見出し画像

FeliCa非搭載端末による非接触決済の逆襲が始まる(のかもしれない)

本邦においてスマートフォンによる非接触決済といえば「FeliCa」のことを指すのでありそれ以外はないものとみなされてきました。実際にはFeliCa以外のものもあることはあるんですが、まったくと言っていいほど普及していないので、スマートフォン非接触決済=FeliCaという図式が成り立ってしまっていました。

なぜそのようなことになってしまったかというと、本邦においてはFeliCa(いわゆるおサイフケータイ)によるシステムが先行してしまったため、非接触決済の事実上の国際標準ともいえる「EMV Contactless(NFC Payなどとも呼ばれている)」のものは相対的に立ち遅れていたのです。

厳密にいうと、本邦にある決済端末側ではEMV Contactlessを読み取ることが機械的にはできるものの(世界標準の機能をわざわざ省く必要がないため)、それを使っての決済システムが本邦では構築されていませんでした。

また、FeliCa未搭載だけれどもNFCは搭載しているAndroid端末の場合、非接触決済をつかさどるものとしてGoogle Payがあるのですが、非接触決済用として登録できる本邦発行のカードというものがこれまで存在していませんでした。つまりクレジットカード会社がNFC Payの機能を開放しておらずそれによって事実上使えない状態にしていました。

なお、現時点で日本の利用者がNFC Payを利用可能な環境は非常に限られているのが現状だ。沼津や函館など一部地域の商店街のほか、IKEAのような全国チェーンの一部レジでNFC Payを使えるが……

そのようなわけですから、上記の記事にあるように本邦ではEMV Contactlessによる決済システムが積極的に取り入れられてきませんでした。この記事は1年半ほど前のものですが現在でも状況はそれほど変わっていません。

これで困るのはおそらく本邦を訪れる外国人観光客でしょう。海外の人でFeliCa搭載端末など持っていません。ほぼNFCに対応したものだけでしょう。

ここで余談なのですが、NFCというのは近距離無線通信の略でその言葉の定義から言うと実はFeliCaもそれ以外のNFC技術もどちらも「NFC」にカテゴライズされます。ですから厳密にいうと「FeliCa非対応のNFC搭載スマホ」という表現はおかしいのですが、現実問題としてNFC対応のiPhone以外の海外端末ではJRのSuicaを使えませんのでそれぞれを分けて考えます。

さて話を戻します。

ところが11月14日、突如として「Visaのタッチ決済」がGoogle Payで使えるようになりました。

これまで我が家の北米版Pixel 3aは交通系ICカードの残額確認リーダとしての役割しか果たせていませんでしたが、おサイフケータイ…… のように使うことができるようになりました(Suica機能は除く)。FeliCa搭載端末でしかできなかった非接触決済がついにNFC搭載端末でも可能になったのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?