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『魔機人形と棄てられた世界』制作録②

一つのnoteでまとめると長くなりそうなので続きです。
せっかくなので今回は……ネタバレも交えて書きましょう。
そんなわけでネタバレ注意です。
クリアしてから読むことをオススメします(というかプレイしてないと意味の分からないだろう文章です)。

・世界滅亡のススメ

さて、一体いつごろからでしょうか。
世界を滅ぼすことを考え始めたのは……。

前回も書いたように、各ダンジョンに「人形」が眠っていて、それを再起動することで仲間に加える、という着想は早い段階からあった気がします。
では、「人形」はなぜ忘れられたように眠っているのか?
少なくとも元の持ち主は死んでるはずです。
設定上はめちゃくちゃ強い兵器のはずなのに放置されてる。
となると国家規模で滅んでますねこれは。
古代文明かなにかかな?
あー、世界を冒険する体験をつくりたいよね。
滅んでる世界っていいよね……。
滅びました。

さて、世界滅亡というのは便利なものです。
たとえば主人公を「記憶喪失」にしておくと、主人公とプレイヤーの立場は「ゲーム開始時点ではなにも知らない」という点で一致し、「ここはどこ」「わたしはだれ」という点で興味も一致するため、感情移入させるのに便利です。

同様に、世界を滅亡させておくと「どうして世界は滅亡したのだろう」「滅亡する前はどうだったのだろう」とプレイヤーの興味を自然に誘導できます。
これは前回触れたストーリーを「報酬」とする手法とも相性の良いものです。
また、「NPCを減らせる」という省力化のメリットもあります。

うーん、そうなると世界を滅ぼさない理由がありませんね

・ストーリーをでっち上げよう①

さて、行き当たりばったりで制作を始めたことは前回書きました。
そして、ストーリーが「報酬」として機能するという話もしました。
で、あればストーリーを考えねばなりません。

とはいえ、ストーリーのついて考えたのはだいぶ後です。
もちろん、ストーリーから発想してゲームをつくることもあるのですが、今回はだいぶ後です。
まずはメインコンテンツになるダンジョンからコツコツ作り始めました。

・彷徨い森
まー、最初の方のダンジョンといえば森とか洞窟ですよね。
なんかカッコイイそれっぽい名前つけたいな……「迷いの森」とか……いや「彷徨い森」だな……それっぽい……。
でも人形が眠ってるならなんらかの研究所だよな……オープニングはその人形を目覚めさせるところからはじめよう……で、森の中に研究所があって……そうなると研究所を出て森を出る必要があるから……いやめんどくさいな……最初のダンジョンはちゃっちゃと終わらせよう……。
じゃあ森ってなんだよ……いや待て、「彷徨い森」って「森自体が彷徨ってる」方が面白くないか……?
それだ。研究所はその森を研究する……閉じ込めて研究してることにしよう「彷徨い森を捕獲した」なんてテキストがあればプレイヤーは首を傾げるはず……。

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と、そんな言葉遊びで最初のダンジョンであるところの「彷徨い森」は爆誕しました。

あとはこう、『魔王物語物語』でいうところの「魔王城」※みたいな、「最初のダンジョンが思ったより深かった!」という体験が好きなので、「彷徨い森」も最初に抜け出すだけならすぐですが、改めて訪れるとやばい場所であることがわかります。
(※最初のダンジョンが「魔王城」というのがいいですよね。プレイヤーはまず驚きます)


・夢追い鉱山

とりあえずなんかそれっぽいカッコイイ名前がつけたかったんです!
しかしこう名前を付けたからには、なにか考えましょう。
誰かが夢を追っていたんです。この夢を追っていた誰かの記録を文書として得られるようにしましょう。
で、夢を手にしてどうしたんでしょ。うーん……。

ダンジョンとしてのコンセプトは名前の通り鉱山で、「鉄鉱」や「硝石」などの素材アイテムを採掘する、何度か周回するであろう場所として用意しています。


・鉱山偽装研究所

鉱山を接収して、その奥地に研究所が建てられた、という形でダンジョンを用意しました。
とにかく二体目の人形を早い段階で出すためです。
「鉱山を奪われた探鉱夫」というストーリーもついでにでっち上げられます。
あとはこう、「世界が滅んでるのに建造物が残っている」というのを考えるとひっそりしている必要があると思ったのです。


・岬の屋敷
次は三体目の人形だ!
なんとなーく、次の人形はメイドモチーフにしようかなあと思ったので、じゃあ屋敷だ! なんかそれっぽい名前! 岬にあるから「岬の屋敷」! となりました。

で、屋敷に住んでいるからには金持ちです。
先の「鉱山偽装研究所」からここへ繋がるので、なにか関係性も必要です。
では研究所に出資していたことにしましょう。
お金持ちとはいうけど、なにで財を成したのか?
あ、さっき夢を追ってた鉱夫がいた! 接収された関係で因縁もある!
と、いい感じにストーリーもでっち上げられてきました。

ダンジョンの構造は……以前、別のゲームで屋敷を舞台にしたことあるな……そのまま流用するか。

・霊峰
ダンジョンのバリエーションを出すために山は必要かなーくらいのノリで生えたダンジョン。
あ、鉱山では当然「鉄鉱」とか数がたくさん必要な素材アイテムも採ることになるし、そうなると鉱山はそこそこ深いダンジョンになるはず。
「最初のダンジョンが思ったより深かった!」みたいなの……好きだから……。
その出口に山があるってことでいいやろ!

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ちなみに山というと別のゲームでも似たような……。

・城下街
廃墟感出すなら人気のない滅んだ街もないとね……。
これまで何度かRPGをつくりつつ「街」というものをつくったことがほとんどなかった※けど……よもやダンジョンとして街をつくろうとは……。
(※滅んでいたり人のいない異界が舞台だったりするため)

まずは名前から考えますが、シンプルに「城下街」でいいかな……となると城もダンジョンとしてつくることになるか……あ。
「城下(物理)」って面白いな……。
なんでか暗い街だけど、城の影になってるってことにしよう。

と、またしてもそんな言葉遊びでコンセプトが定まりました。
そもそも、世界が滅んでるのに街が残ってるのが不自然なんです。
「天空城」という不思議なお城に不思議な力で守ってもらっていた、ということにしましょう!

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ダンジョンとしての構造は、橋をかけたりして立体的でやたらと複雑なものを目指しました。
アクションRPGなので基本的にダンジョンは平面的なものだけになるかなーと思ってましたが、やっぱ立体交差とかないとダメだよ! と急遽それっぽいプラグインを導入し、アクションRPG部分と整合させるためいろいろ頑張りました。
ちなみに現在でも完璧には整合してません。

・天空城
城下街って、城の下にあるから城下街っていうんだね!

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さて、ラピュタは本当にありました。
わかりやすくファンタジーでいいですね。
あ、舞台となる世界はなんかファンタジーな世界です。
そのへんをわかりやすく示す装置としても「天空城」というのは理に適っています。

さて、そろそろ最後の、四体目の人形が欲しいかなー、と。
最後なのでちょっとむずかしめに、遠くに置こうかと、あれこれ工夫しました。

まず、ラピュタなのでロボが襲ってきます。
そうですね、中ボスみたいなそこそこ強い敵も用意すべきでしょう。
最初に実装した中ボスはこのロボだった気がします。
で、このボスに出会うことで「なんだかこの場所はやばそうだ」とプレイヤーをやや尻込みさせる狙いです。

ただ、ここに辿り着くまで結構いろいろあるので、各所に「この城になにかあるらしい」というヒントは多数ばら撒かれている算段です。
多少危険でも、プレイヤーはここが気になって仕方ないはず……! そう期待します。

さて、かつてはお城なのでセキュリティもそれなりにしっかりしているはずです。
ちょっと複雑な仕掛けがあっても許されるでしょう。
ただ、これはプレイヤーを悩ませる謎解きというものではなく、単なる時間稼ぎなので、ヒントさえあれば問題なく解けるようなものにします。

で、ラピュタなので地下に不思議な空間があります。
プレイヤーを適度に驚かせる意外なルックも演出したいところですからね。
その奥に……満を持して四体目の人形です!

・霧の谷
自分ではプレイしたわけではありませんが、当時友人のプレイする『SEKIRO』を眺めていました。
そこでなんか霧の深い谷がありました。

よっしゃ、わいも霧の谷出すか。
『SEKIRO』といえば忍者なので、敵キャラにも忍者を出すことにしました。

あとは……そうですね。最奥に設置する「報酬」を考えねばなりません。
「携帯調理器」とかいいんじゃないでしょうか。
しかしなぜそんなものが……?
「霧の谷」には魔女が住んでいたんですよ!
そういうことにしましょう。

ダンジョンの特徴としては霧ががっていて視界が悪く、水辺なので移動速度も低下します。
魚が敵として登場するため、「鱗」という素材アイテムの主な入手先もここになるでしょう。

・氷晶の洞窟
RPGといえばド定番の……氷の洞窟! ツルツル滑る床!
そしてツルツル滑る床といえばパズルみたいになってるのがふつうです。
障害物にぶつかるまでまっすぐ進むしかないので、なんかその関係でパズルです。
なんでや! 方向転換くらいできるやろ!

というわけで、そういったパズル風味な滑る床に対するアンチテーゼとして、滑って楽しいだけのツルツル滑る床のダンジョンをつくりました。
人形が一緒に滑っても楽しいし、敵も滑るとより楽しいのでは?
コンセプトは「みんなで滑って楽しいスケートリンク」です。

・悠幻図書館
なんかこう……名前だけでワクワクするような、かっこいいダンジョンをつくりてえよ……なにかないかな……。
無限図書館……いや、あえて有限図書館……ダサい……漢字を変えて……「悠幻図書館」! これだ!
(ちなみに過去作に「無限図書館」と呼ばれる謎のなにかは登場しますが、多分近しいかあるいは同一のものです)

で、せっかくなので「城下街」のやたら複雑でごちゃごちゃ路の先にでも用意することにしました。
プレイヤーの驚く顔が見たい一心で……他のことはあんまり……。

さて、図書館というからには当然たくさんの文書があるはずです。
それだけではありません。「本の中に入る」くらいのアトラクションはあるはずです。
本の中に入るなら……本の内容が必要……いい加減、この滅んだ世界になにかあったのか考えないとな……きっといくつか国があったに違いない……。
いっそ、「六国連合」とかにして、国を六つくらいつくろう。
そしてそんな連合があるからには強大な外敵がいたに違いない。
あー、「日差し域」だな。あいつらだ。

え、「日差し域」ってなに? 初耳なんですけど?
実はいうと、だいぶぼんやりとですか世界全体の構想はありまして。
「日差し域」というすごくデカくて海を越えて侵略してくることもある国、というアイデアがあったのです。
そんなこんなでイメージを膨らませ、文書の内容などもでっち上げていきました。

・永続海底研究都市
いい加減ラストダンジョンつくるか……とこのあたりから着手し始めました。

「永続海底研究都市……?」私の過去作を知る方は思うはずです。「ばかな、しんだはずでは……!?」
と、過去作を知っているとむしろ混乱する要素となりました。
なんでそんなことするの?

一つは過去の小説で出した海底都市というモチーフをRPGとして実装してみたかったこと。
あとは設定上、ラストダンジョンとしてそれっぽいからです。
で、せっかくなんで名前も同じものにしました。
名前が同じだけの別物なんです。

で、ラストダンジョンだけあって深いぞー。
それを表現するため、このダンジョンだけ「第〇層」という表記が出てきます。

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わかりますか? これはこのダンジョンがとてもふかいということなんです。
まあ、プレイヤーにはここが実質ラスダンだと伝わらなかったりしましたが。

とても深いダンジョンなので、なんと途中でBGMが変わるほどです。
あとは実質ラスダンなので、ある程度進むとなにか適当な理由をつけて「引き返してこい」といわれます。

無視もできます。
無視してそのままクリアしてしまうプレイヤーもいます。

・群生平原

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当時、『DAYS GONE』というゾンビゲーをプレイしていました。
このゲームでなんといっても楽しいのが「群れ」との戦いです。
数百にも及びゾンビの群れを爆弾とかマシンガンで蹴散らすんです。

このゲームも敵がいっぱいいると楽しいはず!
そうして「群生平原」というアイデアが降ってきました。

・船骸
さて、ここまでいろいろダンジョンをつくっているとストーリーについても固まってくるというものです。
「ファンタジー世界をなんかSFっぽい主人公が冒険している」
この状況を説明するための装置が必要になってきました。

宇宙船でも墜落させておこう。
この発想自体は割と早い段階からあった気がします。
で、そのダンジョンはかなり終盤に訪れるダンジョンになるはずです。
いや~、ここまで作ればこのゲームもいよいよ完成かな……。

・迷宮遺跡
とでも思っていたのか?

なんか、こう、ね……迷宮モチーフのダンジョンがね、欲しい気持ちが芽生えたんですよ……。
あとこう、最強武器のレシピをさ、当初は「船骸」に置こうかと思ってたけど、なんでそこにあるの? ってのが不自然じゃん……?
あとはほら、「氷晶の洞窟」ってなんか寂しくない……?
あの奥にさ、さらにダンジョン生やそうよ……?

そんな悪魔のささやきがこのダンジョンを生みました。
いわゆる隠しダンジョンです。ここまでできればいよいよ終わりか……。

・竜域
とでも思っていたのか?

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フィールドマップを御覧なさい。
このシステムなら……あの仕掛けが必要でしょうよ! ノーヒントでプレイヤーをあっと驚かせる……あの仕掛けが!!

いわゆる隠しダンジョンです。
β版では完全にノーヒントでしたが、正式版ではいくらかヒントが追加されています。
しかし、隠しダンジョンには違いありません。
いうほど「重い報酬」(ゲームバランスを崩すようなもの)は用意できません。
しかし、ここに辿り着いたプレイヤーには楽しんでいただきたい……!

そういうわけで、怪獣大決戦ショーが企画されました。
いずれにせよ、ここまでつくればさすがに終わりでしょう。さて、エンディングでも実装しますか……。

・誘い惑わし貴様を殺す
とでも思っていたのか?

ここまでくるとストーリーの帳尻合わせを考えねばなりません。
ストーリー上の衝撃的な種明かしを一つ思いついたところで、そのフォローもまた必要になりました。
で、「永続海底研究都市」最下層からどうやってその尺を生やすんや!!

どうあがいてもさらなる「ラストダンジョン」が必要になりました。
そうして、なんかこう無理矢理に生えてきました。
これについては本当に生えてきてます。

つまりこのラストダンジョンは、道中で「回想シーン」を挟み込むための尺稼ぎなのです。

で、ラストダンジョンにふさわしい名前として、「マップ名が殺意に満ちたメッセージになってたら面白くね?」とかいう悪ふざけで考案されました。

これでダンジョンの実装は終わり! 終わりです!

・まとめ
意識したのは「冒険してる」感を出すために、ロケーションにバリエーションを出すことです。
森だったり洞窟だったり街だったり山だったり図書館だったり……。

「え、なにここ?」という驚きを定期的に提供することを意識しました。
新しい場所に辿り着いて、かっこいいマップ名がイージングしながら表示されるの、いいよね……。

・ストーリーをでっち上げよう②

さっきまで「ストーリーをでっち上げよう」って小タイトルだったけど、ほとんどダンジョンの話してなかった?
いいのよ、ダンジョンとストーリーは密接に結びついているのだから……。

順番としては、さすがにすべてのダンジョンを完成させてから、というわけではありませんが、だいたいダンジョンありきです。
「霧の谷」ってなんか魔女いそうだよね。じゃあ過去に魔女がいたことにしよう。ただいたってだけだとプレイヤーにとって大して興味惹かれないので、仲間キャラの一人である「リメイ」と知り合いだったということにしよう。
なんか魔女を追ってる人いたな……(「霧の谷」の場所が判明する文書の内容)あ、これを例の「岬の屋敷」の金持ちと同一人物にしよう。となると、やはり人形の関係で追っかけてるはず。
そうなると魔女は人形化の秘法を知ってる……? なんで……?
図書館で知ったのでは? 魔女なので図書館くらい通うでしょ。

とかなんとか、ストーリーを繋げてそれっぽくしていきます。
で、なんやかんや自分の中で盛り上がってきたので、これは「回想シーン」による演出がいるな、と。
回想で出てきたダンジョンを実際に訪れて「こっこの場所は!」という体験も期待できるかな、と。
あとは「カマソッソシリーズ」などプレイして、ツクール人形劇も楽しいなと思っていたので、いっちょやったるか! と考え始めました。

・リメイ
キャラクターについてはとりあえず絵から描いてます。
名前を思いついたのもだいぶ後で、最初のころは「人形1」「人形2」とか呼んでました。ひどい。

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で、見てくださいよこの顔。
絶対悪い子です。

というわけで、「いったいどんなわるさをやらかしたんだろう」ということから考えました。
マスター殺しくらい絶対やってるだろ……。

あとは、リメイの発見場所は「彷徨い森」なので、この森ともなにかしら所縁があるだろうと考えました。
森は彷徨ってるので、以前は別の場所にあったはず。
「霧の谷」のあたりにあったことにしても問題ないだろう。
わるさするには知識がいるので「悠幻図書館」にも通っていたに違いない。
魔女と知り合いだったっぽいけど、お前どうせ魔女も騙してただろ

そうやってリメイのキャラクターが固まってきました。

・ミィシア
金髪ツインテ枠です。

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え、そんな枠あるの? あります。
リメイは黒髪ロング枠ですが、髪の長さは控えめでまあセミロングくらいです。僕の認識ではあれでセミロングです

閑話休題。
命名については仲間四人でまず「名前の長さ」が被らないようにしました。
あとはできるだけ耳覚えのない、かつ親しみやすい音を目指しました。
「ミィシア」でググるとこのミィシアがヒットするくらいにはそこそこググラビリティもある命名です。
(改めてググるとリメイはなんか……化粧品?)

さて、この子の境遇は……?
なんか生意気そうな感じがしますね。
再起動させると第一声で「剣をよこしなさい」とかいってきます。
うーん、どっかの金の聖霊みたいだぁ……。
たぶん、やや戦闘狂なとこがあります。あるいは命令に従って暴走し殺戮を繰り返す兵器、というイメージです。
ゲーム的にはこれは「足の速さ」「索敵範囲の広さ」で表現します。

発見場所から考えましょう。研究所です。
あとはこう、人形というからには感情とかあまりなさそうです。
ちょっと待って。リメイという例外がすでにいるんだけど?

そうですね。あいつがまず例外で、あのリメイとかいう悪い子のせいでとてもかわいそうな目に遭ったのがこのミィシアです。
そういうことにしましょう。

と、四体の人形では一番「ドラマが薄い」のが彼女です。
境遇が境遇でもう最低最悪なので、「ドラマの薄さ」も含めて悲劇なんです。

・シキ
そろそろ巨乳枠もいるよなあ。

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で、メイドです
前にも書きましたが、「岬の屋敷」に関しては「メイド」の方が先です。
全体としてコスチュームのイメージを統一させたい、みたいな思惑がありました。
リメイはミリゴス、ミィシアはゴスロリ、でそのへんの傾向と近いメイド服、ということでシキです。

ちなみにリメイやミィシアが小さめなのは、「人形」ってからにはロリっぽい方がそれっぽくね? とかいう発想です。
ただ全員が全員そうでなくてもいいかな、というのとそれぞれのキャラにパラメータ差も持たせたいな、と思ったので「大きいからHPも高い」という特徴づけを持たせることにしました。

さて、シキというキャラクターの背景ですが。
なにも考えずにまず絵だけ描きました。
黒髪ロング枠はリメイで使ったし、となると短髪……メイドだから髪短いのは自然……表情も……薄い感じかな……。
なんやこの陰鬱な表情! つらい過去があったに違いない!

で、メイドなのでその主となにかしらドラマがあったはずです。
その主がなんらかの事情で狂ってて、メイドとしてはそれとなく止めようとするけど全然止まらねえ! みたいな感じだとつらみがあってよいと思います。
はい採用。全会一致で議決。

で、悲劇というのはだいたいリメイのせいです。
「魔女を追う」というストーリーとあわせて……ああ、その中身が実はリメイだったとかいうことにすればいいか……。最悪だなこいつ
それぞれを関連付けながら、ストーリーもいい感じに出来上がってきたよー。

・エスギニル
いや、あのさ、やっぱりさ、そろそろ必要だと思うんだよね。

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ぴっちりスーツ巨乳で眼鏡で褐色でギザ歯で長身長髪でぐははとか笑いそうなお姉さんがさ……。
一つ聞いてもいいかな。コスチュームイメージの統一どこいった?

そんなわけで爆誕です。
キャラクターの実装順はふつうにゲーム(の通常プレイ)で仲間になる順番どおりです。
なので名前も五文字もあります。

キャラクター性としては「天空城」ありきです。
城にいるくらいだから……王様では!?
そんな発想で王になりました。
でも……女性の方ですよね?
ああ?! 女だと王になれねえのか?!
性別に関しては一切触れずに勢いで乗り切るんだよ!!

と、王というキャラづけのせいで一番「ドラマが濃い」キャラになりました。
各キャラ四回の回想シーンがありますが、こいつに関してはまったく収まってません。というかこいつの場合五回ありますし、なんだったら他の回想シーンでもちょくちょく顔を出します。
「六国連合との戦い」を描いた回想シーンも予定されていましたが、前後編構成にしてなお長すぎる! というのであえなくボツ
(いつか機会があれば……なんらかの形で描くかも……?)

キャラとしては「ぐはは」と笑いながら暴れ回る感じにしたかったのですが……残念ながら、この世界滅んでるのよね
いくら最強ポジティブシンキングな感じのキャラにしようにも、王として頑張ってたはずが世界滅んでますからね。なんだかんだ悲壮感も併せ持つかんじになりました。
世界が滅んでも全然関係ないって顔してるやつもいますが。


・ストーリーをでっち上げよう③

さて、ここまでストーリーをでっち上げてきて……一つ問題が発生しました。
『魔機人形と棄てられた世界』というタイトルですが、「魔機人形」と「棄てられた世界」の関係が薄いな、と……。
なにせ四体中三体は世界が滅んでるとき寝てましたから。

結論として、「まあいいや」で済ませました。

さて、ストーリーの核心としては実は前作『人類滅亡後のPinocchia』の実質続編であったことが判明します。
これについてはすでに似たようなことを言ってますが、初めから考えていたわけではありません。
だってさ、前作プレイしてないとストーリーわかんないってのはさ……よくないじゃん?
というわけで、前作は知らなくても理解はできるように努めたつもりではありますが、詳細は不明。
詳しくはふせったーで語った「これ」とか「これ」とか。

と、これまで癖みたいに過去作とストーリーを接続してますが、もともと想定された大きな年表みたいなのがあるわけではなく、「つくりたいゲーム」がまずあって、「ストーリーでっち上げないとな……あ、過去作から設定拾ってこよ」という順番になってます。
要は創業以来の継ぎ足しソースみたいなもので、必要に応じて新しい設定がそのたびに生えてきます。
ので、作品で描写されてない部分についてはあとからどうとでもなるようにファジーに扱ってます。
どっかで矛盾とか発生しそうですが……そのときは教えてね!

あとはこう、せっかく滅んでるんだから滅んで惜しまれるような世界にしたいな……とあれこれ考えました。
ミィシア絡みの非道な人体実験とか、いやこの世界滅んで正解じゃね? みたいな描写ばかりだったのでなんとかしたかったのです。
「探索士プロゴエ冒険録」はそういう意図もあって設置されたものですが……世界滅亡のずっと以前に死んでしまいました

い、意味がない……!

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