなと思った。


印象に残っている文

手を抜こうと思えばいくらでも抜くことのできる仕事です。反面、クライアントと関わろうと思えばどこまでも深く関われてしまう仕事でもあります。

「しかも、俺たちが選ばなきゃいけないのは二億円の馬でさえないんだぞ。将来、二億円を稼ぎ出す馬なんだ。そんなのわかるわけねぇだろ。だったらプロを信用するしかない。こいつなら信用できるっていう人間と一人でも多く知り合って、そいつが『この馬はきっと走ります』って覚悟を持って言ってくるなら、俺はそれに投資する。馬に出資するんじゃない。その人間への信頼に賭けるんだ」

それぞれ距離と競馬場の異なる「皐月賞」「日本ダービー」「菊花賞」の三つのレースは、一般に「クラシック三冠」と呼ばれ、そのすべてが生涯一度、三歳時にしか出走することができません。

結局、馬主を続けられる一番の理由は「勝ちたい」という欲求でしかないのでしょう。人生を勝ち続けてきたみなさまだからこそ、自分のコントロールの利かない馬に何かを託したくなるのかもしれません。

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