見出し画像

[雑記]バイオショックインフィニット、またはゲームと含蓄の話

バイオショックインフィニットをクリアした。ゲーム本編のEDや革新に触れるようなネタバレはしません。おれは、ネタバレを憎む……。



ED直前の、一気に革新に迫るラスト15分くらいはかなりすごいどんでん返しで、かなりなるほどと思わされた、思わされはしたが展開自体には結構、急であるようにも感じた。EDの解説もそうだし、どこからどこまでが伏線だったかを知りたくて、おれはクリア後に色々と文献を漁った……。

そしたらだいぶ取り逃しているどころか、アメリカの差別問題、コロンビアの基底にある思想からして伏線というか、そういう「変な世界」を描いているという情報すらよく知らなかった。知らないままクリアしてしまった。なぜか?それはひとえにおれがバカだからだ。


画像1

一旦ざっくりと感想を書く。おれがバイオショックに求めていたのは探索の中で観る都市の美しさだった。特に素晴らしかったのは「1」で、人を殺す楽しさはバイオショックにはあんまりないと思っている(1・2に出てくる敵は基本的に「薬の副作用で脳が破壊された狂人」なので)。インフィニットにもそういう空中に建造された都市の美しさを期待したが、空とビルのコントラストの美しさで言えばなんか他のゲームとあまり代わり映えしなかったように感じた。

シューティング部分に関して言えば全作で一番腰抜けだったと言っていい、武器の切り替えの不自由さと、敵が敵対勢力の軍だったので今までのシリーズにあった「見通しの悪い角を曲がったら狂人がいてクソビビった」みたいな展開が殆どなかったこと。それと空中都市には必要ないだろうという感じで、主人公の装備にハンドライトがなかったこと……。世界設定的に懐中電灯がまだ発明されてなかった頃かもしれないが、その割には暗い廃墟を探索することがそれなりに多くてしんどかった。


画像2

でもそれも今冷静に考えると、屋敷の中でスポットライトが当たっていたのはどれもリンカーンの描いてある絵とか、何らかの思想が掲げられたポスターとか横断幕とかが多かった。一応、英文の描かれたオブジェクトにエイムを合わせると、画面の横の方に翻訳が表示される……大量に置かれたオブジェクトのほんの一部のみだが。全部が翻訳されているわけではないので、これらを読むのは早々に諦めた。1912年が舞台であることは知っていたが、その頃に何が起きたとかは全く知らなかったし、結局脳内でリンクのさせようもないので、「とにかくエリザベスをここから逃がしたい男」としてプレイしていた。実際、序盤に出てくる"アメリカ独立の父"3人の彫像さえ「なんか中ボスで3人出てくるのかな」と思っていた。先に貼った記事を、クリア後に読むまでは……。

おれは悲しい。自分に学がないままあらゆるエッセンスを取りこぼしてゲームを一本終わらせてしまったことを悲しんでいる。映画を観ていても、そういう国家の組織的な問題とかにテーマが移った瞬間にクッッッッッッッッッッッソつまらなくなる時が今まで何度もあった。「ソードフィッシュ」、「イコライザー」、「マチェーテ」……。観ていてわからん!なんだお前は!となるくらいならまだいい。ゲームは映画よりも双方向性の強いメディアで、プレイヤーのリアクションのために要素が配置されている。それらを無視してしまうのはお化け屋敷のギミックを全て無視して出口から出てくるのと同じじゃないか。おれは一体……。


いちおう学がなくて得したケース、なんにも知らなかったことが功を奏した時のことも書いておく。「デビルサマナー 葛葉ライドウ対超力兵団」だ。世界を同じくする続編の「対アバドン王」のHPにも書いてあるとおり、舞台設定が"大正二十年"であることが序盤、いやPVとかでも序文として出てくる。ただしこのゲームをプレイしたとき、おれは、大正は本来15年までしかないことを知らなかった。知らないままラスボスまで辿り着き、「この世界は本来ありえないんだが!」と言われたときの衝撃、規定現実に対する懐疑に強烈にクラクラしたが、ラスボスを倒した後で冷静に考えたらおれがバカなだけであった。てか授業でやってなくない?大正に何があったとかさあ……。「るろうに剣心」で読んだ明治初期までしかわかんないんだけど……。バイオショックインフィニットはアメリカの歴史なので伝わらんからカス!みたいな話になればよかったんだけど、日本の歴史でさえこうなのでなんかもうダメですね。わからん……何も……もう未来世界が舞台のゲームしかやらん…… (そんで過去実在した人物とかを伏線に使われて死ぬ)。


先に貼った記事も含めて、この世界観にオヨヨ?と思う所のある人はプレイしたほうがいいです、絶対おれよりも楽しめるので……。

沢城みゆきさんが好きな人もプレイしたほうがいいです……。この記事では藤原啓治さんのことを「啓治さん」って読んでて大変良いですね……。

サポートしていただけると、ありがたい気持ちでブックオフに行くことができます