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世界はすこしぼやけている

何もない休日。いくあてもなく総武線に乗って、久しぶりにということで高円寺で降りた。学生時代に恋人と食べたラーメンを久しぶりに食べて、よく寄っていた本屋にいって写真集と詩集を買った。その後、国立へいって、また本屋にいって、いろんなアイデアをもらって、それから写真集を観るために喫茶店に寄った。そこも恋人と行ったところで、食べきれないくらいのパスタが出てきて笑ったことを、店内に入った途端に思い出す。
あの頃だけ、わたしは自分なんてどうなってもいいのだと本当に思っていた。今は自分の中にしか楽しみを見出せていないような感じになっているのに。
開いた写真集は顔が判別できないくらいにボケた写真が沢山使われていた。確かに世界はすこしぼやけている。だからこそそこに入り込むように生まれた物語に、わたしたちは想像を膨らまし、ふとした瞬間に人生はそれなりのものだと悟ったりするのだろう。

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