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あるプレイヤーの『サクラ革命』の雑感【サクラ革命は本当にクソゲーか?】

2020年12月15日、満を持してリリースされた『サクラ大戦シリーズ』最新の外伝作となる『サクラ革命』。その評価は現状「否」寄りの賛否両論、快調なスタートを切ったとは言い難い低空飛行だ。
SNSでは『サクラ革命 ブス』なる美少女スマホゲーの評価としてはあまりにも不名誉なサジェストが飛び出し、
某有名ゲームブログ(外部リンク)では「未完成品」「(演出やデザインが)ダサい」なる低評価を頂く始末。
正直、自分も現状のサクラ革命を良い作品だとは思っていない。

というわけで、ここからは個人的な『サクラ革命』評を述べていきたいと思う。これからプレイしようと考えているプレイヤーの参考になれば幸いだ。
前述の「ブス」問題は、個人の感性による部分が大きいのでここでは触れない。
(個人的には「ブス」は言い過ぎだとは思うが、時々CGモデルの顔が不気味の谷に入ってる時があるとは思う)

また、戦闘・育成システムなどに類似点が多い、ディライトワークスの先行作品である『Fate/Grand Order』(以下、FGO)との比較が多くなることに注意。

◆シナリオの話。

シナリオはまあまあ良くできており、第2章の後半~クライマックスなど盛り上がる部分もある。シナリオ面では合格点を下しても全然問題ない出来ではあると思う。

ただし無視できない欠点もいくつかあり、そのせいで評価を落としている部分も多い。
個人的に気になるのが以下の4点だ。

・「話の途中でワイバーン病」
FGOの初期において、シナリオの合間合間に敵襲というイベントが入り、話のテンポが削がれることがプレイヤーからは問題視されたが、
(これはシナリオライターの奈須きのこ自身も認めており、のちに公式で「話の途中だがワイバーンだ!」とネタにもされた)
サクラ革命ではFGOで治ったはずの「シナリオの合間合間に敵襲でテンポが削がれる」という悪習が復活してしまっている。

2 サクラ革命 第二話 神子浜あせび CV夏吉ゆうこ - YouTube

1章の序盤~中盤や2章の中盤など、ことあるごとに降鬼や機兵などザコキャラの襲撃が話に割り込んでくるので話のテンポが悪い。
降鬼・機兵も工夫のない編成・攻撃で攻めてくるため作業感も強く、倒して得られるアイテムも章クリアボーナスの育成アイテム(種火) or 僅かなガチャ石のみ、としょっぱい。

FGOでせっかく「むやみやたらに戦闘しなくても、プレイヤーはシナリオを読んでくれる」という事実を発見できたのに、これがサクラ革命にも引き継がれなかったことは謎としか言いようがないし、FGOで実装された「章クリアで素材アイテムが一定数手に入る」という措置が受け継がれていないのも謎。

・登場人物多すぎ問題
各章の登場人物は多めで、一人一人の掘り下げは薄味だ。
1章ではアンジェリカが若干空気気味な程度で「もったいないな、かわいいのに」と思った程度だが、問題は第2章。
松林館の5人の弟子はそれぞれキャラが立っていていいものの、もえみの3人の従者ははっきり言って空気並みの存在で、戦闘とにぎやかし以外に存在意義がない。
個人的にはもうちょいキャラ登場人数を絞って、各キャラの掘り下げや戦闘演出に力を入れてほしかった。

・日本を「奪還」して、その後は?
序章で説明されるとおり、大正100年の日本は「大霊災」で『サクラ』シリーズの世界で普及していた蒸気機関のほとんどが失われ、それを吉良首相らが発見した新エネルギー「ミライ」で代替することで復興を果たした、という設定だ。
そしてその「ミライ」が人間の未来に対する活力を吸収することで成り立っていることを発見したなでしこの願いを受け、主人公ら帝国華撃団が各地の「ミライ」供給装置を破壊し、日本の未来を「奪還」していく…というのが本作の超大まかなストーリーだ。

だが、第一章を始めた時点でプレイヤーはある事実に気付く。ミライによる発電施設を破壊した後、日本のエネルギー源をどうするかという話が全く出てこないのだ。
帝撃に入団しようとする人々が疑問に思うこともなければ、発起人のなでしこが言及することもない。
あまりにも不自然で、帝撃が各地の敵に啖呵を切るかっこいい場面でも「でも君たち、ミライを壊した後のことはまったく考えてないんでしょ?」というツッコミが脳裏に浮かんでしまう。

一応、2章で松林が個人の霊力で動く改良型蒸気機関を開発していることがわかる。
だが、同時に松林の蒸気機関は不完全なものであるという描写もされる。これを全国にミライに代わるエネルギー源として配備することはすぐには無理だろう。

・意味のない選択肢
サクラ大戦といえば制限時間付きの選択肢「LIPS」だ。
サクラ革命にもそれが採用されているのだが、本作のLIPSは有名無実化してしまっている。
一方の選択肢を選んでも、もう一方の「シナリオ的に正しい選択肢」を選びなおさせられたり、そもそも選択することに意味がない時(時間切れが正解)もある。

2 サクラ革命  九州編 最終回 - YouTube

「こんな『LIPSという名の一本道』を実装するくらいならバッサリLIPSを廃止してもよかったのでは?」と考えてしまう。

◆育成の話。

ストーリーよりもここに不満を持っている人が現状では多いと思う。現状のキャラ育成ははっきり言って苦行だ。それこそFGOの最初期を思い出すような地獄といっても過言ではない。

サクラ革命の育成が地獄化している理由は、「渋すぎるドロップ率」と「素材アイテムの多さ」、そして「FGO由来の厳しい育成システム」の3つの合わせ技だ。

・ドロップ率が渋すぎる
単純明快だが、これが最大にして最強の育成地獄化の原因。
現状、サクラ革命の育成用素材アイテムを集める方法は「フリークエスト」「曜日クエスト」の二つなのだが、どちらもアイテムを入手できる確率はかなり渋い。
たいていのプレイヤーは雀の涙のGP(資金)だけが映ったリザルト画面を何度も拝む羽目になる。

幸い、現状では曜日クエストの消費APが異常に低いため試行回数は多くとれるのだが、それでも出ない時は出ないため、周回を続けていると次第に心に虚無感が訪れる。
FGOに実装されている「クエストの再挑戦機能」が何故か廃されていることも地味にストレスを蓄積させていく。

・素材アイテムが多く、ドロップ範囲は広い
後述するが、このゲームの育成素材アイテムはFGOを踏襲しており、
「レベルを上げるための『霊珠』(種火)」
「霊力進化(レベルキャップ緩和)に使う『設計図(ピース/モニュメント)』」
「技と個性(アクティブ・パッシブスキル)の強化に必要な『結晶片』(輝石/魔石/秘石)」
「霊力進化、技と個性の強化に必要な各種素材アイテム」
「キャラクターの基礎能力を強化する『霊子装甲・回路』(フォウくん)」

と、集めるべきアイテムは広範にわたる。
経験値クエストで必ず入手できる霊珠、イベントでの入手が基本の霊子装甲・回路はいいのだが、問題は設計図・結晶片・素材アイテム。
これらはまとめて曜日クエストのドロップ候補に配置されており、「設計図が欲しいのに結晶片ばかり出る」といった事故が多発する。
フリークエストの大半には結晶片が含まれていないためそっちを狙えば、と思っても、フリークエストは総じてAP消費が重いうえ、こちらも雑多な素材アイテムがドロップ候補にひとまとめにされているため、どっちにしろ狙ったアイテムの入手は困難を極める。

同様の育成システムのFGOがかろうじて許されているのは、一つのクエストでドロップするアイテムが絞られているからだ。
FGOは原則的に
「セイバークラスの敵からはセイバー系サーヴァントの育成素材など、敵のクラスに合わせたドロップアイテムが出現する」
「ラミア系の敵からは『蛇の宝玉』、ホムンクルス系の敵からは『ホムンクルスベビー』など、敵の系統でドロップするアイテムが決まっている」
というルールがあるため、素材アイテムは比較的狙いやすかった。

しかしサクラ革命は現状「降鬼系の敵からは降鬼系の、機兵系の敵からは機兵系の素材」という大まかなルールしかなく、機兵系の素材だけでもエンジン・サスペンション・鋼板・ファイバー・ギアの5種が存在している上に、たいていはこの中から数種類がドロップ候補にひとまとめにされているため、狙った素材が非常に入手困難な仕組みになってしまっている。

・FGO由来の厳しい育成システム
この苦行をさらに苦行たらしめるのが、FGO由来のハードな育成システムだ。
FGOが「サーヴァントとの強固な思い出を作るため(意訳)」に意図的に育成システムを厳しめに設定しているのは周知の事実だが、よりによってサクラ革命はその傾向まで律義にFGOから受け継いでしまっており、キャラクターの育成は長丁場となる。
前述のようにキャラクター育成には多くの、広範にわたるアイテムをつぎ込む必要があるうえ、必要数も多い。
FGOにないオート戦闘システムの恩恵をもってしても、次第に面倒くさくなってくる。

演出の話。

某有名ゲームブログでも問題点と指摘されたように、全体的にしょっぱい。
「写真撮ってそれを燃やすだけ」のまな、「よくわかんないビームの檻に敵を閉じ込めて爆破するだけ」のむつはあたりはその代表例で、同じ3Dのキャラが必殺技でアニメーションする『スパロボX-Ω』や、昨今の進歩したLive2Dでキャラがモリモリ動く各種ゲーム(『エピックセブン』や『アズールレーン』等)と比較するとビジュアル面はかなり見劣りする。
せっかくFGOと違って2Dの制約から解き放たれたというのに、これではあんまりだ。
もしかしてディライトは2Dゲーばかり作ってきたので、3Dの演出に慣れていないのだろうか?

◆まとめ

「キャラはかわいいしストーリーも(ツッコミどころはあるけど)そこそこ、でもそれら長所を覆い隠すほど『育成が地獄』という短所がでかい」。現状のサクラ革命はこの一文に集約できると思う。正直に言えば令和時代のスマホゲーとしては物足りない。
製作チームは平成のスマホゲーム業界からタイムスリップしてきたのでは、と思うことさえある。
…やっぱり初期のFGOだこれ。

しかし、一部の人の言う「クソゲー」という評は言い過ぎだと思う。
初期の『FGO』や『拡張少女系トライナリー』を経験してきた人間からすれば全然遊べるし、なんなら「『サクラ革命』ごときでクソゲーって言ってるお前らは本当のクソゲーを知らない」と説教してやりたい(謎マウンティング)。

本当に、「キャラが可愛い」「戦闘が面白い」などの長所があるだけに無視できない欠点が惜しまれる一作である。
しかし、サクラ革命はまだまだリリースから一ヶ月も経っていないよちよち歩きのタイトルだ。
ここから改善が見られれば、今の逆境を覆し、ディライト第2の看板タイトルになれる可能性は秘めている。

そこそこ遊んでいる身としては、汚名返上を期待したいところだ。

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