見出し画像

私とアイドルちゃん

人は見た目が100パーセント。
常日頃から私が思っている事だ。
私は自身の見た目があまり良くない、とコンプレックスをずっと抱えている。
いわゆる、整形してまでも、見た目を変えたい、人だ。
こんな顔だったら良いのにな、とかもっと顔が良かったら違う人生だったのだろうか?なんて何百、何千、何万と考えたりもしてきた。
なにぶん、母がそこら辺のアイドルなんか霞んでしまうくらいの可愛さ。授業参観で、あれ、誰の母親?えっお前の母さん!?有り得なくね!?と騒がれるレベルだった。
祖母も祖母で、ロシア系ハーフっぽい顔立ちで、宮沢りえ(激ヤセする前の、少しふわっとしてた時の)に激似だったりと、家族がやたら美形だった事もある。
その家族に、あなたは可愛い可愛いと育てられてきて、自分は家族同様可愛いのだと思い込むようになっていた。
ところがどっこい、病気や事故をキッカケに大事にされすぎてぶくぶく太っていき、ほんとうは可愛くないのだと世間からも、自分を見つめる鏡からも突きつけられたとき、ほんとうに絶望したのを覚えている。


前置きはさておき、私は可愛いもの、素敵なものが大層好きだ。
心の底から、好き。
ただそれは、二次元、または2,5次元のフィギュアまで。
三次元に興味はまっっったく無かった。
(なので、いまでも二次元を題材にした舞台とかに興味がない)
ちなみに私はコスプレを楽しむ人でもあるが、コスプレイヤーと言うよりは、ただ、楽しく自分の着たい服を着る。
というスタンスだった。
なぜなら、自分が美しくないと思っていたからだ。
化粧も合わず、太っていて自分の理想とはかけ離れていた。そして、他の人と見比べてしまう。
痩せろ、豚。そして、お金を貯めて、整形だぞ。常に思っていた。

ところでそんな中、私は急にアイドルちゃんと出会うことになる。
そして、私は秘かに、アイドルちゃんを日々観察している。

アイドルちゃんとは、ほんとうのアイドルではなく、私の職場にいる人のことだ。
とても言い方が妙か、はたまた不謹慎かと思うが、アイドルちゃんは恐ろしいほどに顔が可愛い。
デビューしてるジャニーズなんか目じゃないレベル。
そして、折れそうに細いのに、筋肉がちゃんとついてそう。(そこはわからん)
ちなみにアイドルちゃんは男性だ。
また、歳も割と、とっている。
しかし、実は大学生でしたなどと言われてもおかしくない。(そんなことは無いのだが)
うーむ、興味深い。

仕事でとあるイベントがあり、アイドルちゃんを手伝ったことがある。
その時彼を見た一般の人が振り返って、「今の人見た!?可愛い、女のコ!?」とクソデカ声で話していた。
アイドルちゃん、恐るべし。

そんなアイドルちゃんなのだが、とても積極的に前のめりになって物事に取り組んでいた。
イベントで自ら絵を手がけ、めちゃくちゃ可愛いイラストをポスターやチラシに起用したり。
構成を考えて手配したり。
偉いな~彼は、精力的だ。

彼を見ていると、ものすごく有能だと感じる。
優秀なうえに、顔も良い。
なんともかんともすごいのだけど、このアイドルちゃん、どこか人とズレている。
私が自転車で職場にきて、帰る時、雨降ってきたよ~と嘆いていたら、
「薄墨さん、大丈夫です!〇〇(アイドルちゃんの名前)さんなんか、外に洗濯物干してきましたよ」
との事。
何が大丈夫なのか、そして、自分の名前がなぜ、さん付けなのか。なお、今日から梅雨入りでーすとテレビでやっていたし、もう出かけにはどんよりとした、ひと雨来そうな空であった。
これで、良く洗濯物干そうと思ったな!?
聞けば、昨日までめっちゃ晴れてたから行けるかなと思って。
私の頭はハテナで埋まった。疑問は限りない。

また、島根までひとりで車をノンストップで走らせて御朱印貰ってきました~とか。
水族館で4時間クラゲを見てました~とか。
アグレッシブだけど、どこかぼ~っとしている。
彼は、彼を構成する一部として、一人の時間がたくさん必要なんだろうな、と思う私。言うなれば、不思議ちゃんだ。

その中で、彼は優秀ではあるけれど。
うちの職場は空気を読んで回すのが大変に重要だ。
儀礼祭りである。
休日を挟んで、なが~い休みにするのをしょっちゅうやる彼。今まで職場生活長いが、みんなが休むのはお盆位なもので、休日前後に休日をぶっ込む人はまず見てこなかった。
つまり、彼の行動は良い意味で儀礼をぶっ壊しているように感じた。

とはいえ、ほんとうにそれは、顔が良い方と言う要素で成り立っているのかもしれない…?
顔が良い人と、ブサイクな人だったら、ちょっと変わったことをしていても可愛い人は天然だな~で済ませられるけど、そうじゃない人はアイツなに!?となりがち。
その面では、アイドルちゃんめっちゃ得してるんじゃないのかなと思うのだ。
就職の面接で、同じ点数でどちらか選ばなきゃ行けなくなったら、私は迷わず顔の良い人を採用するだろう。
ぶち抜きで良い成績を上げて私は今のところに入ったけれど、実際の所は綺麗な人が勝つ社会。
人間なんて、そんなもんだ。
そんなひがひがしいひがみ祭りの考えをしながら、私が彼だったらどうだったろう?なんて考えもしてみた。
うん、ダメだ、さっぱりわからん(笑)

仕事以外接点はもちろん無いのだが、彼に私がボランティアで参加しているビールフェスタの事を話したら、その日はBBQがあるので行けないです、と言われたけれど、朝の集合時間に何故か彼が物陰にいて、集合した人たちとわちゃわちゃ喋っていたらスススと近寄ってきて、買い出しの場所から近かったので寄りました~(ニコニコ)頑張ってください~!などと話したりしてきた。集合時間とか、教えてないぞ!?
これ、大半の女子は誤解してしまうかもしれない。たいへんだ。
恐るべし、アイドルちゃん…!

そんな私はアイドルちゃんを勝手に目の保養にしつつ、つらい仕事を乗り切ろうとしている。
ごめんねアイドルちゃん。
数少ない三次元の推しは尊いな…(-人-)ナムナム

ところでアイドルちゃん、薄墨さん見た目めちゃくちゃ若いですよね!19歳くらいにしか見えません!と何度も言うのやめてほんと恥ずかしいから!!!
君の方がよっぽどだよ!!!!!

夜中にアイドルちゃんみたいにかわいくなりたいナ~と足掻く、女のひとりごとでした。
整形したい!!

この記事が参加している募集

オープン社内報

習慣にしていること

ねことコーヒーと牛乳がすきです。