子供に親の言うことを聞かせようとしない

「子供が言うことを聞かないの」

という話を、よくママから聞きます。(私はアドラー心理学を子育てに応用しているパパです。3歳になる息子がいます)

ママはアドレリアンではないので、こういう気持ちになって毎日イライラしているようです。私は、アドレリアンなので、息子に言うことを聞かせようとはしません。しませんが、結果的には、よく親の話を聞いてくれる聞き分けの良い子供であると思います。

ママは専業主婦なので、息子と接している時間が長いというのもありますが、それにしても息子の態度に差があるなと私は思います。ママはママでよく息子と接しているのですが、アドレリアンではないので、苦労が多いように見えます。先日、風邪をひいて、家で寝ていたら、息子を叱りつける声が、永遠と聞こえてきました。「ママ、大変だね」と思いつつも、「そりゃ、息子も納得しないわな。仕事増やしてるわな」と思って、寝てました。ママ、いつも、子供の面倒をみてくれて、ありがとう。

アドラー心理学によると、人を支配しようとしてはいけないんだそうです。なので、親が子供を支配しようとしては駄目です。親が子供に親の言うことに従わせようとするのは、支配であり、間違った行動ということになります。

もちろん、3歳児は判断力が薄弱なので、その行動を矯正してやる必要があります。なので、息子の行動を変えようとはします。でも、従わせようとはしないように私はいています。

例えば、今日、息子がソファーの上で飛び跳ねていたそうです。

ママ:「むすこー、怪我するから、ソファーの上で飛ばない」

息子:「だいじょぶだよ。怪我しないもん。気をつけているから大丈夫だよ」

ママ:「怪我するよ。とぶなって言ってんだろー(怒)」

となるのだそうです。

私が子供でも従いません。息子は息子なりに考えて、怪我をしないようにソファーの上で工夫して遊んでいるのであり、自分が怪我をする、という理由でソファーからおりる理由が息子には無いからです。ママの判断と息子の判断は異なっている訳ですが、息子は息子が正しいと思うので、ソファーでは遊び続けます。息子は、ソファーの上で遊びたく、遊びたいが故に、工夫して、怪我をしないように、気をつけて遊んでいるのに、その工夫を真っ向から否定されれば、それは怒ります。話も聞かずに、真っ向から否定ですからね。

パパは、こういいます。

パパ:「息子君、ちょっときて、話を聞いてくれるかな。ソファーの上で飛ばないでください。むすこ君が、ソファーの上で飛ぶと、ソファーが壊れてしまいます。ソファーが壊れたら、お金がかかります。お金がなくなっちゃいます。お金がなくなると、おもちゃも買えないし、プールにも遊びにいけなくなっちゃいます。パパも息子君とプールに遊びに行きたいので、ソファーの上で飛ばないでください。お金がなくなると、パパもママも困ります」

息子:「ソファー壊れないよ。大丈夫だよ」

パパ:「一度飛んでもソファーは壊れないかもしれないけど、次に飛んだら壊れてしまうかもしれないよ。たくさん飛ぶと壊れてしまうよ。やめてください」

と言います。あくまで、ソファーが本当に壊れそうなケースです。まだ、論点があるかもしれないですが、それは、たくさん飛んだらソファーが壊れるかどうか、という論点になります。

駄目なら、他にも、本当に、パパが困ることを理由にして、息子に説明します。基本ロジックは、「そういう事態が起きると、パパが困るから、パパは息子にそれをやめてほしい。パパが困るので、あなたは、それをやめてください」です。

ポイントは二つあると思っていて、

1:パパが困る

2:パパは息子に、「やめてほしい」と、依頼する

の二つです。

1は、パパが困るのはパパの問題であり、息子には口出しできない。2で、依頼を受けるのかは、子供の良心です。

たまに、以下のようなことになります。

息子:「パパが困っても良いよ」

そんな時は、すかさず、こんな返しになります。

パパ:「パパは、そういう子は嫌いだから、今度遊びに行かない。パパはこれから一人で公園に遊びに行くね」

まあ、誰もが人を困らせるのは嬉しいことではないので、代わりに人を喜ばせることができれば、やめると思います。親が子供に無関心で、関心を得るためには、無視されるよりましな「困らせる」を合理的に選択することはありますが、ちゃんと会話している限りは大丈夫だと思います。

さて、ママロジックは、

1:息子が困る

2:ママは息子に「息子はやめろ」と、命令する

以前、2の命令するのは意味が無いと書きましたが、今度は、1の「息子が困る」がさらに問題だという話です。

アドラー心理学では、自分の課題と相手の課題を切り分けることが重要と言っています。

「パパが困る」は、パパの課題なので、パパがどうこう言えます。しかし、「息子が困る」は、息子の課題なので、親が口を出しては行けません。ママは、息子の課題に口を出すので、息子が反抗するわけです。

息子にしてみれば、息子が困るような事態への対処は自分で考えてやっているから放っておいてくれ、となる訳で、息子は十分合理的に行動しています。この息子の合理的な判断を、親の強権的な圧力でやめさせるのは圧政です。暴力による圧制であり、ウクライナを脅しているロシアのプーチンと変わりません。そりゃ、プーチンは、ウクライナ人に嫌われて、恐れられますよね。ウクライナがプーチン大統領の言うことなんか、聞かないですよ。

ということで、子供も口答えをしてくるので、時間はかかりますが、緊急性の無い場合(道路の飛び出しなどは物理的に止めます)、ちゃんと時間をかけて子供と話し合うのが私は良いんじゃないかと思っております。

結構、この課題の切り分けという難しいですが、ちゃんとやると少なくとも3歳児の育児には効果的ではないかと私は思っています。

あと、アドラー心理学ですが、ネットで変な記事を読むより、ちゃんと本は読んだ方良いと私は思います。岸見一郎さんが断然おすすめです。良かったら、下から買って、読んでみてください。

ま、『アドラー心理学』の方は、家にあって、机の上においていますが、ママは絶対に読みませんけどね。でも、それはママの問題であって、私の問題ではないので、「読め」とは最近、言っていません。





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