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日本の食を支えてるコメ、至宝の愛

近くのスーパーへ買い物にゆくと、各地の新米が出始めていました。

いわゆる「ブランド米」(銘柄米)の多さにびっくり。日本の国のコメ文化の豊かさをかいま見た気がしました。銘柄米は年々増えていて、その数なんと824 (令和元年産、農林水産省「農産物規格規定」)。

品種改良にかける農家の人々の情熱はすごいですね。コメだけではありませんが。ネーミングにもさまざまな趣向をこらしています。近年(平成29~30年)デビューしたブランド米をみると、

「金色の風」「銀河のしずく」(岩手県)
「だて正夢」(宮城県)
「里山のつぶ」(福島県)
「雪若丸」(山形県)
「新之助」(新潟県)
「富富富」(富山県)
「ひゃくまん穀」(石川県)
「いちほまれ」(福井県)
「恋の予感」(広島県)
「くまさんの輝き」(熊本県)

ご当地色を打ち出したもの(宮城県、石川県)はわかるとして、ロマンチック派(岩手県、福井県)や語呂あわせ?(富山県「ふふふ」)、時代劇風?(山形県、新潟県)とか、「恋の予感」(広島県)「くまさんの輝き」(熊本県)にいたっては小説・童話のタイトルを連想してしまいます。

初めてコシヒカリを食べたときの驚き

いま、わが家で食べているのはそのとき特売していた「雪若丸」です。命名の由来にもなった際立つ白さとつや、「しっかりした粒感と適度な粘りの絶妙なバランス」というふれこみも頷けます。美味しいです。

初めてコシヒカリのごはんを食べたときの驚きは、いまも鮮明に覚えています。30余年前、冬の佐渡島を訪れたおり、真冬ということもあって泊まった旅館の客は私ひとり。

そのせいでもないでしょうが、夕飯の料理は山海の幸が並べられ、私は心ゆくまで堪能しました。けれども、一番びっくりしたのはごはんが美味しかったこと。私は愕然としました。

「自分がいままで食べていたごはんは一体何だったんだ?」

私がそれまで食べていたのはごく普通の流通米でしたが、別に不満もありませんでした。なぜなら、生まれてからずっとその味しか知らなかったから。後日、佐渡産のコメが魚沼産に次ぐ人気のコシヒカリと知りました。

いまみたいに食べたい「ブランド米」を自由に食べれるようになったのは、最近のこと。「食糧管理法」が廃止される(1995年)まで、全国同じ価格である代わりに、産地や銘柄は選べず、近隣のお米を混ぜた「ブレンド米」を食べていたのです。

食欲の秋。サンマ、きのこ、いも、かぼちゃ──何を食べても美味しく感じる幸せなこの季節、ごはんのありがたみを思わざるを得ません。

おかずの持ち味をそこなうことがないから、あっさりした和食だけでなく、こってりした洋食や中華にもよく合います。

「日本人の食卓の豊かさをつくり、長寿につなげた主役」です。

自給率100 %のお米のありがたさ

ごはんよりもおかずを食べなさい、と教えられたのは遠い昔の話。日本人もお米が好き。年代が若くなるほど好きな人が多い、とアンケート調査でも

そんな若い世代の気持ちをストレートに歌ったのがロックバンド・打首獄門同好会の「日本の米は世界一」(大澤敦史・作詞作曲)。

日本の米 君の元へ Keep on the rice
この国 日本の食を支えてる
誇れよ我らの 米を 米を 米を
日本の米は世界一♪

まあ一度聴いたらやみつきになるでしょう。意外なのが、人気アイドルグループ乃木坂46の「白米様」(作詞・秋元康、作曲・Ruby)。アルバム「裸足のSummer」に収録されており、白米愛をたっぷり歌っています。

炭水化物ダイエットは
もったいなさすぎる
ご飯食べないで
何が楽しいの?♪

昭和生まれの人間としては忘れがたいのが「にんげんっていいな」です。

テレビアニメ「まんが日本昔ばなし」(1975~1994)のエンディングで歌われていました。作詞・山口あかり、作曲・小林亜星。

くまの子みていたかくれんぼ
おしりを出した子一等賞
夕焼けこやけでまたあしたまたあした
いいないいなにんげんっていいな
おいしいおやつにほかほかごはん
子どもの帰りを待ってるだろな
ぼくも帰ろお家へ帰ろ
でんでんでんぐりがえってバイバイバイ♪

2番の歌詞には、ぽちゃぽちゃおふろ、あったかいふとんが出てきます。ほかほかごはんと合わせて、子供だけではなく働くお父さんにとっても最高のモチベーションでしょう。お箸の国に生まれてよかった!

               (宮村将広さんの無伴奏ソロオカリナ)

小学校へ上がる前の娘と一緒に録画したビデオを毎日のように鑑賞した日々が懐かしい。いずれも故人となられた市原悦子、常田富士男さんのナレーションが素晴らしかったですね。

ロシアによるウクライナ侵攻で世界の食糧危機がささやかれるなか、自給率100 %のお米のありがたさが身に沁みます。

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