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ドア越しの恋人たち

今日は佐藤さんが配達の日。
僕の彼女は配達員をしている。

ピンポンが鳴ると麗らかで透き通った声で小林さん、お荷物ですと。僕も配達員さん、お疲れ様と。

彼女はいつもテキパキしている。普段から休みの日は僕の家でのんびりゴロゴロしている姿をお首にも出さない。


はい、どうぞ。そっと荷物が差し出される。そこに、僕はウルトラマンのハンコで小林と押す。いつか、配達員の名前も小林になるだろう。春には赤ん坊が生まれる。
それでも、配達員の小林さんは僕に他人行儀な口を聞き、僕も目だけ嬉しそうにするだろう。

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