親は子どもに自転車の乗り方を教えない方がよいのではないか

先日、長男(4歳)が自転車に乗れるようになりました。

自転車に乗れるようになるというのは、「自転車の補助輪が取れた」と言う意味です。我が家は、子どもに自転車を買っていません。近くに、自転車を貸し出してくれる公園があり、そこに、二人乗りの自転車にのって出かけていきます。自転車をのる練習をして、帰ってきます。

長男とパパは、交通公園でひたすら自転車をのる日々を過ごしました。長男はパパ・ママが漕ぐ自転車に乗って移動が多いので、自転車には興味があるようで、「乗りたい」といつのまにか言うようになりました。

補助輪付きの自転車はすぐ乗れるようになりました。3歳半ごろから、補助輪を外したいようだったのですが、あいにく、足が届く12インチの自転車の貸し出しは少なく、あっても補助輪を外せないので、

長男:「補助輪を外したいんだけど・・・」
パパ:「足が届くようになったらね。お野菜を食べると、早く大きくなるよ」

やがて、長男の身長が100cmほどになると、足がギリギリ届きそうなので、14インチの自転車に乗せます。足がギリギリつくぐらいなので、自転車にのる能力の成長は微々たるものでした。

最初、パパが自転車の荷台を押していると、交通公園のおじさん(子どもが自転車にのれるように、親や子どもを指導している)が言いました。

おじさん:「荷台は持たない方がいいですよ」
パパ  :「そうなんですか?」
おじさん:「持つなら、服を持った方が良いです」

服の持つと息子のTシャツが伸びるので、微妙です。なので、次から伸びても良いシャツをママにリクエストすることにしました。

最近は「ストライダーをやっているとすぐに自転車に乗れる」と聞きますが、我が家は長男にストライダーも与えていません(その理由は、長男の動きが早すぎて、親が面倒を見切れないという理由だけで、他の意図はありません)。この交通公園は親切で、自転車のペダルを取ってくれます。ペダルをとると、自転車はストライダー状態になります。これで、慣れると、すぐにのれるようになるので、おじさんのおすすめは、ペダルを外し、ストライダーとして練習をすることです。

しかし、長男はペダルを外しません。ペダルを漕ぎたいようです。

パパは、服をつかむ事にしました。しかし、服をつかんんで長男の自転車と並走するのは、若くないパパには疲れます(良い運動なのですが)。なので、自然と長男に厳しくなってしまいました。

パパ:「ほら、ペダル漕いで、漕いで、漕いで」
   「ペダル漕がないと進まないよ」
   「ほら、早く漕がないと。漕がないなら、帰るよ」
長男:「だって、早すぎて怖いもん」
パパ:「早く漕がないと、自転車は倒れるの!」

パパは、交通公園のおばさんにたしなめられました。

おばさん:「お父さん、ひたすら歩く事ですよ。歩かないとだめ。
      乗れるようになるには、歩かないとだめなんです
      ひたすら歩かせて」

長男は、他の自転車に乗れている子どもを観察します。すると、ストライダーのように自転車を蹴って、スピードがでたところで、ペダルに足をかけて、漕ぎ出して、進みます。

長男:「ペダル、とる」

と言って、長男は、自らペダルを外しました。

アドバイスを受け、パパが反省して、長男はストライダー状態で、ひたすら歩かせる事にしました。ペダルがついた自転車でも歩いてもらうことにしました(自転車の椅子だけは、足が届くように一番低くしてやりました)。

すると徐々にハンドルさばきがスムーズになり、ちょっとした坂道で、自転車をこげるようになりました。1、2週間経つと、長男は、突然、自転車にのれるようになりました。

スピードが遅いので、自転車は不安定なのですが、長男は器用なハンドルさばきで、自転車を倒れないように進めます。スピードは私が予測したよりもずっと遅いのですが、息子は器用に自転車に乗るのです。

パパは、「ああ、自分が間違っていたのだな。別に自転車をこげるようになるのに、スピードは必要なかったのだ。なんとも愚かなパパだったのだろう」と反省しました。

しかし、幸いながら、長男が「やりたい」と言ったことに機会を与え、長男が「やりたい」といったことを貫徹させることができました。自転車を一人でのれるようになって、長男は誇らしげですし、とても嬉しそうな笑顔を浮かべます。パパにもママにもじいじにも自慢をします。このような努力の達成感からくる笑顔は、一番すてきだなとパパは思いました(パパも嬉しいです)。

「何歳何ヶ月で自転車に乗れるか」という早い遅いは、その後の人生にほとんど影響を与えないと私は思います。それよりも、「『自転車に乗りたいから、自転車の練習をする』『自らの観察と練習によって課題を克服し、自分の力で、できななかったことができるようになる』という経験を積ませて上げるという事の方が重要であるな」という思いを強くしている今日この頃であります。

「長男に自転車の乗り方を指南せずに良かったな」「息子に自転車の乗り方を命令しなくてよかったな」とつくづく思った週末でした。


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