【学会誌】塗装技術とカラーデザイン開発
こんにちは。
『表面技術』2023年11月号を読んでいます。もう1月ですが…
読んだ記事について、気になった部分やポイントをメモしておきたいと思います。
今回読んだ記事のタイトルは「塗料・塗装における色彩技術とカラーデザイン開発」で著者は関西ペイント㈱の湯澤さんです。
内容
カラーデザインにおける塗装技術やデザインへの影響について、具体例を交えて解説されています。
ここでは、自動車およびLRT(Light Rail Transit)を例にして説明されています。
気になったポイント
カラーデザイナーは時代の世相を知り、トレンド調査解析からコンセプトを導き出し、材料、工程、塗装技術のアプローチから表面を想像する。その際には各製品のスペックや製造ラインを想定し、生産までのプロセスを考慮した開発が重要。
演色性「メタメリズム」:光源や照度の違いによって同じものが違って見える現象。
自動車外装カラーは内装インテリアを意識した内外装のトータルコーディネートを求められる傾向にある
各国の自動車の色別生産台数の変遷を調べることにより国別の自動車から―の特徴を知ることができる
自動車外塗装の代表的な構造
1層目:錆止めの電着層20μm
2層目:柔らかく石が当たっても割れない剥がれない中塗り層35μm
3層目:意匠層15μm
4層目:紫外線防止、擦り傷防止、等の機能と美しい艶を与えるクリアー層30μm
LRTでは高彩度でメタリックなイエローが求められた
イエローの原色にアルミニウム顔料を混ぜるとメタリックになるが、減法混色によりイエローの彩度が低下する
フリップフロップ:観察する角度により異なった色に見える現象。受光角10~25°のハイライトは光の反射で明るく、受光角75~110°はシェードで暗くなる
製品の形状を考慮しカラーデザイン計画を立てることが重要
プロダクトカラーデザインにおいては、芸術品の一品ものではないという認識をもって開発を行うことが重要
様々な外部因子に対するロバスト性を付与した塗料設計
塗装メーカーのSDGs取組
乾燥工程を短縮(CO2削減取組)
そもそも塗装しない技術の開発
塗料の水性化
塗装ブースの空調レス化
バイオマス原料などのサスティナブルマテリアル適用技術の開発
「何故この素材か」を紐解くストーリーテリングが求められる
超金属調シルバー
剝離可能塗装システム
走行時に剥がれることなく、変えたくなったら剝がしたいときに元の状態に簡単に戻すことの出来る剥がせるボディカラー
剥離可能塗装システムは面白そうだったんですが、調べてもあまり文献が見つけられませんでした。関西ペイントのHPでは見つけられなかったので、実用化には至っていないのかもしれません。
今日は以上です。
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