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〈鉄材料の勉強〉鉄と鉄鋼がわかる本(4)

こんにちは。
遅々として進みませんが、引き続き新日鉄の鉄の本を読んでいます。

高炉に関して記載されている第2章の後半で、「操業の”技”」と書かれているところがなかなか興味深かったと思いました。
気になった点を列挙します。

  • 溶融の過程で固体と液体の中間で密度の高い半溶融状態のドーナツ構造物(融着帯)ができる

  • 融着帯は整流板の機能があり、下部から上昇してきた高温ガスが中心に集まり、コークス層を介して炉外周側へ均一に放出される

  • 融着帯によって局支部的な異常なガス流の発生を抑えることができる

  • 融着帯は薄いほうが良く、厚いとガス流の抵抗となり上部の固体部分に熱が伝わりにくくなる(生産性が低下する)

  • 原料の事前処理をしっかりしないと銑鉄の生産効率が低下する

  • 事前処理で重要なのは材料のバラツキ(粒度、不純物)を如何に抑制するかということ

  • 不純物が多いと(融着帯を形成する)軟化温度が低くなるため、溶解温度との差が大きく、溶けきるのに時間がかかり、融着帯が厚くなる

  • 原材料の産地によって粒度や不純物が異なるので、ブレンドしたり造粒機で粒度を調整したりするなどの事前所持で出来るだけバラツキを抑える

  • シミュレーションによって高炉内部の状態を見える化している

  • AI手法に基づくシステムや3Dグラフィック表示などを駆使して操業管理の信頼性を高めている

感想

この本自体は2004年頃の内容だが、AIが利用されていたり、クリーンエネルギーとしての水素抽出の研究開発についても言及されていました。
20年以上前から続けられていた開発が、最近になって更に注目されていると思うと、時間をかけてもしっかりと技術を蓄積していくことの大切さを感じます。

自分の仕事でも同じようなことを長くやっている気がしますが、いつか大成すると信じて続けていきたいと思いました。

また、世間的に話題にならなくて、新しい技術に関する情報を拾っておくことの大切さも感じました。
かといって、なんでもかんでも理解することは難しいので、自分の専門分野と興味の範囲に集中していきたいと思います。
そのためにも、もっとレベルアップしないといけないと感じています。

以上です。

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