【申請してみました】今の経済的窮状をしのぐために使える制度は「住居確保給付金」と「緊急小口資金・総合支援資金」です。

仕事で怪我して退職。そちらの手続きも遅々として進まず手元のお金はなくなる一方。会社の書類不備で失業保険はもらえず……

しかし失業保険以外にも公的な支援があります。家賃の補助である「住居確保給付金」が利用できます。これは自治体が家賃を3か月間肩代わりするものです。窓口は自治体によって違いますが、わたしの場合は市役所でして、メールで相談を取り付けました。

そしてできればその日に申請を完了しようと考えました。役所の手続きは「今日はこれこれの書類がないですね、じゃあまた別の日にそれを持ってきていただいて、申請はそれからですね」というパターンがほとんどです。そうなってしまうとそれだけ支援が遅れることになります。また何度も出かけなければならなくなりますから2度手間3度手間になります。結局自分が損するだけなのです。それは避けたい。

少なくとも事前調査でこれだけのものの入手が必要であることがわかりました。

退職していることを証明するもの(離職票等)
負債がある場合毎月の返済額を示すもの
借りている物件の契約書の写し
資産を証明するもの(通帳)
ハローワークカード
直前の給料明細
身分証明書
印鑑

さてこれらがわかったところで市役所の窓口に出かけました。ここで「住居確保給付金」の申請を行いますが、同時に「総合支援資金」の窓口にもなっていましたので(実際に担当するのは社会福祉協議会)そのための手続きも行います。

住居確保給付金は「仕事をするつもりはあるけど今は難しい」という人に向けての支援策なので「仕事かったるい、しばらく休む」という人は使えません。その意味で、少なくとも書類上は「仕事のやる気」を見られます。ハローワークに登録していることを示す書類を求められます。おそらく「ハローワークに行って検索機で調べたよ」だけではだめでしょう。面倒ですが「ハローワークカード」の提出が求められます。わたしの場合はもともとハローワークを利用していましたので、すぐに発行されましたが全く利用していない場合は、これもまたハローワークでいろいろと面談しながら作成することになるでしょう。

わたしの場合は紛失していたので市役所の窓口に行く前に、ハローワークに寄りハローワークカードを入手します。

そして住居の実態がわからなければならないので契約書の複製の提出も求められます。わたしの場合はこれも紛失していたのでその日のうちに不動産屋に言って複製してもらいました。

とにかく、申請したいとなったら早ければ早いほうがいいので相談しているときに「この書類が必要です」と言われたなら、速攻で手に入れてその日のうちに提出しましょう。そうしないと何度も出向くことになって全部揃うまで申請が完了できないということになってしまいます。

さて、総合支援資金は貸付なので、基本的に返済の見込みがある人しか利用できません。なので今までぶらぶらしていてこのご時世不況になったので利用したいといってもなかなか難しいと思われます。

ではお金を返せるかはなにで見るのでしょうか。それは直前までどのような仕事をしていてどのくらい給料をもらっていたかで計ります。これが結構面倒でした。これまでどんな仕事をしていましたか、何年働きましたか、なぜ辞めたのですか…… 昔の傷を広げるのはよして!!!!! という気持ちになりますがじっと我慢です。

少なくても直前の仕事の最後の給料明細か、それが振り込まれた通帳は必要でしょう。この通帳は現在の資産の状況の確認にも使えますので、当日記帳しておくことが求められました。

ここまでで、市役所の窓口での聴取と書類作成がいったん終わりまして、つづいて社会福祉協議会に移動します。総合支援資金貸付についてさらに必要な書類を作成します。

ここの書類がかなり多くて複雑でした。

基本的なスタンスとしては「あなたの毎月のお金の使い方を検証します」というものです。食費はいくらですか、医療費はいくらですか、通信費はいくらですか、被服費はいくらですか、カードローンの返済はいくらですか…… などです。

わたしもここで初めて知ったのですが、この話し合いをもとにして貸付金額が決まります。つまり「貸し付けを認めます、はい15万(一人の人の場合)です」となるのではなく、上記の毎月のお金の使い方の検証を経て必要な額だけ貸し付けになるのです。これまでの毎月の出費が10万ということであれば貸付額の上限は10万です。さらに債務を払っている分は計上できません。債務の返済の返済になってしまうからです。例えば月2万返済しているのであれば、さらに10万から引かれ貸付上限は8万になります。

なお遊興費の項目はそもそも存在しません。そのためそれの予算を計上できません。わたしはまったく遊ばないので(酒・たばこ・賭け事どれもしない)それで問題ないのですが、そうじゃない人はどうするんでしょうね。食費を7万とかにするのかな(でも認められなさそう)。

これは一覧表にして記載します。食費3万、通信費2万、交通費、4000円、被服費5000円…… こんな感じです。

職員のかたが言うには「お金が振り込まれるまでは1か月ほどかかります」とのこと。さらに貸し付けが認められてから振込口座の手続きが再度必要であることについて説明がなされました。

つまり貸し付けが認められたら、また社会福祉協議会に行って書類を書くわけです。

確かに貸し付けが認められていないのに振込口座を聞くことはおかしいといえばおかしいのですが、手続きとしてはそれ一緒にしてもよくない? と思いましたが。

本来はこのまま書類作成を進めることができればよいのですが、住居の契約書と債務に関する書類がないので一度家に戻ります。

再度、挑戦です。まず市役所の窓口に行き住居の契約書の写しを提出しました。これで住居確保給付金の申請は完了です。つづいて社会福祉協議会に移動して総合支援資金の手続きを進めるはずだったのですが、担当のかたが別の申請者の対応をしておりしばらくこちらのほうの作業はできない、とのことで市役所の窓口で総合支援資金の手続きをすることに。

負債がある場合、毎月どのくらい返済しているのかを示す債権者が発行した書類が必要です。総額はいくらか、そして毎月いくら返済しているかが聞かれます。この額があまりにも大きいと貸付ができません。借金のために借金することになり好ましくないからです。これは債権者が発行する書類をもって確認することになります。クレジットカードの返済などの場合は毎月送られてくる明細などでそれを証明します。

そのほかに「同意書」やら「念書」やら書きます。全体で3時間ほどかかりました。今日できることはすべて実施しました。本当にお金を貸してもらえるのか不安になりながら家路につきました。

それはおいておいて、それから4日ほどたったある日、緊急小口資金ももしかしたら申請できるのではと気づきました。実は市役所でそのことを聞いたのですが「無理」とのことであきらめていたのですが、調べてみるとどうやらできそうな感じ。それでメールで社会福祉協議会に聞いてみると「可能」であるとのこと。

で、「さらに書類作成とハンコが欲しいので来てほしい」とのこと。前の書類を流用できませんか? できませんかそうですか。またとぼとぼと社会福祉協議会に出向きました。うぉっ! 申請(相談?)している人が多い。

前にお会いした職員のかたと再度面談し、書類作成。そしてハンコ。

「緊急小口資金は5万円で(そうなの?)、総合支援資金(10万)が貸し付けられたら、そこから差し引きます(というと初回の総合支援資金は5万?)」
「緊急小口資金も、早くて5月の中頃ですね」

聞いた話では緊急小口資金は2日後でも行けそうな状況なのですが、実務はやっぱり違うんですかね。あと返済の時期に来ても厳しいときは免除もあるということもネットでは見てたんですけど、それの説明はなかったですね。最も最初から「返済免除」を言っちゃうと、滞りそうなのであえて説明しなかったのかもしれませんが。

今年のGWはデスウィークになりそうです。もっとも、連休直前に申請するのではなくてもっと前4月初めに行動しておけばよかったのですが…… 何とかなるかもと意味不明な希望を持ってしまったのがいけませんでした。

ここで忘れずに述べておきたいのは、この大変なときに面談をしてくださる職員の方々への感謝です。思ったのですが、わたしの住んでいる場所の自治体ではという前置きが付くのですが、経済的支援の申請に面談を必要とするのが今必要かということを少し考えてしまいました。

経済的苦境に陥ったとすればそれには理由があります。その根本的な問題を解決しなければたとえ一時的に支援があってもまた同じ状態に陥るのは明らかです。そのような理由からある程度の話し合いを経た面談を通しての支援というのは理解できます。

ただ今は急激に経済状況が全国的に悪化しており、感染症が拡大するかしないかの瀬戸際であるというこれまでにない新たな局面にあることも事実です。

誰もそのことについて判断する自治体の人もいないのでしょうが、経済的支援の申請に面談が必須であるという制限を解除しないと、市役所も危ないのではないでしょうか。

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