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ビター・スウィート

二本立ての夢を見た。

一本目は、以前すこしだけお付き合いをしていたひととの会話で、もう一本は自分が離婚をすることが決まった話し合いの場だった。
(わたしはこれまで結婚はしていない)

物語の展開はディテールまで覚えていて台詞も覚えているけれど、それは心の中にしまっておく。

優しくもとても悲しくて淋しい気持ちで、朝の光のなかに放りだされた。

二本立ての物語が生まれた理由はよくわかる。

夕べ、タンゲーラの「オトナミロンガ」というアルゼンチンタンゴのミロンガに行き、その彼とのことを少し思い出していたから。
そのあと、そこで初めて出会った男性と印象的なお話をしたから。

小さなディテールが繋ぎ合わさって、心に引っかかっている過去の風景と混ざり合い、夢が紡がれる。わたしの夢はいつも、ビター・スウィートだ。目がさめると胸に後味が残っている。

ところで、気づいたらわたしは、ストッキングだけ脱ぎ散らかして夕べのミロンガのドレスのまま寝落ちしていたらしい。やっちまった…。

シャワーを浴びて気を取り直して、またぱりっとした一日を迎える。

全ての出会いに、感謝している。

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