マリのうちわは世界一
世界中のうちわを知っているわけではないのだが、というかむしろほとんど知らないのだが、マリのうちわは世界一じゃないかと思っている。
最小限の力で多くの風を起こすことができるスグレモノなのだ。
日本のうちわは、扇ぐ部分が柄の先に手のひらのようについている。骨に地紙を貼った形なので柔軟性はほとんどない。柄を動かす力がそのまま先へ伝わる。
マリのうちわ“フィンファラン”は、扇ぐ部分が柄の脇に旗のようについている。そして骨がないので柔軟性がある。扇ぐ時は柄を動かすのでなく、柄を軸にして手首をひねるように動かす。親指を軸にするなら小指を180度動かす感じだ。(この説明で通じるだろうか)
これがマジで楽。
楽な上に、風量も多い。
日本のうちわを使うところを想像してみて欲しい。
手の動きは、結局のところ手首を返す形だから、マリのうちわを使うときと同じだ。しかし日本のうちわの場合、扇部分は手を動かした角度と同じところまでしか動かない。
手の動き=柄の動き=扇部分の動き。
マリのフィンファランは扇部分は柔軟なので、少しの手の動きで大きく動く。10度くらい動かせば100度くらい動くイメージ。
手の動き≠扇部分の動き。柄は動かず、回転軸となる。
大きく動くから、手をせわしなく動かす必要がない。
うちわを扇ぐ時のせわしない動きは、そのまま日本人の動き方のようだし、フィンファランをあおぐゆったりした動きは、そのままマリ人の動き方のようだ。
道具というのはおもしろいものだと思う。
ミネコ
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