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任国外旅行を終えて

今回の任国外旅行はトランジット含めると
20日間で8カ国の大移動をした、
とても忙しない旅行となった。
狭く深くというよりも広く浅く物事を知りたいタチなので、こんな無理した旅程になってしまった。

任国外旅行制度を使えば日本に帰国することも可能だしやはりそれで日本に帰る人も多いのだが、
せっかくアフリカに在住しているのだから、
どうせならアフリカから行きやすく、
かつ訪れたことのない国を回りたい

という考えのもと今回は南アフリカ、チュニジア、そしてスペインを旅行することに決めた。

今回旅行を通じて感じたのは、
やはり世界は広く、いろんな場所があって
いろんな人たちがいるのだなということだった。

1.南アフリカ共和国🇿🇦

前評判ではケープタウンの治安は悪く、本当に気をつけるようにと安全管理担当者からも再三言われ、旅レジや外務省からも注意喚起のメールが回ってきておりビクビクしていたが…
実際に1週間過ごしてみたところ、
そんなに危険か…?という印象を抱いた。
普通に女子1人でも出歩けるし、
そもそも街を歩いていても絡んでくる人は少ない。

いや、日本で今まで生活していて急に南アフリカに行ったのなら少し怖いと思うかもしれないが、
ウガンダの有象無象さ、人や交通量の多さ、治安、ストリートチルドレンや路上の物乞い、絡まれ具合などを経験していれば全然大したことない、むしろ南アのほうがずっとマシと思えた。
とはいえ、路上にホームレスや物乞いはいるし
たまになんやこいつと思うような絡み方をしてくる人もいたので、全く注意しなくて良いとはいえないが……

はっきり言ってここは日本と大差ないなと思った。
洗練された街並み、おしゃれなカフェやレストラン。整ったライフライン。
マクドナルド、スターバックス、ロクシタンやさまざまな海外ブランドも並ぶ。
街にはコンクリートが敷かれ、信号機が設置されている。軒並み高いビルが立ち並び、大きなゴミ収集車がゴミを回収して街は清潔に保たれていた。
南アフリカでも場所によって暮らしぶりは全然違うのだと思うが、少なくともケープタウンはアフリカとは到底思えない発展度合いだった。

ウォーターフロントの夜景。
ディズニーランドみたい

欲しいものはなんでも買える。
おそらくそれなりに裕福な人が多いため学校に行けて教養のある人が多く、不必要に絡んでこないしこちらが喋りかけなければ喋りかけてこない。
街中で変な人がいても見て見ぬふり、
すれ違う人同士も特に会話はしない。
店員さんも私がした質問に対して返答するのみでそれ以上もそれ以下も絡んでこない。
その辺も実に日本らしい。

でもウガンダで結構過ごした今。
それが少し寂しいな、とも思ったりする。
先進国になるとこういうふうに人の関係性が薄れてしまうものなのだろうか。
ウガンダはウガンダで多少面倒くさいこともある。
夜の爆音は寝れないからやめていただきたいし、
鬱陶しいくらい絡んでくる子供や大人は多いし、
1人でゆっくりしていたい時に限って声をかけられるし、
ことあるごとくWhat’s appのメッセージや電話をしてくるのも対応が面倒くさいからやめてくれや!
…なんて思ったりもするけれど、
やはりどうしたって温かいのだ。
本当に人のことを大切にしているんだろうな(お節介も含めて)、困った時はお互い様なんだろうなと思う。
だから、自分がこんな感じ方をするなんてとても意外だった。

南アフリカの方が、圧倒的に裕福である。
発展している。
しかし、本当の豊かさとはなんなんだろう。
この消費社会で、不必要なほどの余剰価値で作り上げる幸せは、本当に幸せなのだろうか。
ウガンダでは、無いなら無いで代わりのものを使おう、となるし
今そこにあるもので幸せを作り出すことができる。
ゲーム機、カラオケ、映画館。
そんなものがなくたって
贅沢なものがなくたって
裸足で野山を走り、全身で川に入って水浴びをし、
家族や恋人と過ごし、
屈託のない笑顔で笑ってみせるのだ。

南アフリカが本当に日本に似ているからこそ、
私は---。
帰国後日本でも、こんな風に感じてしまうんだろうか。

2.チュニジア🇹🇳

次の目的地はチュニジア。旅行した8月頭は本当に、いやほんっっとうに暑すぎた。紫外線が強く、眩しすぎてサングラスをしていないと目が開けられない。体が干からびそうというのを体感し、命の危険、水の重要性を認識した。現地の人でも日中は出歩けないとか出歩かないとか…
暑さで言えばウガンダ以上。ここでずっと生きていくのはしんどい!

観光地シディブサイドの美しい建物

チュニジアは中進国と言えば良いのか、程よく街も発展し、特に首都のチュニスはしっかりした建物が並び、やはり道路は整っていて街は綺麗だった。
ここはアラビア/フランス語圏。
空港や本当の観光地は別として、英語はほとんど通じなかった。
ここも割とドライというか、フランス語が通じないとわかればぶっきらぼうな態度を取られたり、観光客だからとぼったくり価格をふっかけられ「無理」というとあしらわれたりした。もちろん個人による。めちゃくちゃ値段交渉でノリノリに乗ってきてくれたタクシーの運ちゃんもいた。

チュニジア南部は基本的に砂漠に覆われており、
見渡す限りのサハラ砂漠が広がってそれはそれは優美な光景だった。
ツアーの中で原住民の方や伝統的な住居を見学する機会があったのだが、日本のぽつんと一軒家なんかとは比にならないくらい本当にすごい場所、あっと驚くような場所に住居があった。
敵対する国や部族に見つからないように。
はたまた暑い国で涼しい保管庫をゲットするために。
さまざまな工夫が施され、そこで今日も力強く生きていらっしゃる人々がいた。
そして私たちが来ると、言葉は通じないけれど温かくもてなしてくださった。

砂漠地帯に現れた住居

そう言った地域では、政府などのサポートもあって意外にも小学校くらいまでの学校や小さな病院、電気水道などのライフラインが整えられており、水なんか当時一緒に旅行していたた3カ国メンツ(ウガンダ、ジンバブエ、ルワンダ)よりも整っているようだった。すごい。

そしてチュニジアならではの可愛らしい陶器や工芸品が並ぶ。
この食器で食事を出されただけで食卓が映える。
私が見つけられなかっただけかもしれないけれど、チュニジアもウガンダのように食のバラエティが少ないのかなと思った(大体のレストランで出てくる食べ物ほぼ同じだったし…)
飽きはするけれどチュニジアの料理はとても美味しかった。

また、個人的にチュニジアにある動物園を訪問し見学したが…
緑が乏しく、おそらく野生動物などもほとんどいないこの国に生まれていたら…私は動物に興味を持つことなんて、なかったかもしれない。
生まれた場所や育つ環境は進路に影響を与えるだろうと思う。

3.スペイン🇪🇸

今回旅行した中でもやはり1番の先進国。
いかにもヨーロッパというような、どこを切り取っても絵になる美しい建築物。

スペイン南部グラナダの街並み
マドリードSol駅周辺

バラエティに富み味も見た目もクオリティの高い食事。
そして温かい人々。
スペインでは一部観光地を除きほとんど、本当にほとんど英語が通じない。
マドリード空港ですら全く英語が通じなかった。
だが英語が通じないなりになんとか身振り手振りやニュアンスで伝えようとしてくれたり、ノリが良かったり。旅行した国の中でも最も温かさとヒューマニティを感じた。
昼間から出店でビールやワインを飲み、楽しそうに語らう人々は本当に幸福度が高そうで。「人生を楽しんでいる」感じがした
ただバルセロナではスリもどきに合い、ヨーロッパはスリ大国という話もあるのでそういうところは怖いなぁと思った。
あとはいくら基本的に綺麗とは言ってもやはり夜だったり、観光客があまりに多い場所ではゴミ箱からゴミが溢れ道路に散らばっていたり、そういうところはやはりどうしたって人間なのだなと感じた。
合法なのかわからないが大麻のお店があったり、歩きタバコが普通だったり、そういうところは私からしたら過少しきつかった。

トランジットも含めて

トランジットとして今回使ったのは
エチオピア(アディスアベバ)🇪🇹
カタール(ドーハ)🇶🇦
フランス(マルセイユ)🇫🇷
エジプト(カイロ)🇪🇬
ルワンダ(キガリ)🇷🇼。

エチオピアは以前も利用したが、カタール、フランス、エジプト、ルワンダは今回初上陸で、
カタールは言わずもがな豪華すぎて広すぎる煌びやかな空港に戦慄し、
フランスは空港ですら感じる綺麗さ、人々の美しさに惚れ惚れし、
エジプトではカタコトの英語ながらもエジプト人ならではの気迫と圧を感じ、
ルワンダは隣国ではあるがなんとなくの外見の違い(特に男性がわかりやすかった。ルワンダの男性は髪型がオシャレな人が多かった)を感じた。

本当にいろんな国があって、
同じところなどなくて。

それぞれの人たちにそれぞれの生活があり、
文化があり、伝統があり、誇りがあり、
それぞれの常識や当たり前があって、
それぞれの幸せと問題がある。
幸せの形は1つではない。

ウガンダ人にとっての幸せはスペイン人にとって苦痛かもしれないし、チュニジアでの当たり前の暮らしは南アの人には到底できないだろう。
ウガンダでの大きな問題はルワンダでは大したことないかもしれないし、フランスでは問題になったことすらないかもしれないし、エチオピアではもっと大きな問題になっているかもしれないし、エジプトではもっと別の問題に苦しんでいるかもしれない。
きっと自国では生きづらい人も他の国に行けば生きやすくなったりすることもあるし、逆もまた然りだろう。

旅行を経て帰ったからこそ感じるウガンダの
やっぱりこれは素敵だなというところも、うわここやばすぎるだろというところも、
今回改めて感じることができた。

久しぶりに食べたり感じたりした日本のもので、
あーやはり自分の根っこは日本人なんだな、
そこはどうしたってそうなんだなという感覚も感じることができた。

世界は本当に広く、
様々な人たちで構成されていて、
だからやっぱりわかり合うなんて難しくて、
不思議で、いじらしくて。
でもみんなが「今日」という日を共有して生きている。

1人1人の人間が、1つ1つの国が、
やはり尊いものだ、と思う。

全カ国を制覇したいなどとは到底思っていないが、これからも行きたいところには行ける時間とお金がある時に積極的に行くようにしたい。

たくさんの世界を知って、
たくさんの生き方を知って、
私は将来どこで誰とどんなことをしているのだろう。
それが怖くもあり楽しみでもある。

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