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月刊プレイリストボーイ2024年4月号

【今月のプレイリスト】

1.America Is waiting/
ブライアン・イーノ&デイヴィッド・バーン

自国の腐敗も窮状も何ひとつ解決しないまま国賓渡米した総裁は付け焼き刃の「アメリカンジョーク」とやらで笑いをとったと浮かれる。副総裁はヤンキー大統領候補と、さながら「賭けトランプ」に興じるが如く。若者の反発をよそに、また263億ドルもの金でジェノサイドを支援するメジャーリーグとコカコーラと自由と戦争の国家。アメリカは何を待ってるのか?

2.Flower/コーザ・ノストラ
桜に限らず、花が目に嬉しい季節。今月は花の写真をたくさん撮った。こういうアーシーな曲を蓮っ葉に歌う鈴木桃子も良い。主張強めにまとわりつくが、すんでのところで歌を邪魔しないスライドギターが肝。

3.さくら さくら/レピッシュ
3月に上野で花見をしている歌なのだけど、今年の桜シーズンにシックリ来たので。「回教の国柄じゃ お酒だめかな」という歌詞にはイスラム圏の人の顔が浮かぶが、今年のお花見スポットはますます観光に旺盛な多国籍勢で溢れていた。

4.エリザベス・リードの追憶/
オールマン・ブラザーズ・バンド

オールマンズがサザン・ロックの枠に納まらないのは、モダンでありエキゾチックでもあるディッキー・ベッツのメロディセンスに起因していたのだと、あらためて感慨。昔、ディッキーがある女性と不倫していた頃、人目を忍ぶため、何と墓場で逢瀬をしていたという。「エリザベス・リード」はそこにあった墓碑銘。会えるといいね。R.I.P.

5. Todavía Viva/クルアンビン
クルアンビンの新譜から。前のオールマンズからの連なりがシックリ来た。ちょっと湿った春風に合う。

6.Tow Pair Of Hands/マーク・ノップラー
マーク・ノップラーの新譜から。“地味渋”だけど何気に凝ったアプローチが多くて深いアルバムだった。この曲もリズムが面白い。

7.Ave Satani/マーク・コーヴェン
映画「オーメン・ザ・ファースト」のサントラから。「Ave Maria」ならぬ「Ave Satani」は「悪魔を崇めよ」という、文字通り反キリストソング。復権に執着するキリスト教会の目論見で、悪魔の子=ダミアンは世に放たれたという「オーメン」の前提を、鵜呑みにするのは幼稚な早計だが、信仰というのは恐怖政治の温床になる危うさを孕んでいることは確か。

8. タブーfeat.KARIN(TEMPURA KIDZ)/
カリスマドットコム

カリスマドットコムの新しいEPから。リリックもバックトラックも、デビュー当時のニュアンスに近いなと思った。過去の不祥事をいちいちタブーとして論う、昨今のポリコレ的ムードにウンザリだわ!と言ってるのかな。

9.Spring Day/BTS
与党が惨敗した韓国総選挙。残りの政権運営が針の筵状態となった尹錫悦政権だが、今は自国のグダグダ政権の方がよっぽど針の筵だよなと思わざるを得ない。この曲は冬に「Spring Day」を待つ歌。

10.明日はきっとハレルヤ(Live)
/大沢誉志幸

ブラックミュージックがこの人のバックボーンにあるのはまちがいないが、意外とシンプルなソウルバラードは珍しいように思う。こういう歌唱を聴くとオーティスに影響を受けているのが良くわかる。ゴスペル色も強いが、「神様は気まぐれだけど、たまには救ってくれることもある」くらいの捉え方が、身の丈にあってて良い。

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